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とろりと甘いブドウエキス
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バルベリ城に戻ったジュリエッタは、城郭都市の人口推移を記した書類を眺めた。
過去十年で人口が二倍になっており、税収も二倍になっている。それだけ見れば不正はなさそうだ。
(でも、絶対になんかやっているはず)
ヌワカロール城では一家の身の丈に合った生活ぶりが見られたが、テイラー総督は衣服一着とっても明らかに分不相応だった。
身にそぐわない贅沢の裏には大抵、不正がある。
(でも侯爵さまが自治を任せているのに、それを取り消すことはできないし。不正の証拠でも見つかればいいけど、事は簡単ではなさそうだわ)
それは家令のファビオが見過ごしていることからもわかる。ファビオが、総督の不正に気づいていないはずがない。しかし、ファビオにも手が出せないのだ。
(侯爵さまに斥候でも借りて、総督府に忍び込ませるしかないかしら)
朝食中に、侯爵が言ってきた。
「ジュリエッタ、アイスワインって知ってる?」
「凍らせたワインのこと?」
「凍っているブドウを絞って作るワインだよ。今、仕込んでいる最中だ。見に行く?」
(いろいろと考え事があるんだけど)
「寒いの苦手なの」
「凍ったブドウからは水分が抜けて濃いブドウエキスが絞れる。一房からティースプーン一杯しかとれないほど貴重なものだ。そして、仕込む前の今しか、ブドウエキスは味わうことができない」
(ブドウエキス、気になる、気になるわ……!)
「行きます!」
ジュリエッタは一人で馬に乗れるようになっていたが、侯爵の前に座ることにした。
(だって寒いんですもの)
城郭の外にはうっすらと雪が積もっているが、侯爵のマントに入れてもらえば随分と温かい。
醸造所に向かえば、幾人もの職人が立ち働いていた。一人の職人が透明な液体の入った小瓶を渡してきた。
「これがブドウエキスでさあ。エキスは水よりも低い温度でしか凍らないために、エキスだけを絞れるってわけです」
「では、氷点下で作業をやるのね?」
「へえ。アイスワイン造りでの一番つらい作業でさあ。一杯ひっかけながらやっちまうんでさほど苦労はありやせんがね」
小瓶からはとても良い香りがする。とろりとした液体が入っている。
口に含めば濃く瑞々しいブドウの香りにスッキリとした甘さが広がる。
「まあ、ブドウエキス、おいしいわ! これで出来たワインはさぞかしおいしいでしょうね」
「とびっきりのうまさでさあ」
「期待しているわ」
「へえ、寝かせるので、数年、お待ちくだせえ」
予定では数年先には侯爵夫人ではないのが残念だ。
(でも、アイスワインじゃ命には代えられないし)
城郭への帰り道、雪の上で雪がぴょこりと跳ねた。
(雪がぴょこった?)
見ればぴょこぴょこと跳ねているのは、うさぎだった。
「まあ、うさぎよ!」
「捕まえようか。冬のウサギは身が締まって味が濃いんだ」
(侯爵さまにはやっぱりうさぎが食糧にしか見えないのね)
ジュリエッタは侯爵のマントから出ると、スルッと馬を降りて、すばしっこい動きでうさぎを捕まえた。
暴れるのをドレスの裾で包むと大人しくなった。
ドレスの前を抑えたまま、侯爵に脇の下を持って引っ張り上げてもらう。
ドレスの前に手を入れると毛が触れた。ふるふると震えている。
「怖くて、ふるえているわ」
ジュリエッタが撫でると、逃げようともがいていたうさぎも危害を加えられることがないとわかってきたのか、だんだんと大人しくなった。
侯爵の手を取って、うさぎに触らせた。
「侯爵さまも撫でてあげて。とっても可愛いから。ふわふわでしょ」
「うん、ふわふわだ」
侯爵はうさぎに手を置いた。
「侯爵さま、戦争が終わったのだから、その手は剣を置いて小さなものを慈しまなくちゃ駄目よ」
「どうやればいい?」
「こうやってそっと撫でるの」
侯爵の手を取って、うさぎを撫でさせる。侯爵の手はぎこちない。大きな手が小さな動物に怯えるように動いているのを見れば、何故かジュリエットの心がざわついた。
侯爵の撫で方は、壊すのを怯えているようだ。
「あなたの手はとっても優しく撫でることができる良い手だわ」
背中の侯爵は黙っているが、不意にジュリエッタの肩に水滴が落ちてきた。
振り返れば侯爵の目から涙がこぼれていた。
(まあ、泣いているの?)
