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「……ブランシェ侯爵この事は大臣達との話し合いに成る事だろう…シルビアとの結婚の話しは白紙となる事を頭に入れておく事だな……」
「……はい、王様…」
ユリウスはアノルドさんにルィーズ夫人との密会を知られてしまった時点で、シルビア王女との結婚は無いと思ってはいた。
王様は目を閉じシルビア王女にユリウスの事を話さなくては成らない事に胸を痛めていた。
「…王様……申し訳御座いません…シルビア様にも御返しする言葉も御座いません……」
ユリウスは王様の側に行き謝罪の言葉を掛けていた。
「……ブランシェ侯爵が女性と会っていた事は調べた事で分かってはいた…ホルン伯爵夫人を慕っていたのなら私に相談すれば良いものを…」
「……」
「娘の父親に言える訳が無いな…」
ユリウスは下を向き言葉に出す事も出来ず城にこれから帰るシルビア王女に結婚の白紙に成る事を伝えなければ成らない苦痛がユリウスを襲った
「…シルビアの事を考えれば他の女性と会っていた事を伏せ次はこの様な事が無いようにとそなたに伝える事で大臣達とは話さない積もりで合った…だが、運悪く護衛騎士に接触の現場を見られそれだけで良かったものの…まさか息子を置いてその場を離れた事が大きな問題と成ってしまった…我が国は子供を大切にしている国でもあるその事はそなたが一番に分かってはいるはずだ。
200年前に我が国がワイバーンの襲撃に合い多くの人間が亡くなった…襲撃前の半分以上が亡くなりラクロス王国の壊滅寸前の所まで来ていたと歴史書に記録が残っておる…先代の王は人口を増やす為に結婚をしている家庭でも離婚等しなくても済む様に御互いに同意があれば結婚していても他に慕う者が出来た場合でも結婚ができ子供も増やす事に力を入れ、子供の多い家庭には国から毎月ある一定のお金が支給されている事はそなたも知っておろう」
勿論ユリウスはお金の事は知っていた。だから子供が沢山いる家庭は幸せな家族と呼ばれていた。言い方を変えれば国からお金が入る家庭と言われる事もある。
「…カイトを溺愛しているそなたが何故カイトをその場に残しホルン伯爵夫人の元へ行った事が不思議でならぬ…ブランシェ侯爵にとってカイトが体だけの関係であれば今後カイトとの関係を止める事だな」
「!!」
ユリウスは王様が自分と快斗の事を知っていると聞き「快斗は兄とは体の関係だけでは無い」と言いたいが女性との関係を止める事が出来ないユリウスにとって王様の言葉は胸に刺さる思いだった。
「……ルィーズ伯爵夫人の元へ行きましたのは以前御会いした時に喧嘩別れの様な事で別れてしまい今日湧き水場所で偶然に再開した時はルィーズ伯爵夫人に話しがしたく…その時は必死に成りまして周りを見ておりませんでした……」
「理由がどうであろうとカイトを置き去りにした事には変わらない……ブランシェ侯爵カイトには謝罪をしたのか?」
「……はい…わたくしの頬の腫れはカイトからの叱りで御座います…わたくしは以前からカイトに父親らしい事を何もしてあげる事が御座いません…罰を受ける事でカイトに謝罪をして行きたいと思います」
ユリウスは王様に話し終えると後ろにいる俺の方を向きニコッと笑い掛けていた





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