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第二章

テオ君(リアム視点)

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ライト君により「エイベル家の敵」宣言を受けた僕は、その日からまったくテオ君に近づけなくなった。イライラして「アキラさんにキスしてやる」と言ったら、雷撃の走る蔦で一日中捕縛された。

あんなに可愛いテオ君を僕から引き離すなんて。テオ君だって、あの時僕の名前呼んでくれたのに。

ちゃんと名乗ってもない。

一年前、あんなひどいこと言っちゃって、いくら汚い魔力だったからって、顔も見ず、相手を知ろうともせず、本当に失礼なことしちゃったんだな、って後悔した。

たった一年で、あんなにキレイな魔力になるなんて。努力したんだな、テオ君。キレイなカラダしてた。肌はすべすべだし。太ももとか、ほんと美味しかった。もちろん、テオ君の屹立したモノも。

まさか自分が、男相手に勃つなんて思いもしなかったし、あんなグロいのを触ったりましてや口に含むなんて絶対あり得ないと思ってた。自分のさえ、あんまり触りもしないのに。だからライト君からアキラさんの話を聞いた時は正直よくできるな、って思ってたんだけど。

ぜんぜん平気どころか、むしろもっと口に入れたくなる感触だった。自分のと擦り合わせたい。あのグチュグチュに子種がまみれたテオ君のモノに。

想像しただけでカラダが熱くなり、毎晩のように自慰行為をしてしまう。

「リアムさん、気持ちいい」って言ってたテオ君の甘い声。

熱であつく火照った肌の感触。

テオ君の肌は触るだけで気持ちよくて、何度も出そうになった。

僕はこんな見た目だから女性にも声かけられるけど、基本魔力がキレイじゃないとしたくないし、まぁそれなりにしたけど、気持ちよさって感じたことなかった。

でも、見学に来てたテオ君の腕を掴んだ時、今まで感じたことのない、衝撃的な快感がカラダを突き抜けた。

ライト君には「勃っちゃった」なんて軽く言ってみたけど、勃った、なんて生易しいもんじゃなかった。今にも暴発しそうに、はち切れんばかりのデカさになってた。

テオ君のもそれなりの大きさだったけど…僕の、口に入れてくれるかな、テオ君。入るかな。全部入らなくてもいいから、ペロペロ舐めて欲しい。椅子に座った僕の前にしゃがんで舐めるテオ君。可愛い。想像するだけでイきそうだ。あの真っ赤な顔で、恥ずかしそうに…あー、堪らん。可愛い。くそっ、ライト君にバレなければ今頃可愛いテオ君を触りまくりだったのに!

でも、見学に来てたってことは魔術団に入るんだろう。特性も、炎が一番強かった。僕のだ。テオ君は、僕のだ。誰にも触らせない。第一部隊に入れて、僕の秘書官にする。訓練ももちろんやる、ふたりっきりで。執務室は他の人間が入れないようにしないと。だってテオ君のモノを口にできない。一緒に住むから毎日口に含めるけど、職場でもしたい。ずっと口に入れておきたい。テオ君泣いちゃうかな。泣き顔も可愛いけど、ずっと入れておくのは休日だけにするか。たくさん慣らして、テオ君の中に入りたい。ライト君にどんな風にするか聞かないと。4月まで会えない間、勉強しないとな。

ベッドも大きいのに、…いや、ふたりで住むんだから違う部屋に、いっそ家建てちゃおうかな。あんまり大きくなくていいけど、寝室は大きくとる。お風呂も。

そんなことを考えてたら、団長に戻ったジークハルト様に呼び出された。

「リアム君、今年もキミ、第一部隊の副隊長ね。よろしく」

一年間無休で魔物を刈ってきたジークハルト様は、さらにすごい魔力に変わっていた。しばらく魔物出ないんじゃないか、ってくらいにすべての島を廻って殲滅させてきたらしい。

「光栄です、ありがとうございます。精一杯務めさせていただきます。あ、団長、そういえば、いまテオドール様が団長の家にいらっしゃると聞いたんですが、」

「あ、そうなんだよ。最近は、うちの末っ子と遊んでくれてね」

「団長の末のお子さまはおいくつでしたか?」

「今年7歳になるんだよ。男の子で色持ちなんだけど、テオドール君が一生懸命魔力の使い方とか教えてくれてさ。魔物に喰わせようとしてた俺のことも許してくれたし」

「え?」

「いや、ほら。リアム君と陛下のところに呼び出されたでしょ、一年前。あれ、テオドール君を連れてセグレタリーに行くための顔合わせだったんだけど、俺、ルヴィと離されるのムカムカして、テオドール君の魔力のこととか何にもリッツさんに説明しないで連れて行って魔物に喰わせるつもりだったの。あの弱さだから3日くらいで死ぬだろうと思って」