ジュリエッタは驚くも胸が突かれた。侯爵は自分が泣いているのに気付いて無さそうだ。
(この人は傷ついているんだわ、自分でもそれをよくわかっていないのね。戦争で傷ついて、それで小さな動物に触ってはいけないとでも思っているんだわ。可愛がることなどできないと)
ジュリエッタが侯爵の涙を手で拭くと、侯爵は自分の涙に気が付き、驚いたのちに、困ったような顔をした。
侯爵のその顔にジュリエッタは見入ってしまった。年上なのに幼子のように抱きしめて慰めてあげたいと思った。
城に戻るとうさぎは足をもともと怪我しているのがわかった。それでジュリエッタでも簡単に捕まえることができたのだ。
「侯爵さま、この子の足が治るまで、お城で面倒を見てもいい?」
(うさぎがきっと侯爵さまの心を癒してくれるわ)
ジュリエッタは、うさぎをダニーと名付けた。
夜になればダニーとともに侯爵の部屋を訪れた。
どういうわけか、侯爵が一人で泣いている気がして、いてもたってもいられなくなった。
(泣いているのに自分でも気づかないなんて見てられないわ。つらいことにも気づかないままだと、きっと心が壊れてしまう)
しかし、当然だが侯爵は泣いてはいなかった。寝室を訪れたジュリエッタをいぶかしむ目で見てきた。
「ダニーと三人で寝たいの」
そう言うと侯爵は納得したような顔でジュリエッタを中に通した。
ベッドにダニーを真ん中にして横になった。
「私が侯爵さまの頭を撫でてあげるから、侯爵さまはダニーを撫でてあげて。私がするようにすればいいのよ」
ジュリエッタは侯爵の黒い髪を優しく撫でた。侯爵はじっと撫でられるままだった。そして、その手はダニーを撫でる。侯爵が寝息を立てはじめた後、ジュリエッタも眠りに落ちた。
それ以来、ダニーと三人で寝るようになった。
それから、ジュリエッタは、侯爵を見るたびに胸が切なく痛むのを覚えるようになった。
大きくて強いはずの侯爵が小さな子どものように感じるようになった。侯爵に対して庇護心が芽生えてどうしようもなくなった。
まるで守ってやらなければならない存在ができたような気持ちになった。
侯爵の寝顔が安らかだとそれだけで、ジュリエッタの目にも涙が浮かんでしまう。
(どうしてだろう、この人が可哀想で仕方がないわ。この人の安らかな寝息が私をとても落ち着かせる。この人にもっと優しくしてあげたい)
ジュリエッタは侯爵の黒髪を撫でながら侯爵の寝顔を見つめていた。
***
和平条約の内容が固まったのは、年が明けて間もなくのことだった。
条約締結の日取りが決まった。
条約締結後、侯爵は戦勝記念式典に出るために、王都に戻ることになる。
そこでシャルロットとの出会いを果たすのだ。
(そう、この人はシャルロットのものになるんだわ)
ジュリエッタは侯爵の顔を眺めた。侯爵はジュリエッタを見返して、照れたような顔で笑いかけてきた。
ジュリエッタの胸がうずく。
いずれ侯爵がシャルロットのものになるという苦しみと、侯爵の幸せを祈る気持ちの板挟みになって苛まれる。
(侯爵さまはシャルロットに惹かれる。シャルロットにしか侯爵さまを幸せにできないのであれば私は身を引くしかないんだわ)
そこでジュリエッタは顔色を変えた。
(そうだわ、この人は死ぬんだわ。シャルロットを守って死ぬ……!)
