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ご招待
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イズがよく利用するカフェに辿り着くと、周りがよく見渡せる角の席に腰掛けて息を着いた。イズを連れ帰るまでは安心できないと自分に言い聞かせながら息を殺して彼を待つ。
「ご注文はお決まりですか?」
「ブラックコーヒーを」
長丁場になることを想定して飲み物を頼むために店員を呼ぶと、前を見つめたまま注文をした。もし、視線を逸らした一瞬にイズが来てしまったら大変だ。
カリッと爪を噛みながら、イズの姿を探し続ける。
数分後にそんな俺の目の前に店員がコーヒーを置いた。コトリとカップが卓にぶつかる微かな音が響く。その瞬間、俺は目を見開いてある一点を凝視した。
「……来た」
カフェへと真っ直ぐに向かってくるサングラスにクロッシェ帽を被った彼は一見すれば誰なのか判別はつかないだろう。けれど、俺には彼がイズだということがすぐにわかった。
イズの着ている服は彼のSNSで見たことがある。それに履いている靴は彼のお気に入りのブランドの物。なにより、あのバランスのとれた体型と白い肌。
細い腰も華奢な腕も隠れて見えない首元ですら何もかもが寸分違わず俺の焦がれたイズだ。間違えるわけがない。
たまたま俺の見える位置に座ってくれたイズは普段テレビで食べている甘味ではなく、あっさりとした和風パスタを注文した。
届いたパスタを、いつも美声を発する口で咀嚼している姿はそそられる。張りのある薄い唇に吸い付きたい衝動に駆られて、その衝動を耐えるためにコーヒーを1口含んだ。
(可愛い可愛い可愛い愛おしい)
イズはなにをしていても絵になる。
(来世はパスタになってイズの身体の1部になりたい)
イズと1つになる妄想をしながら食事姿を眺めていると、1時間程して彼が会計を終えてカフェを出ていく。見失わないように俺も急いで会計を済ませると、外へと出た。
バレない程度の距離を空けて後ろをゆっくりとついて行く。彼を家へ招待するだけなのだから、コソコソする必要は無いのかもしれないけれど念の為だ。
少しずつ人通りの少ない道へと入っていくイズを追いかけて角を曲がった時、こちらを振り返っているイズと目が合って足を止めた。
イズの暗いブラウンの瞳が俺の姿を映し出していて、それだけでゾクゾクと快感が全身を回る。
「ご注文はお決まりですか?」
「ブラックコーヒーを」
長丁場になることを想定して飲み物を頼むために店員を呼ぶと、前を見つめたまま注文をした。もし、視線を逸らした一瞬にイズが来てしまったら大変だ。
カリッと爪を噛みながら、イズの姿を探し続ける。
数分後にそんな俺の目の前に店員がコーヒーを置いた。コトリとカップが卓にぶつかる微かな音が響く。その瞬間、俺は目を見開いてある一点を凝視した。
「……来た」
カフェへと真っ直ぐに向かってくるサングラスにクロッシェ帽を被った彼は一見すれば誰なのか判別はつかないだろう。けれど、俺には彼がイズだということがすぐにわかった。
イズの着ている服は彼のSNSで見たことがある。それに履いている靴は彼のお気に入りのブランドの物。なにより、あのバランスのとれた体型と白い肌。
細い腰も華奢な腕も隠れて見えない首元ですら何もかもが寸分違わず俺の焦がれたイズだ。間違えるわけがない。
たまたま俺の見える位置に座ってくれたイズは普段テレビで食べている甘味ではなく、あっさりとした和風パスタを注文した。
届いたパスタを、いつも美声を発する口で咀嚼している姿はそそられる。張りのある薄い唇に吸い付きたい衝動に駆られて、その衝動を耐えるためにコーヒーを1口含んだ。
(可愛い可愛い可愛い愛おしい)
イズはなにをしていても絵になる。
(来世はパスタになってイズの身体の1部になりたい)
イズと1つになる妄想をしながら食事姿を眺めていると、1時間程して彼が会計を終えてカフェを出ていく。見失わないように俺も急いで会計を済ませると、外へと出た。
バレない程度の距離を空けて後ろをゆっくりとついて行く。彼を家へ招待するだけなのだから、コソコソする必要は無いのかもしれないけれど念の為だ。
少しずつ人通りの少ない道へと入っていくイズを追いかけて角を曲がった時、こちらを振り返っているイズと目が合って足を止めた。
イズの暗いブラウンの瞳が俺の姿を映し出していて、それだけでゾクゾクと快感が全身を回る。
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