「え?」

「リアム君も公害レベルって言ってたじゃん」

「…言いました」

「でも、ずいぶん変わったよ。ジェライトがすごく面倒みたみたいでね。最近なんて、アキラさんがうちの末っ子と寝たいって言って、代わりにジェライトがテオドール君と夜寝てたりするんだよ」

「え!?」

「アキラさん、大変なんだろうね、ジェライトが狼すぎて。たまには休みたいんだろう」

「団長、ライト君て狼なんですか」

「まだ21歳だから、かなり盛ってるよね。俺も人のことは」

「団長の話はいいです。じゃあ、テオ君と一緒に寝てるってことは、テオ君に手を出してるってことですか」

「覗いたことないからわからない。でも、朝、ふたりして眠そうな時あるよ。一緒に風呂も入ってるみたいだし。『テオ、ほんといいカラダになったな、腹筋最高だよ。硬さがいいな』って、あれ、リアム君?」

これ以上聞いていられなかった。僕のテオ君の腹筋を触ったあげくに一緒に風呂に入って一緒に寝てるだと!?僕がまだテオ君とできてないことを当たり前のようにやるなんて…やるなんて…まさか、本当にやってるんじゃないだろうな、僕のテオ君に!?何度か一緒に風呂に入って見たことあるけど、勃ってるとこは見たことないからライト君のがどのくらいの大きさなのかわからない。だけど、ライト君ので貫かれちゃって、あまつさえ感じちゃってたりしたら!?…赦せん、ライトめ、赦せん!

4月にテオ君が入隊したら、初日から執務室で全身検査してやる!

鼻息荒く待ち構えていた、4月1日の入隊式。僕の待ち望んでいたテオ君の魔力が感知出来なかった。第一部隊に、黒髪はいない。

自分のところに囲い込みやがって、と第二部隊副隊長執務室に怒鳴り込む。

「ライト君!テオ君どこにやったの!」

「ロブソン第一部隊副隊長、ノックもできないんでしょうか。新入隊員の前ですよ」

冷たい瞳で見つめられぐ、っと詰まる僕に「テオドール様は魔術団には入隊しません」とこれまた冷たい声で告げた。

「…どういうことですか」

「貴方には関係ない」

「なんで…っ、」

「テオドール様は、王族ですよ。王弟殿下です。私は血縁者であり、準王族でもありますから関係ありますが、貴方が触れていい相手ではないのです」

「触れて」、という言葉に僕の感情が爆発した。

「キミたち、出て」

「…秘書官、頼む」

ドアがパタンとしまりライト君とふたりになったところでライト君の胸ぐらを掴み上げる。

「触れて、ってどういうこと、ライト君、テオ君に、」

「ロブソン副隊長、テオドール様ですよ」

「うるさい…っ!僕からテオ君を取り上げて、偉そうになんなんだよ!どんなことしたって探しだしてやる!」

ライト君はため息をつくと、「仕事に支障が出ると困るからお教えしますね」

「どこに隠したの、僕のテオ君を」

「隠してないし、貴方のテオではない」

「呼び捨てにするな!」

「テオドール様は、今日から海軍に入りました」

「…は?」

「魔力も言うこと無しなので、サヴィオンお祖父様…サヴィオン海軍総督付き第二秘書官です。独身寮に入りましたから城にもエイベル家にもおりません。明日からは訓練でサウスサイドを廻るため出航します。戻るのは一年後です」

「なんてことするんだ…っ、海軍なんて、しかも、艦艇の上なんて逃げられないじゃないか!テオ君が襲われたらどうするんだ!」

「テオドール様は王弟殿下ですよ。そして実力で入ったとは言え後ろには海軍総督がいるんです。襲うバカはいませんよ。貴方以外は」

ギリギリ歯ぎしりする僕をチラリと見ると、「もうよろしいですか、ロブソン副隊長。仕事が進みませんので出ていっていただきたいのですが」

「…失礼しました」

僕のテオ君が…。一年も会えないなんて…。

「テオ君…」

無事に帰ってきて。僕の元に。



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