火の手が上がる王都。やってきた外敵。逃げ惑う民衆。ジュリエッタもまた殺される。
これまでジュリエッタは自分とハンナだけがその運命から逃げることを考えていた。
(侯爵さまも死なせたくない……)
ジュリエッタは黒目を見つめ返して、胸が苦しくてたまらなくなった。
過去十年で人口が二倍になっており、税収も二倍になっている。それだけ見れば不正はなさそうだ。
(でも、絶対になんかやっているはず)
ヌワカロール城では一家の身の丈に合った生活ぶりが見られたが、テイラー総督は衣服一着とっても明らかに分不相応だった。
身にそぐわない贅沢の裏には大抵、不正がある。
(でも侯爵さまが自治を任せているのに、それを取り消すことはできないし。不正の証拠でも見つかればいいけど、事は簡単ではなさそうだわ)
それは家令のファビオが見過ごしていることからもわかる。ファビオが、総督の不正に気づいていないはずがない。しかし、ファビオにも手が出せないのだ。
(侯爵さまに斥候でも借りて、総督府に忍び込ませるしかないかしら)
朝食中に、侯爵が言ってきた。
「ジュリエッタ、アイスワインって知ってる?」
「凍らせたワインのこと?」
「凍っているブドウを絞って作るワインだよ。今、仕込んでいる最中だ。見に行く?」
(いろいろと考え事があるんだけど)
「寒いの苦手なの」
「凍ったブドウからは水分が抜けて濃いブドウエキスが絞れる。一房からティースプーン一杯しかとれないほど貴重なものだ。そして、仕込む前の今しか、ブドウエキスは味わうことができない」
(ブドウエキス、気になる、気になるわ……!)
「行きます!」
ジュリエッタは一人で馬に乗れるようになっていたが、侯爵の前に座ることにした。
(だって寒いんですもの)
城郭の外にはうっすらと雪が積もっているが、侯爵のマントに入れてもらえば随分と温かい。
醸造所に向かえば、幾人もの職人が立ち働いていた。一人の職人が透明な液体の入った小瓶を渡してきた。
「これがブドウエキスでさあ。エキスは水よりも低い温度でしか凍らないために、エキスだけを絞れるってわけです」
「では、氷点下で作業をやるのね?」
「へえ。アイスワイン造りでの一番つらい作業でさあ。一杯ひっかけながらやっちまうんでさほど苦労はありやせんがね」
小瓶からはとても良い香りがする。とろりとした液体が入っている。
口に含めば濃く瑞々しいブドウの香りにスッキリとした甘さが広がる。
「まあ、ブドウエキス、おいしいわ! これで出来たワインはさぞかしおいしいでしょうね」
「とびっきりのうまさでさあ」
「期待しているわ」
「へえ、寝かせるので、数年、お待ちくだせえ」
予定では数年先には侯爵夫人ではないのが残念だ。
(でも、アイスワインじゃ命には代えられないし)
城郭への帰り道、雪の上で雪がぴょこりと跳ねた。
(雪がぴょこった?)
見ればぴょこぴょこと跳ねているのは、うさぎだった。
「まあ、うさぎよ!」
「捕まえようか。冬のウサギは身が締まって味が濃いんだ」
(侯爵さまにはやっぱりうさぎが食糧にしか見えないのね)
ジュリエッタは侯爵のマントから出ると、スルッと馬を降りて、すばしっこい動きでうさぎを捕まえた。
暴れるのをドレスの裾で包むと大人しくなった。
ドレスの前を抑えたまま、侯爵に脇の下を持って引っ張り上げてもらう。
ドレスの前に手を入れると毛が触れた。ふるふると震えている。
「怖くて、ふるえているわ」
ジュリエッタが撫でると、逃げようともがいていたうさぎも危害を加えられることがないとわかってきたのか、だんだんと大人しくなった。
侯爵の手を取って、うさぎに触らせた。
「侯爵さまも撫でてあげて。とっても可愛いから。ふわふわでしょ」
「うん、ふわふわだ」
侯爵はうさぎに手を置いた。
「侯爵さま、戦争が終わったのだから、その手は剣を置いて小さなものを慈しまなくちゃ駄目よ」
「どうやればいい?」
「こうやってそっと撫でるの」
侯爵の手を取って、うさぎを撫でさせる。侯爵の手はぎこちない。大きな手が小さな動物に怯えるように動いているのを見れば、何故かジュリエットの心がざわついた。
侯爵の撫で方は、壊すのを怯えているようだ。
「あなたの手はとっても優しく撫でることができる良い手だわ」
背中の侯爵は黙っているが、不意にジュリエッタの肩に水滴が落ちてきた。
振り返れば侯爵の目から涙がこぼれていた。
(まあ、泣いているの?)
