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36《ユリウスとブランシェ家のメイド》

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王様がまだブランシェ家に来る前ユリウス父さんと朝食を終えシルビア王女はユリウス父さんと一緒に廊下を歩いていた。
すれ違うメイド達に騎士達は礼はするが一緒に居る姿を良く思わない者達もいた。
余り城内ではお互い寄り添う姿を見せて欲しくないもので、特にユリウス父さんはユリーナ母さんと別れてシルビア王女と結婚をすると言う事が余り騎士達からは思われては居なかった。
「ユリウス隊長とシルビア王女の結婚発表があってから毎日のように一緒に歩く姿を見たら本当に結婚するんだ…とまだ信じられないけどな……ユリウス隊長って凄いとこあるよな…」
「でもさ、シルビア王女と結婚の約束しても手が出せないじゃん奥さんと別れて無かったらシルビア王女との結婚前まで奥さんとヤること出来たのにな…手離す何て俺には考えられないな」
ユリウス父さんが隠れて他の女性と会っている事も知らない騎士達は男としてシルビア王女と結婚する前に誰とも関係を持たない事にユリウス父さんの事をシルビア王女一筋何だと思う騎士達もいた。
ユリウス父さんの部屋の前まで送ったシルビア王女は離れる事を惜しんでいた。
「ユリウス様お仕事に行かれるのですね…ユリウス様の騎士のお休みはいつに成るのですか?」
ユリウス父さんはシルビア王女が休みの事を予想していた通り訪ねて来たのかとふぅ…と小さく息を吐いていた。
「…私の休みはまだ決まってはおりませんが私の子供達を城に招待したいと思っておりますが……」
「え、御子様方をですか?」
「はい、ユリーナとは別れておりますが子供達は私の大切な家族なのです。今会うことも出来無いので子供達の様子が気になるのです…シルビア様が良ければ他の子供達と会って貰いたいのです」
「……もし御子様を呼ばれる時はユリーナ様も一緒にですか…?」
シルビア王女は少し嫌な顔を見せユリウス父さんに問いかけていた。
「……いえ、子供達だけです。ユリーナはブランシェ家の当主の仕事で忙しいと思いますので…」
ユリウス父さんはシルビア王女と結婚までユリーナ母さんに会う事は止めておいた方が良いだろうと思い、今は子供達に会いたいと思っていた。
「御子様方を呼ばれる時は私も会って宜しいのですね?カイトちゃんの他にルカリオちゃんだったかしら…他の御子様方に会える日が楽しみですわ」
「皆、良い子ですシルビア様にも仲良くなって欲しいのです。私の子供達はシルビア様の子供達でもあるのです」
「えっ…ユリウス様の御子様が私の…子供ですか?」
ユリウス父さんはシルビア王女の手を取り見つめていた。
「シルビア様と結婚をして子供を授かりましたら今の私の子供達が私とシルビア様の子供を可愛がって暮れます…私は子供が沢山居る家庭を貴女と作りたいのです」
ユリウス父さんはシルビア王女の手をギュッと握り締め自分達の子供の事を話しをした。
「ユリウス様……早く貴方と結婚がしたいです」
「…私もです…シルビア様……」
ユリウス父さんは周りを見回し近くに誰も居ない事を確認をした後両手をシルビア王女の顔を持ち唇を重ねた。
「……ん」
今日は少し長めのキスをした為シルビア王女は目がとろ~んとなりユリウス父さんの柔らかな唇が自分だけのモノだと思う喜びを感じていた。
「こほん!……それ以上は駄目で御座います御二人様」
シルビア王女のメイド付きが声を掛けこれ以上は駄目だと言う事を教えていた。
ユリウス父さんとシルビア王女は慌てて離れシルビア王女はメイド付きに文句を言っていた。
「もう、どうしていつもユリウス様の邪魔をするの!」
「わたくしは邪魔はしては居ませんこれ以上なさいますと王様に報告に成り御結婚が出来なくなります宜しいのですか?」
「ハハハハ厳しい監視役が居て参ったな…」
「少しくらい良いじゃないの」
「駄目です、分かりましたか?御二人とも」
シルビア王女付きのメイドが止めに入りユリウス父さんは仕事に行く前に部屋に戻るとの事をシルビア王女に伝えシルビア王女は夕方まで会えないユリウス父さんに別れを惜しみ自分の部屋に戻って行った。
ユリウス父さんは子供達が城に来てくれる事を願いカイトにも早く会いたいと思っていた。
部屋の扉を開けると3人のメイド達が部屋の掃除をしてユリウス父さんが入って来た事に気付き礼をしていた。
「お早う、朝から掃除を有難う」
「「「お早う御座いますユリウス様」」」
「もうすぐ終わりますのでそちらのテーブルで御待ちください」
「ああ、有難う」
ユリウス父さんはテーブルにある椅子に腰掛け掃除をしているメイド達を眺めていた。
部屋の掃除が終わりメイド達は終わりの挨拶をして部屋を出て行く時ユリウス父さんは1人のメイドに声を掛けていた。
「引き止めて悪いがブランシェ家に務めていたメイドかい?!」
