上 下
182 / 347

30《ユリウスとメイド女癖有り》

しおりを挟む
「……お前余り変な行動取るなよ、シルビア王女と結婚する気があるなら…」 
最後のカイトの言葉が自分が今シルビア王女の他に別の女と会っている事をまるで知っているように聞こえドキッとしてしまった
カイトと会話を終えたユリウス父さんは1人大きなベッドの上に座り今夜カイトが来るかもしれないと期待していた。
「…簡単に会えるわけないか今のカイトとは私と距離を置いているような感じだからな…カイトに聞きたかった事があったのだが今日誰と一緒にいて誰と寝たのかを……聞いた処で話しては暮れないだろうが…」
ユリウス父さんはカイトが誰と一緒に居て関係を持った事が気になり1人で居ると考えてしまう
『いったい誰なんだ兄ちゃん俺以外の奴と寝るなんて…』
ユリウス父さんは日本語で勇樹として考えていた。
「はぁ…余り勇樹の素を出さないようにしないと…ユリウスの人格が壊れてしまう」
時々イライラとした時は勇樹の素の感情が出てくる為余り勇樹を出さないようにしていた。勇樹は元気で明るく誰とでも仲良くなる性格ではあるが知らない女性に声掛けをしている事が合った。簡単に言えばナンパをして妻の優花さんを困らせた事が合った。
今は転生をして容姿も別人になった為勇樹の時はそんなに女性が寄って来る事が余り無い為、ユリウスとなってからは女性の方から寄って来るため知らない女性でも簡単に声を掛けるようになり
その事が嬉しくカイトが生まれた後は女性との関係を持ち始めるようになってしまった。
「今はカイトの事を考えてもどうする事も出来ない、会う日を待っしかない……それより問題はルィーズの事だ…どうしたら良いのか…このまま自然消滅は嫌だ!会いたいが、会って誤解を解いたい。動けるのは今週迄だ……来週に成ればどうなるのか私が仕事休みの日には…シルビアが離さないだろうそれも困る
ルィーズの執事が早く連絡をくれると良いが……」
コンコン!考え事をしているユリウス父さんの部屋に扉を叩く音が聞こえ1人のメイドが声を掛けていた。
「ユリウス様お飲み物をお持ちしましたが…」
ユリウス父さんはメイドに風呂上がりで喉が渇いて居たためメイドに飲み物を持って来る事をお願いしていた。
「ああ、済まない入って良いよ」
「失礼致します」
メイドは部屋に入りワゴンで飲み物を運んでいた。
「ユリウス様お飲み物はどちらに置きましょうか?」
「テーブルの上に御願い出来るかな…」
「はい、分かりました」
メイドは言われた通りにテーブルに飲み物を置いていた。
ユリウス父さんはベッドの上でメイドの姿をジッと見て話し掛けていた。
「部屋に入って来てから私の顔を見ないがどうしてかな?」
ビクッとメイドがグラスを持っ手が止まった。
メイドは頬を赤く染め話し始め恥ずかしそうにしていた。
「あ……申し訳御座いませんユリウス様…わたくし恥ずかしがりな者でユリウス様のお顔を見たいと思いましても中々見る事が出来ませんと申しますか…気になさらないで下さい」
メイドは持って来た飲み物のグラスを置きながら話をしていた。
「……」
「ユリウス様お飲み物置いて居りますのでわたくしはこれで…」
「私の顔を見ずに部屋を出るメイドは君が初めてだよ」
「も、申し訳御座いませんユリウス様」
メイドは慌てて礼をしていた。
ユリウス父さんはベッドから腰を上げメイドに近付いていた。
「怒っては居ないから気にしなくても良いよただ君のようなメイドは珍しいなと思ったんだ」
ユリウス父さんはメイドの前に立ち顔を上げるように言い自分を見るように言った。
メイドは顔を真っ赤にしてユリウス父さんが近くに居る事に驚いていた。
「君の目には私はどの様に写って居るのかい?」
「ユ……ユリウス様のお顔が写っております」
ユリウス父さんは顔を真っ赤にしたメイドの返事に笑っていた。
「ハハハハ…そのままの応えだねハハハハ」
「え……?」
メイドは何故笑われているのか分からず初めて声を出し笑って居るユリウス父さんを見ていた。
「あ、あの…ユリウス様わたくし何か…」
「ごめん、ごめん、驚かせたね…君は結婚はしているの?」
「え、あ…いえ……わたくしのような者に結婚して欲しいと言うお方は御座いません」
「そんな風に自分の事を言ってはいけないよ、君は素敵な処を持っているよ」
「えーっ?…あ、も、申し訳御座いません初めて言われました事でしたもので……ユリウス様にその様な御言葉を頂き有難う御座います」
メイドは顔を赤く染め微笑んでいた。
「…君は私の事をどう思うかい?」
「えっ、あの……」
「正直に話して欲しいけど…」
「……ユリウス様は素敵な方だと思っております。シルビア様は幸せな方だと思いました。ユリウス様と御結婚なさいますシルビア様が羨ましいです。」
