「待ってくれ」と呼び止める彼は私の彼氏ではありません

クロユキ

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待ってくれ

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横になっていた体を起こし本当にクロードなのかエリーゼは、顔だけ上げて見るとクロードと本当に違う女性を抱き締める姿が見え、ギシッとソファーが音を出して二人が一緒になってエリーゼがいるソファーに顔を向けた。
顔をソファーに俯くように隠したが、立っているクロードとアンジェリーナにはエリーゼの丸まった体は見えていた。
「誰だ?」
冷たい声を出すクロードにエリーゼは観念してソファーから起き上がった。
「……」
「……」
ぽちゃっとした体を見てクロードは何も言えず…アンジェリーナも手を口元にやり「まぁ」とまるで言いたそうな顔でエリーゼを見ていた。
ソファーから立ったエリーゼは二人に声をかけた。
「あ…何も聞こえませんでしたので続きをどうぞ、私は部屋を出ますから」
エリーゼは二人に頭を下げ部屋を出た。
クロードとアンジェリーナはまさか人が居るとは思わなかった。
「ふぅ…」と声に出したエリーゼはまさか生徒会長のクロードが浮気をしているとは思わなかった。
「はあ~驚いた…まさか生徒会長が違う人を連れて抱き締めていたなんて…生徒会長もお喋りはするのね…」
「待ってくれ!」
「えっ!?」
後ろを振り向いたエリーゼはクロードが走って来る姿を見て驚いていた。
「え?私?」
「すまない…少し話しが出来ないだろうか?」
「え…」
エリーゼは、クロードを見て固まってしまった。
こんなに近くでクロードを見たのは初めてでもあった。
「…さっきの事でしたら私誰にも言いませんから安心してください、では、私はこれで…」
「ま、待ってくれ」
パシッとクロードの手がエリーゼの手を掴みエリーゼは驚いて手を振り払った。
「ひっ!」
「えっ!?えっ?ひ…っ?」
クロードはまさか自分の手を振り払うとは思わなかった。
「な、な、何をするんですか?」
「えっ?何を…いや…すまないただ手を掴んだだけだが…」
「クロード様?」
エリーゼとクロードの側に婚約者のマリーベルが立っていた。






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