「待ってくれ」と呼び止める彼は私の彼氏ではありません

浮気！？

「食べ過ぎたって…皿を見たら納得したというか…ほとんど残ってないじゃん」
「ホントだ。私も無くならないうちに食べないと」
「おい…食べ過ぎには注意してくれ」
トムソンはエリーゼがこんなに一人で食べた事に驚き、彼女のロリーナにはエリーゼのようにぽっちゃりにはなって欲しくないと思った。
廊下を歩くエリーゼは胃の中が気持ち悪くて早く体を横になりたかった。
「階段の近くの部屋…ここかな…」
エリーゼは、部屋の扉を開けソファーとテーブルが幾つもありエリーゼは奥にあるソファーにゴロンと寝転んだ。
「はあ～っ…胃が落ち着く～っ、それにこのソファーフカフカでまるでベッドみたい」
エリーゼは、うとうと眠たくなりそのまま目を閉じた。
暫くして部屋の扉が開き歩く足音で二人が部屋に入って来た。
エリーゼはぐっすりと眠っていた…部屋に人が入ったのも知らずに…
「……誰もいないようだ…入ろう」
「……」
「どうした？」
「…帰るわ…マリーベルさんが待っているわ…」
エリーゼは、マリーベルと聞こえ目が覚めたが誰かが部屋の中に入り話しをしているのがわかったが、どうやって部屋から出ようかと悩んだ。
「彼女の事は心配しなくていい…せっかく二人っきりになったんだ」
（ん？生徒会長の声！？）
「…貴方は婚約したの…二人で会うのはやめましょう…」
「彼女とは婚約破棄をする」
「無理よ…おじ様とおば様が許してくれないわ…」
女性が涙声に聞こえるエリーゼは、身動きが取れないほど固まった。
「跡を継ぐのは俺でなくてもいい…弟のカイトがいる」
「カイト君はまだ十歳なのよ…無理よ…私は、帰るわ…」
「アンジェリーナ…」
「離してクロード…誰かが入って来たらどうするの？」
「構わない…俺は…お前を愛している…」
「クロード…」
（えっ！？せ、生徒会長…浮気！？）
ギシッと奥のソファーから音が聞こえクロードとアンジェリーナは驚いた。