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冒険者学園
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「な、なんですってぇ!か、解散?!」
そういう絶叫が建物に響く。
あれから1日。アレンたちは解散の報告をするため、冒険者ギルド本部にいた。
「冗談はやめてください!」
「いや、冗談じゃないんだよ。特にアレンは、義務なんだから。まぁ、解散とは言っても一時的に、だよ。アレンの義務教育が終わって、何もかも一段落したら、また復活するからさ」
「こ、困ります!」
周りの冒険者たちはポカーンと放心していた。
「いやいや、こっちが困るんだよ。特にアレン。だって、うち、アレンがいないとやっていけないし」
「へぇ……役立たずって自覚はあるのね」
「あ、アンジュ、お前なぁ!」
「なに?やる?」
喧嘩をし始めた二人にを無視して、アレンが話した。
「家業を継ぐのは長男の役目です。それに、ベルトルスさんの場合は、一人っ子なんです。お願いします。あと、僕は義務教育が始まるので」
「そ、そう言われましても……」
納得できないのはわかる。
なぜならSSSランクパーティーは、最強の集団。こう言っちゃ悪いが、最終兵器らしき軍団。そのSSSランクパーティーがいなくなるとなのと、やはり心配なのだろう。
「では、何かあれば呼んでください。そしたらすぐにでも僕たち駆けつけますので」
「そ、そうでしたら、まぁ……」
「お願いします」
「……分かりました……」
アレンはほほえみ、「ありがとうございます」と言う。
すると、「ちょっと待った!」と聞こえた。
アレンは首を傾げる。
「どうかしましたか?マスター」
ギルドマスター。ギルドの、最高意思決定者。
名前はウーガ。ドワーフと言われている族の一人。
「本当に解散するのか?!」
「はい。義務ですし」
「うーーむ……認めたくない!」
「え……そこをお願いしますよ……義務なんです」
「認めたくない!」
「僕が怒られるか、罰せられるんですよ……」
「それでも認めたくない!だって、SSSランクパーティーが解散なんて!俺が明日から大変になるんだよ!新聞記者に聞かれたら、なんて説明するんだよ!」
「そこはうまく……」
冒険者は15歳以上とされている。しかしアレンは許可を得て、特別に入った。そしてそれは混乱を招くため、冒険者だけの極秘となっている。
「うまくってどうやるのさ!」
「うーーん……じゃ、旅に出た」
「その理由は?!」
「他の国の文化や冒険者を見てみたくなった、てことで」
「無理無理無理!そんな嘘、すぐにバレる!」
「まぁ、大丈夫ですよ。僕たちの顔はここにいる方々しか分かりませんし。ここにいる方々が漏らさなければバレませんよ。僕は皆さんを信じています」
笑顔のアレンに冒険者たちは思わず苦笑いをした。
(漏らさない自信ない……!)
「お願いしますよ。僕、義務なんですから」
「……はぁ……分かった。しかし、バレても知らんぞ」
「信じてますから」
「そうかよ」
アレンはお辞儀をすると、出ていった。
その後を仲間がついてくる。
そして少し行ったことろにアレンが住んでいる一軒家に行った。
アレンは家に入り、みんなを座らせる。
「まぁ、そんなことで、何かあったら、すぐに合流する、ということで」
「私、旅に出るんだけど」
「もし本当にだめならこなくても大丈夫だと思います」
「それなら助かるわ」
「と、言うことで皆さん。今までお疲れ様でした。本当に楽しかったです。では、また何かあったら、よろしくお願いします」
「よろしく!」
「こっちこそ」
「アレンが全て仕切っちゃって。もう、なんの為にリーダーがいるんだか……」
アンジュはライズを睨む。
「わるかったな!」
そして四人は揃って笑った。
… … …
「ここか……」
SSSランクパーティーが解散して3ヶ月が経った。今日は入学試験だ。
アレンは普段着で来ていた。
しかし、周りを見ると、やけに豪華な服を着ていたり、そういう人たちばかりなのだ。
学園にはランクがある。
1番上が冒険者学園。
ここの卒業生は冒険者が多いが、経済など、冒険者になるための勉強以外のこともやるので、就業率はほぼ百パーセント。
2番目が経済学園。
経済に関する仕事志望の人が入る。勉強は冒険者学園よりも多いが、体力は関係ないため、入学するひとは大体運動ができない人だ。
同2番目は剣術学園。
つまり脳筋。
これ以外に魔術学園もあるが、人気はない。もともと魔術はあまり人気ではないのだ。なぜなら難しいから。魔法の発動条件、全属性の性質、それら以外にもたくさん覚えなければいけなく、頭がいい人ではないといけない。かといって、運動ができないと、魔力切れを起こし、すぐに倒れる。
そんな完璧な人ではないといけない。
なので魔術師はアレンを含め、この国でも十人に満たない。他にも魔術の道を切り開こうとした人はいたが、ほとんどは挫折する。
そして最下位は私立学園。
いわゆる、試験を受ければ合格できる学園。上の四つは国立だが、私立は違う。合格基準が低く、就業率は高くない。ほとんどの人は実家の家業を継ぐか、田舎で畑を耕しながら過ごしている。
「よしっ!頑張ろ!」
そうなりたくはないので、気合を入れるアレン。
