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「私達もそろそろ屋敷に戻る事にしょうか…ユリーナ気を落とさずに…子供達や私達そして屋敷には皆が居る事を忘れずに明日私達と一緒に城へ向かおう…見送りはここで良い、子供達と一緒にユリウスの側に居なさい」
「御父様」
「ユリーナ御母様達が居るのよ困った事は私に言いなさい」
「御母様」
「ユリウスは私にとって弟の様な存在だった…明日皆で笑顔で見送ろう……子供達は任せたよまた明日迎えに来るよ」
「スティーブン御兄様、今日は来てくださって有難う御座います。」
スティーブン伯爵はユリーナ母さんの額にキスをした後両親と一緒に屋敷を後にした。
ユリウスは2人の姿を見て「私もこの国では兄の様な人だった」と俺の隣で呟いていた。
「ユリウス、俺は今から厨房に行きお前の夕食を作りたいが確か米が有ったのを以前厨房を借りた時に見掛けた気がしたんだ」
「ああ、米は有るよ、この国から離れた隣国で城下町で米を売っている商売人から取り寄せて居るんだ。
王様が他国との交流のお陰で国に無い食べ物も入る様に成ったからね…快斗はその米で私に何を食べさせて暮れるのかい?」
クスッとユリウスは笑い俺が米で作る食べ物を知って居るのにわざとらしく聞いてくるユリウスにフッと笑った。
「俺が作る食べ物は分かって居るんだろう?だが厨房に材料を見て見ないと作れないからな、まずは材料を見てから作るよ…お前はどうするんだユリウス子供達の側に居るか?今夜だけ何だろう一緒に居る事が出来るのは…」
「子供達とは食事部屋で一緒に居る事が出来る、私は快斗が作る料理姿を見たいと思って居るんだ。」
「…作るだけだぞ?邪魔だけはするなよ」
「酷いな、私がいつ邪魔をしたんだい?」
「勇樹の時は料理をしている時後ろからいきなり抱き着く事が何度もあったからな…何度注意しても抱き着いて来た記憶がある」
「そんな事もあったかな?それは勇樹の時で今の私はそんな事はしないよ」
クスクスとユリウスは笑い勇樹の時の事を思い出しているかのように笑っていた。
俺はユリウスと一緒に厨房に行く事にした。
厨房部屋では料理長と数名の料理人がいて、料理を運ぶ台車には俺達が食事をする夕食用が台車に乗せられたまま食事部屋へ運び出せないでいた。
「お疲れ様です料理長さんまた厨房を借りに来ました。」
「カイト坊っちゃま!」
料理長が俺の側に行きユリウスの訃報を話し掛けていた。
「わたくしはまだ信じられません旦那様が…旦那様が御亡くなりに成りました事を……旦那様が屋敷を出ましてまたいつの日にか旦那様に料理を御出し出来る事を夢見て折りましたのに…」
料理長と数名の料理人が作業の手を止めユリウスの死に悲しんでいた。
「有難う御座います料理長さん、父様も屋敷にいた頃料理長さん達が作る料理は美味しいと言って居ました。
ブランシェ家の朝食は父様の大好きな料理でした。」
「わたくし達は旦那様の言われました朝食を御作りしたまでの事です。旦那様は珍しい料理が御好きの様で時々苦戦致しました料理も御座いました」
「すみません父様が我が儘を言ったようで…」
「いえ、わたくし達は楽しく料理を作る事が出来ました。ブランシェ家だけが食します料理をこれからも作り残して行きたいと思います」
料理長は話し終えた後笑顔を見せていた。
「長年私が本田家の料理が恋しく成った時に食べた時の記憶を元に料理長に作らせていたんだ……料理長そして料理人達にとても感謝している有難う御座いました」
ユリウスは料理長達に深々と頭を下げ長年ブランシェ家に務めて
いた料理長に感謝をしていた。










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