婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

クロユキ

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楽しい時間

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「……はぁ…」
フォスティヌは鏡の前でため息を吐き唇を触っていた。
「お嬢様?顔が赤いのですが熱でもあるのでは?」
髪の毛を整えていたメイドのソニアが鏡を見てフォスティヌの顔を覗いていた。
「ね、熱でもないし、なんでもないわ!」
「そうですか?でも、良かったですねフランシス様が会いに来てくださって」
「うん、驚いたけれど…嬉しい…」
(…今日の兄様のキス……凄く驚いたけれど…気持ちが良くて…あんな風にキスするの初めて……)
「……」
(……兄様…慣れているようなキスだったけれど…)
「お嬢様?身仕度が終わりました」
ハッ!と考え事をしていたフォスティヌは首を横に振るとメイドのソニアと部屋を出ると、フランシスが待っている客室へと向かった。
(私の考えすぎよ、だって騎士学校は男子校って聞いたんだもの女性はいないと言っていたわ)
コンコン!
「フォスティヌです」
「入りなさい」
部屋に入ったフォスティヌは笑みを見せるフランシスに頬を染めいそいそとフランシスの座るソファーに座った。
「おはよう、フォスティヌ」
「えっ!?…お、おはよう…ございます…」
笑顔を見せ挨拶をするフランシスにフォスティヌは頬を染めていた。
「彼がいると大人しいな、フォスティヌは」
「えっ」
「ふふっ、そうね。毎日騒がしいのにね」
「お、お母様…」
(もう、お父様もお母様も兄様がいる前で言わなくても~っ)
「フォスティヌが元気そうで良かったです。」
「兄様…」
お互いを見ている若い二人にフォスティヌの両親は笑顔を見せていた。
「フランシス、騎士学校の方はどうだ?」
「えっ、あ…はい、ついて行くのがやっとで剣の稽古がこんなに厳しいとは思いませんでした」
苦笑いをするフランシスは剣稽古が厳しい事、毎日が素振りの練習をしているとフォスティヌの両親に話していた。
「騎士の道を選んだのだから厳しい事は分かっていたはず、大変だろうが立派な騎士になり、フォスティヌを迎えに来てくれ」
「はい」
父親と話終えたフランシスは隣に座るフォスティヌに顔を向けた
「会える日が少ないけど、今日のように突然驚かせて来るかもしれない」
「本当に驚いたんだから」
「ははは、ごめん」
会話が弾み客室には話し声と笑い声がたえなかった。
「しかし、学園を卒業して騎士になると言った時は驚いたな教師になりたいと私達に話していたから、まさか騎士になるとは驚いたよ」
「……あ…すみません…」
フランシスは気まずそうにフォスティヌの父親に謝っていた。
「何も謝る事はない、騎士の職の給料は安いが上を目指せば護衛騎士になり、王の護衛騎士になる事も可能だ。」
「……」
「フォスティヌ、フランシスも頑張っているんだ。お前も勉強と
立派なレディーになるように頑張らないと結婚できないぞ」
「もう、お父様ったら私も頑張っています!」
「ハハハハ、そうだったな」
フォスティヌの両親達の会話が続きフランシスは黙ったままだった。
「兄様?」
「えっ、ああっ…何でもないよ」
「そう?」
「フォスティヌ、フランシスも稽古で疲れているんだ。そうだ、うちに泊まると良い」
「「えっ!?」」
二人同時に声を出し驚いていた。
「今日は学校が休みだと聞いたからな、明日ここから騎士学校へ行くと良いだろう」
フォスティヌは頬を染めてチラッとフランシスの方を見ていた。
(兄様が屋敷に泊まるなんて、初めてじゃない?沢山お話がしたいし、騎士学校の事も聞きたい)
クスッと笑顔で今夜フランシスと話がしたいフォスティヌは喜んでいた。
「……ありがとうございます…今日は屋敷へ帰りたいと思います」
「え……」
フォスティヌはフランシスが屋敷へ帰ると聞き茫然としていた。






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