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カイル王子の教育係④

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「…アリーヌお嬢様、大丈夫ですか?」
「え?ええ……」
「顔色が悪いようですから、今日はカイル王子とお会いするのはお止めに成った方がよろしいのでは……」
「大丈夫よミレイ、わたくし達も行きましょう」
「は、はい……」
アリーヌ嬢とメイドのミレイは、止めていた足を歩き出しカイル王子の部屋へと向かった。
カイル王子の側近で、教育係のマリユスと三人の令嬢達の会話を側で聞いていた王様の近衛騎士とカイル王子のメイド付きは、何があったのかボーと成っていた。
「……今日は王子達の闘技場での剣稽古だと令嬢達には連絡が無かったのか?」
「さあ、知りませんわ。連絡も無しに勝手に来られました令嬢達にカイル様のお叱りを受けたら良いのよ!」
「え……」
ムスッとした顔を見せ小言を言うメイドに近衛騎士は目を見開き「カイル様がお待ちです。行きましょう」
「えっ、あ、ああ……」と、一歩後ろに下がる近衛騎士は、自分より先に行くメイドの後ろ姿を見ていた。
(このメイド、カイル様を慕っているのか?……フラフラと抜け出す王子の何処が良いのか……)
メイドと近衛騎士の歩く姿を見て今までの話しを聞いていたロイの騎士服を持っメイドは「はぁ…」とまた息を吐いていた。
「……あんなにゾロゾロとカイル様のお部屋に行ったら私が入りずらいじゃないのよ、それにサナがカイル様を慕っていたなんて驚きだわ…カイル様の側に居ても顔色を変えないのに……今日はカイル様の婚約者候補の令嬢達までも来て…私に望みは無いと思ってもカイル様を諦めきれない…ご結婚しても側室でも良いから側にいることが出来たら……はあ~……」
大きなため息を吐いたメイドは、ロイの制服を持ちカイル王子の部屋へと向かった。






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