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「申し訳御座いません…王様…」
ユリウスとユリーナ母さんはお互い顔を真っ赤にして王様に謝る姿を見せていた。
「…いや…良いものが見れたと言うか……あのままカイトが声を掛ける事が無ければそなた達はまだ口付けをしていたのだろうな」
王様はユリウス達を見てニヤニヤと顔を笑みを浮かべ今からユリウスが城で罰を受ける事を忘れたかのように暖かな目を2人に向けていた。
ユリウスはユリーナ母さんの側から離れる前に問いかけていた。
「そう言えばリンの姿が見えないね…先に帰ってしまったのかい?」
「いえ、馬車の中でぐっすりと眠っておりますわ…後で見てみますか?」
「クスッ相変わらず良く寝る娘だね……そうだね、暫くは会える事が難しいからこの場所を離れる時に一目リンの姿を見て行こうかね…」
ユリウスはユリーナ母さんの両手を握り締め側を離れる事を惜しんでいた。
「…私と口付けをして嫌では無かったのかい?ユリーナ…」
「いえ、久しぶりの旦那様の口付けに屋敷での一緒に過ごしておりました日々を思い出しましたわ…」
クスッとお互い微笑みユリーナ母さんは涙を溜めていた。
「私と会える日がある時はブランシェ家の朝食を食べさせては貰えないかな…そして成長した子供達に会いたいな…私の事を覚えて居てくれるだろうか……」
ユリウスは子供達と会える日が何年、何十年かも分からない日をいつの日か会える希望を抱いていた。
「旦那様を忘れるはずはありません、ショーンちゃん達も表では旦那様に辛く当たってはおりますが…本当は寂しくて旦那様の事を思っております…ですから旦那様…お帰りに成りましたら旦那様のご希望の朝食を御出し致しますわ」
ニコッと涙目でユリウスの顔を見上げていた。
「…有難うユリーナ……君にも新しい家族を迎えて欲しい…」
「旦那様!?」
ユリウスは握り締めている手をギュッと掴みとっていた。
「当主となった君には1人では大変だよ医師やメイド長達がいても君の側に居てくれる人が必要だ…私は君に家族と呼べる人を迎えて欲しい…」
ユリウスは何年、何十年…もしかしたらこのまま家族とは会えないかも知れないと……
「……先日スティーブン御兄様から求婚の申し込みを頂きました」
「!」
「御兄様からの突然の申し込みの為悩みました…御兄様からの求婚は嬉しく思いました…でも私は旦那様をユリウス様をまだ愛しているのです……別れていても他の女性の元へ行かれても私は旦那様の事を愛しているのです」
ユリーナ母さんは涙を流し今の自分の気持ちをユリウスに告げていた。
「……有難う…有難う…ユリーナ…そして悪かった…君を悩ませ苦しめてしまった事を…私も愛している君と一緒に城に住む事を私は諦めきれなかった君や子供達に幸せになって貰いたかったんだ……だから私は…」
ユリウスはユリーナ母さんの体を抱き締め別れを告げた
「ユリーナ…私からの御願いを聞いてくれるかい?…スティーブン伯爵の求婚を受け取って欲しいんだ……彼なら君を幸せにしてくれる…私の御願いを聞いて欲しいんだ」
「……旦那…様……」
ユリーナ母さんは涙を流し頷きユリウスとの約束を聞く事にした
「有難うユリーナ…」
ユリウスは最後にユリーナ母さんに口付けを交わした後王様にルィーズ夫人との会話の許可を貰う事にした。







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