メイドは目前に立っているユリウス父さんの顔を見ず下を向き応えていた
「私がシルビアと結婚した後君に結婚の申し込みをすると君は困るかな…?」
「……え?」
メイドは聞き間違いだと思いユリウス父さんの顔を見上げ首を傾げていた。
「その顔だと私が言った事は信じては居ないようだね」
「え?あの?ユリウス様……?」
ユリウス父さんはメイドにそっと体を抱き締めメイドは突然ユリウス父さんが自分を抱き締めている事に慌てて離れる様に言った
「ユ、ユユ…ユリウス様?お離しください!冗談は止めて下さいシルビア様がお怒りに成ります」
メイドはユリウス父さんの体が自分と重なり合っている事で何故ユリウス父さんが抱き締めているのか分からず頭の中が真っ白になっていた。
「そのシルビアの怒りを君に静めて貰えたらと思っている…君と話をしているだけで私の心は癒されて行く……君さえ良ければシルビアと結婚した後君とも結婚したいと思ったんだ…妻を持った私とは嫌なのかな……」
ユリウス父さんはメイドを抱き締めている手をギュッと力を入れメイドに結婚の申し込みをしていた。
メイドは夢でも見ているのではと抱き締められている体に震え泣きながら話し出していた
「……わたくしは、メイドです。下級も下で御座います…わたくしを哀れんで申されておりましたらそのような大事な事は言わないで下さい……ん!?」
ユリウス父さんはメイドの話の途中でメイドに唇を重ねていた。
メイドは驚き目を見開き目の前には瞼を閉じ自分にキスをしているユリウス父さんを見つめていた。
初めてキスをしたと思うメイドは柔らかな唇に力が抜けそうにユリウス父さんの胸に手を押し出し重ねていた唇を離しまだ自分を抱き締めているユリウス父さんの顔を見上げ目が虚ろになり息を整えるのがやっとだった。
「…はぁ、はぁ……ユリウス様息が……出来ません…」
「……あっ…済まない…初めてだったのかい?」
コクン…とメイドは頷き顔を真っ赤にして唇を手で抑えていた
「私の気持ちを分かって貰いたくて君に口付けをしたんだ…君と一緒に成りたいと心から思った……私と結婚して欲しいと思った」
メイドの目から涙が溢れユリウス父さんは指で涙を拭っていた
「……ユリウス様…本当に…本当にユリウス様の事を信じても宜しいのですか?」
「私は本気だよ…城内では中々会う事は出来ないと思うけど、君との結婚は隠さなくてはいけない…シルビアと結婚した後に君を妻に迎えたいその時まで待って暮れるかい?」
「ユリウス様……」
ユリウス父さんは抱き締めているメイドに唇を重ねシルビア王女と結婚した後メイドとの結婚の約束をした。
「嬉しいよ君と結婚出来るなんて、名前を聞いて居なかったね」
ユリウス父さんは重ねていた唇を離しメイドの名前を聞いていた
「あ……アリスと言います…」
メイドのアリスはユリウス父さんがキスをする為慣れず唇を手に抑え赤くなった
「アリスか…良い名前だね。アリス時々私が夜の時間に飲み物を頼む事がある、その時は来て欲しいな…余り長いをすれば怪しまれるから今日は戻った方が良いね。今日の事は誰にも話しては駄目だよ私との約束は守れるかな…」
ユリウス父さんはメイドのアリスの顔を見てニコッと微笑み約束を交わしていた。
「はい、ユリウス様とわたくしとの約束守ります…まだ夢の様で御座います」
メイドのアリスは次に呼び出しの時部屋に来る約束をした後ワゴンを引き部屋を後にした。
ユリウス父さんはメイドのアリスにも結婚の約束を交わしまた1人自分のモノに出来た事に喜びを感じ、飲み物に手を伸ばしていた。









しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

アルンの日々の占いや駄文【5】

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:5

もどかし遊戯

BL / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:2

パスコリの庭

BL / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:27

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,803pt お気に入り:393

憂鬱喫茶

ホラー / 完結 24h.ポイント:213pt お気に入り:0

恋愛の醍醐味

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

 異世界転生した飼育員はワニチートでスローライフを送りたい

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:200

処理中です...