1人のメイドは自分の事を覚えて暮れていたユリウス父さんに喜んでいた。
「はい、旦那様覚えて居て下さって有難う御座います」
「ああ、やはりそうだったんだね…悪いけどブランシェ家にいたこの人と話がしたいんだ君達は先に戻って暮れるかい?」
「「はい、分かりましたユリウス様」」
「すみません、後から向かいます」
2人のメイド達は部屋を出てブランシェ家に務めていたメイドと2人話しをする事になった。
「いや~っ、何処かで見た事があると思っていたんだ私の部屋掃除の担当になったのかい?」
「はい、こちらのメイド長が1人ブランシェ家に務めていたメイドがいた方が良いだろうと言われましてわたくしに決まりました以前旦那様のメイド付き3人から替わってと何度も言われましたが……」
「ハハハハ以前の私付きのメイドはユリーナを見ただけで嫌な顔を見せていたからね余り良くない感じだったがメイドを替える訳には行かずそのままあの3人のメイド達に任せていたんだ」
ユリウス父さんはブランシェ家のメイドに微笑んでいた。
「君に聞きたい事があってねユリーナの様子はどんな感じだったのか分かるかい?……後…ショーンの事が気になっていたんだ…」
「…わたくしの分かる事では…ユリーナ様はお城から戻られた時はお坊ちゃま方の前では明るく振る舞われておりましたが…御一人で御部屋においでの時は御元気がないと伺っておりました。
ですが、翌日奥様のご両親とスティーブン伯爵がご一緒にお見えに成りました時は明るく振る舞って御出でした」
「スティーブン伯爵が来ていたのかい!?」
「はい、ご両親とご一緒にお見えでした」
「……そうか…スティーブン伯爵が…」
毎年になるとユリーナ母さんの実家の集まりにスティーブン伯爵が毎年呼ばれていた。ユリーナ母さんは兄と呼んでいた事を思い出していた。
「ショーンお坊ちゃまですが、わたくしが見ました所いつものショーンお坊ちゃまで御座いました。他の坊っちゃまにお嬢様方はいつも旦那様が知っております御子様方でした。」
「……いつものショーン達何だね…その事を聞き安心したよ」
ユリウス父さんはホッと胸を撫で下ろしメイドに感謝していた。
「旦那様またお務め出来ます事を感謝しております。わたくしはこれで失礼致します。」
「あっ、待ってくれ……君は私を追って城に来てくれたのかい?」
「え……あ…はい……旦那様のお側でお仕え出来たらと思いましてメイドの皆の中に交ざり後を追って来てしまいました…申し訳御座いません…旦那様」
「……もうここでは私は君達の旦那様では無いんだ…私の事はユリウスと呼んで欲しい…」
ユリウス父さんはブランシェ家のメイドに近付きメイドの腰に手を伸ばし自分の体に引き寄せていた。
「え!?え?……だ、旦那様?」
ユリウス父さんがメイドの体を抱き締めメイドは今まで屋敷ではユリウス父さんがメイド達に寄って来たと話しは無いため突然の事でメイドは戸惑っていた。
「旦那様では無いよ……ユリウスと呼んでくれ…」
メイドの肩に顔を寄せているユリウス父さんにメイドは自分を抱き締めている事でそっとユリウス父さんの背中に手を回した。
「…屋敷ではユリーナが居たからね…君を抱き締めて上げる事も出来なかった…君さえ良かったら私と結婚して暮れるかい?」
メイドはユリウス父さんの背中にギュッと握り締め震えて応えていた。
「旦那様……いえ、ユリウス様……わたくしで…わたくしがユリウス様と結婚しても宜しいのですか?」
「私には妻になるシルビアがいる……妻が居ても私の側に居てくれるかい?」
「ユリウス様…」
ユリウス父さんは顔を上げメイドの唇に口付けをした。
何度も重なり合う唇にメイドは力が抜けユリウス父さんはメイドの口の中に自分の舌を入れる時扉を叩く音が聞こえユリウス父さんとブランシェ家のメイドは慌てて体を離しメイドは顔を真っ赤に成り、ユリウス父さんは自分を落ち着かせメイドを見てお互い頷きユリウス父さんは扉を開けた。
「お早うユリウス少し良いか?」
「…お、御早う御座います…総隊長……」
ユリウス父さんの部屋に来ていたのは総隊長だった。
「ん?何だメイドが居たのか!?」
ブランシェ家のメイドは顔が真っ赤になって居たため下を向きそのまま総隊長に挨拶をしていた。
「お、御早う御座います…」
メイドは挨拶がやっとの事でそのまま総隊長の顔を見る事が出来なかった。
「……あ…彼女はブランシェ家のメイドで子供達の話しを聞いて居たんです……」
メイドは総隊長に深々と頭を下げ仕事に戻る事を伝えた
「……あ…あの、わたくしはこれで失礼致します」
「…え、ああ、済まなかったね……仕事を休ませて…また話しを聞かせてくれ……」
「はい、失礼致します……」
メイドは下を向いたままユリウス父さんの部屋を出て、その様子を見ていたユリウス父さんはホッとして、総代隊長はメイドが去った姿を不思議そうに見ていた。











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