ジュリエッタは驚くも胸が突かれた。侯爵は自分が泣いているのに気付いて無さそうだ。
(この人は傷ついているんだわ、自分でもそれをよくわかっていないのね。戦争で傷ついて、それで小さな動物に触ってはいけないとでも思っているんだわ。可愛がることなどできないと)
ジュリエッタが侯爵の涙を手で拭くと、侯爵は自分の涙に気が付き、驚いたのちに、困ったような顔をした。
侯爵のその顔にジュリエッタは見入ってしまった。年上なのに幼子のように抱きしめて慰めてあげたいと思った。
城に戻るとうさぎは足をもともと怪我しているのがわかった。それでジュリエッタでも簡単に捕まえることができたのだ。
「侯爵さま、この子の足が治るまで、お城で面倒を見てもいい?」
(うさぎがきっと侯爵さまの心を癒してくれるわ)
ジュリエッタは、うさぎをダニーと名付けた。
夜になればダニーとともに侯爵の部屋を訪れた。
どういうわけか、侯爵が一人で泣いている気がして、いてもたってもいられなくなった。
(泣いているのに自分でも気づかないなんて見てられないわ。つらいことにも気づかないままだと、きっと心が壊れてしまう)
しかし、当然だが侯爵は泣いてはいなかった。寝室を訪れたジュリエッタをいぶかしむ目で見てきた。
「ダニーと三人で寝たいの」
そう言うと侯爵は納得したような顔でジュリエッタを中に通した。
ベッドにダニーを真ん中にして横になった。
「私が侯爵さまの頭を撫でてあげるから、侯爵さまはダニーを撫でてあげて。私がするようにすればいいのよ」
ジュリエッタは侯爵の黒い髪を優しく撫でた。侯爵はじっと撫でられるままだった。そして、その手はダニーを撫でる。侯爵が寝息を立てはじめた後、ジュリエッタも眠りに落ちた。
それ以来、ダニーと三人で寝るようになった。
それから、ジュリエッタは、侯爵を見るたびに胸が切なく痛むのを覚えるようになった。
大きくて強いはずの侯爵が小さな子どものように感じるようになった。侯爵に対して庇護心が芽生えてどうしようもなくなった。
まるで守ってやらなければならない存在ができたような気持ちになった。
侯爵の寝顔が安らかだとそれだけで、ジュリエッタの目にも涙が浮かんでしまう。
(どうしてだろう、この人が可哀想で仕方がないわ。この人の安らかな寝息が私をとても落ち着かせる。この人にもっと優しくしてあげたい)
ジュリエッタは侯爵の黒髪を撫でながら侯爵の寝顔を見つめていた。
***
和平条約の内容が固まったのは、年が明けて間もなくのことだった。
条約締結の日取りが決まった。
条約締結後、侯爵は戦勝記念式典に出るために、王都に戻ることになる。
そこでシャルロットとの出会いを果たすのだ。
(そう、この人はシャルロットのものになるんだわ)
ジュリエッタは侯爵の顔を眺めた。侯爵はジュリエッタを見返して、照れたような顔で笑いかけてきた。
ジュリエッタの胸がうずく。
いずれ侯爵がシャルロットのものになるという苦しみと、侯爵の幸せを祈る気持ちの板挟みになって苛まれる。
(侯爵さまはシャルロットに惹かれる。シャルロットにしか侯爵さまを幸せにできないのであれば私は身を引くしかないんだわ)
そこでジュリエッタは顔色を変えた。
(そうだわ、この人は死ぬんだわ。シャルロットを守って死ぬ……!)
火の手が上がる王都。やってきた外敵。逃げ惑う民衆。ジュリエッタもまた殺される。
これまでジュリエッタは自分とハンナだけがその運命から逃げることを考えていた。
(侯爵さまも死なせたくない……)
ジュリエッタは黒目を見つめ返して、胸が苦しくてたまらなくなった。
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