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グロース家の兄弟②

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第二隊長である兄サミエルを捜していた副隊長でもあるジャックは、兄を捜して第二騎士室の扉を開け目の前には騎士服を脱ぎ白いシャツの姿で、サミエルの膝の上に座る騎士の抱き合う姿にジャックは言葉に成らなかった。
「……あ、あの…サミエル隊長……僕…」
「ふっ、どうした?副隊長の事は気にすることはないそれに俺と一緒に居るときは名前で呼ぶように言ったが」
「……でも…」
「!?……その声はまさかお前……」
チラッと振り向いた騎士にジャックは驚いたような顔を見せ騎士の姿を見ていた。
「ああっ、そうだったな副隊長と君は最近まで相手をしていた仲だったな」
「つ!…何故お前が兄と…!?」
ビクッと後ろ姿を見せる騎士の身体が震えその様子を笑うかのように笑顔を見せるサミエルは、騎士の背中を擦り出した。
「そんな恐い顔で声を出すな、可哀想にこんなに震えているぞ。ククク」
「っ…兄さん!」
ジロッと睨む兄の目に動けないジャックはギュッと手を握り締めていた。
「気分がのらない服を着て部屋を出ろ、分かっていると思うがこの事は誰にも話しをするな」
「……はい、分かりました」
騎士はサミエルの膝の上から離れ、床に脱ぎ捨てた騎士服を拾い上げた時ガシッと腕を掴み上げるジャックに騎士は驚き、真っ青な顔でジャックの顔を見上げていた。
「何故お前が兄と……!?」
「……ジャック様…」
苦痛の表情を見せる騎士はジャックの顔を見て目を逸らし震えていた。
「俺が誘ったのだ。ちょうど暇でもあった事だし彼の顔は知っていたからなお前の側にいつもいた奴だと分かった。」
「知っていたなら何故こいつを……」
「最近お前が別の騎士に手を出していたようだからな、彼が一人でいる所を声を掛けただけだが、その手を放してやれ彼はまだ任務中だぞ」
「任務中に部屋に連れて来たのか兄さん」
ジャックは騎士の手を放し、騎士はジャックとサミエルに頭を下げ「また連絡する」サミエルの声を聞いた騎士はピクッと体が動き深々と頭を下げ部屋を出た。
「……っ」
ジャックは部屋を出た騎士の後を追う姿を見たサミエルが「何処へ行く、俺に用があるのだろう?」
「……」
クスッと笑みを見せるサミエルにジャックは騎士を追う事を止められた。






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