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王様はシルビア王女がいつも通っている庭園へと足を向け少し明るく照らす太陽の日差しで周りの木々や草花に朝露がキラキラと輝き始めていた頃遠くに見える向かい側で一人の女性が歩く姿を見掛け王様はシルビア王女なのか?と思い女性の元へ駆け寄った
王様の前にいる女性はシルビア王女では無くメイドが歩いている姿を見て肩を落としていた。
メイドは向かい側から歩く王様の姿に驚いたが王様のいつもと違う姿に頬を染め挨拶をしていた。
「御早う御座います…王様…」
「あ、ああっ、御早う…」
メイドはすれ違う王様に挨拶をした後周りは誰も居ない為王様が声を掛けてくれる事を願っていた。
城内にいるメイド達は王様にも慕うメイドは多いが王妃様が側にいる為声を掛ける事が出来ず王様の側にいる事が出来ないのが殆んどだった。
「……あっ、済まないが聞きたい事が在るが…」
「えっ、あっ、はい何なりと……」
メイドは王様に呼び止められた事に嬉しく頬を赤く染め王様の顔をじっと見続けていた。
王様は呼び止めたメイドの顔を見ると頬を赤く染めている事に気付き何かを期待している事は分かるが今はシルビア王女の事で頭の中は「早く見つけなくては」と繰り返し祈る事を考えるだけだった。
「……あ…君、シルビア王女を見なかったかな…!?」
「えっ?!……あっ…は、はい……王女様は庭園に御出で御座います……」
「!!本当か?!王女は…庭園に居るのだな」
「はい、先ほど王女様に紅茶をお持ち致しましたので……」
「そうか、有り難う」
「……いえ…」
王様はメイドに礼を告げ庭園に向かい走り去って行った。
メイドは王様の後ろ姿を見て期待していた事が違っていた為「はあ…」と大きく息を吐き歩き始めた。
王様はシルビア王女の顔を見るまでは安心出来ないと思い走り出し庭園が見え始めその側にシルビア王女が立っている姿を見掛け声を出した。
「シルビア!!」
王様の高々と声を出し自分の名前を呼ぶ王様の姿に驚いていた。
「御父様……!?」
シルビア王女は寝服を着たまま髪の毛が乱れ小さな汗を流し笑顔で駆け寄る王様の姿を見ていたシルビア王女は部屋を勝手に抜け出し心配を掛けてしまった王様に(ごめんなさい)と心の中で謝っていた。






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