しかし、現役冒険者、ましてや最強パーティーの一員だったのだ。
結果は目に見えていた。
そういう絶叫が建物に響く。
あれから1日。アレンたちは解散の報告をするため、冒険者ギルド本部にいた。
「冗談はやめてください!」
「いや、冗談じゃないんだよ。特にアレンは、義務なんだから。まぁ、解散とは言っても一時的に、だよ。アレンの義務教育が終わって、何もかも一段落したら、また復活するからさ」
「こ、困ります!」
周りの冒険者たちはポカーンと放心していた。
「いやいや、こっちが困るんだよ。特にアレン。だって、うち、アレンがいないとやっていけないし」
「へぇ……役立たずって自覚はあるのね」
「あ、アンジュ、お前なぁ!」
「なに?やる?」
喧嘩をし始めた二人にを無視して、アレンが話した。
「家業を継ぐのは長男の役目です。それに、ベルトルスさんの場合は、一人っ子なんです。お願いします。あと、僕は義務教育が始まるので」
「そ、そう言われましても……」
納得できないのはわかる。
なぜならSSSランクパーティーは、最強の集団。こう言っちゃ悪いが、最終兵器らしき軍団。そのSSSランクパーティーがいなくなるとなのと、やはり心配なのだろう。
「では、何かあれば呼んでください。そしたらすぐにでも僕たち駆けつけますので」
「そ、そうでしたら、まぁ……」
「お願いします」
「……分かりました……」
アレンはほほえみ、「ありがとうございます」と言う。
すると、「ちょっと待った!」と聞こえた。
アレンは首を傾げる。
「どうかしましたか?マスター」
ギルドマスター。ギルドの、最高意思決定者。
名前はウーガ。ドワーフと言われている族の一人。
「本当に解散するのか?!」
「はい。義務ですし」
「うーーむ……認めたくない!」
「え……そこをお願いしますよ……義務なんです」
「認めたくない!」
「僕が怒られるか、罰せられるんですよ……」
「それでも認めたくない!だって、SSSランクパーティーが解散なんて!俺が明日から大変になるんだよ!新聞記者に聞かれたら、なんて説明するんだよ!」
「そこはうまく……」
冒険者は15歳以上とされている。しかしアレンは許可を得て、特別に入った。そしてそれは混乱を招くため、冒険者だけの極秘となっている。
「うまくってどうやるのさ!」
「うーーん……じゃ、旅に出た」
「その理由は?!」
「他の国の文化や冒険者を見てみたくなった、てことで」
「無理無理無理!そんな嘘、すぐにバレる!」
「まぁ、大丈夫ですよ。僕たちの顔はここにいる方々しか分かりませんし。ここにいる方々が漏らさなければバレませんよ。僕は皆さんを信じています」
笑顔のアレンに冒険者たちは思わず苦笑いをした。
(漏らさない自信ない……!)
「お願いしますよ。僕、義務なんですから」
「……はぁ……分かった。しかし、バレても知らんぞ」
「信じてますから」
「そうかよ」
アレンはお辞儀をすると、出ていった。
その後を仲間がついてくる。
そして少し行ったことろにアレンが住んでいる一軒家に行った。
アレンは家に入り、みんなを座らせる。
「まぁ、そんなことで、何かあったら、すぐに合流する、ということで」
「私、旅に出るんだけど」
「もし本当にだめならこなくても大丈夫だと思います」
「それなら助かるわ」
「と、言うことで皆さん。今までお疲れ様でした。本当に楽しかったです。では、また何かあったら、よろしくお願いします」
「よろしく!」
「こっちこそ」
「アレンが全て仕切っちゃって。もう、なんの為にリーダーがいるんだか……」
アンジュはライズを睨む。
「わるかったな!」
そして四人は揃って笑った。
… … …
「ここか……」
SSSランクパーティーが解散して3ヶ月が経った。今日は入学試験だ。
アレンは普段着で来ていた。
しかし、周りを見ると、やけに豪華な服を着ていたり、そういう人たちばかりなのだ。
学園にはランクがある。
1番上が冒険者学園。
ここの卒業生は冒険者が多いが、経済など、冒険者になるための勉強以外のこともやるので、就業率はほぼ百パーセント。
2番目が経済学園。
経済に関する仕事志望の人が入る。勉強は冒険者学園よりも多いが、体力は関係ないため、入学するひとは大体運動ができない人だ。
同2番目は剣術学園。
つまり脳筋。
これ以外に魔術学園もあるが、人気はない。もともと魔術はあまり人気ではないのだ。なぜなら難しいから。魔法の発動条件、全属性の性質、それら以外にもたくさん覚えなければいけなく、頭がいい人ではないといけない。かといって、運動ができないと、魔力切れを起こし、すぐに倒れる。
そんな完璧な人ではないといけない。
なので魔術師はアレンを含め、この国でも十人に満たない。他にも魔術の道を切り開こうとした人はいたが、ほとんどは挫折する。
そして最下位は私立学園。
いわゆる、試験を受ければ合格できる学園。上の四つは国立だが、私立は違う。合格基準が低く、就業率は高くない。ほとんどの人は実家の家業を継ぐか、田舎で畑を耕しながら過ごしている。
「よしっ!頑張ろ!」
そうなりたくはないので、気合を入れるアレン。
しかし、現役冒険者、ましてや最強パーティーの一員だったのだ。
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