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「父様何処?私父様と一緒に歩きたい」
アニー姉がユリウスの姿を探し一緒に廊下を歩くと言っていた。
「私はユリーナと一緒に歩きたいのだが」
「えっ、父様後ろに居るの?」
一番先頭で歩いていたアニー姉が一番後ろにいるユリウスの方へ顔を向けていた。
「子供達は先に行きなさい私は少しユリーナと話しをした後で行くよ」
「早く来てね父様」
アニー姉にショーン兄とエミリー姉、ジェーン兄達は後ろを振り向いて姿が見えないがユリウスに手を振り先に部屋に行く事を告げていた。
俺とルカリオ兄はユリウスの部屋でベッドで眠るユリウスの側にいた。
「変な感じだよね、父様がベッドで眠って居るのに僕達の周りで父様の声が聞こえる何て…」
ルカリオ兄がユリウスの寝顔をじっと見ていた。
「にぃ、食事部屋に行って良いよ僕が父様を見ているから」
「…カイは父様を許して居るんだね」
「えっ?」
「屋敷にいた時は父様に振り回され命までも危ない事があったのに今のカイを見ていると父様を全て受け入れている様に見えるよ」
ルカリオ兄は俺の顔をじっと見て今までの出来事が無かったかのように話しをしていた。
「…そうだね…この国に生まれ昔弟だったのにまた家族となり今度は僕の父親と成って前世の関係が兄と弟がそのまま父親と息子と成ってもその関係が続き傷付き、苦しみ、泣いてもそれでも僕は父様から離れる事が出来なかった」
「……」
「父様と話しが出来るのも今夜限りだよにぃ…明日はもう父様と話せなくなるんだ」
「…今夜限り…」
俺がユリウスと話せる事が今夜限りと聞いたルカリオ兄の顔が真っ青に成っているのが分かった
「にぃ、皆の所へ行ってそして父様と…最後の食事を一緒に食べて欲しい」
ルカリオ兄は俺の為にユリウスに怒り距離を置いていた。もう二度とユリウスとは話せなく成るルカリオ兄もユリウスと話しをして欲しい後悔はしてほしくない…
俺がルカリオ兄に皆と一緒に食事をと話しをした後ルカリオ兄は暫く黙ったままベッドの上で眠るユリウスを見て俺に言った。
「カイも一緒に食事部屋に行こう」
「えっ、でも父様を見ていないと…」
魂が放れて居てもベッドの上で眠るユリウスの側には一緒に居たいと思った。
「食事の間医師様に父様の側に居てくれる様に頼もう、カイも家族何だ、一緒に父様と夕食を食べよう」
「にぃ…」
俺とルカリオ兄は医師にユリウスの側をお願いした後俺達は皆が集まっている食事部屋へ向かった。








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