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手の中に♡
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しおりを挟むフィーナの夜着を腰迄上げられ、下着の上でロマーリオの指の腹で秘唇を押し付けられた。
「んっ………ああっ……」
「あんまり煽るなよ、フィーナ………1回で終わらせるつもりなんだから」
「触ら……れたら……声出ちゃう……」
「口で塞ぐのも我慢してんだぞ?……ったく………フィーナ、手を貸せ」
「手?」
声を出さない様に、口を手で押さえてはいたフィーナだが、ロマーリオに手を取られ、自身の下半身を触らせた。
「扱いてくれ」
「!」
杭を握らせられ、フィーナの手の中で脈打つ鼓動。
付き合いは長いので、フィーナ自身ロマーリオの杭を握るのも口に咥えるのも経験済みだ。それが挿入らない房事であるのを理解する。何度も身体を重ねていて、流れ的に最終的に繋がるので、気にした事は無かったフィーナ。
「コレで抜いて、終わるだけという事?」
「………そう……俺も気持ちいいし、フィーナも気持ちいいだろ?ただ挿入はお預け………その代わり、手で俺をイかせてくれ……口でもいいが………お前の膣に居る様に…………な?」
「っ!」
耳元で囁かれ想像する手での愛撫は、今迄何気なくして来た事をより気を遣いそうだった。
「俺の気持ちいいと思う場所を想像して、絞り出せるよな?フィーナなら」
「っ!」
ゾクゾクと背筋が凍る感覚でいると、ロマーリオは下着を剥ぎ取っていた。
「俺も、お前ん膣想像しながら、指で味わうよ」
「んあっ……あっ……んっっん」
声を聞きたいのに、聞き過ぎると煽られると言うロマーリオに、深いキスをされる。ぐちゅぐちゅ、と足の方から聞こえる水音と、口内で唾液の絡まる音がシンクロして、曲ではないが卑猥なメロディを奏でている様だった。
「んんんんんんっ!」
「…………」
ロマーリオが、フィーナの絶頂を感じると、唇を解放させる。
「………なぁ……この腹の子が男だったらコーウェンて名付けようぜ?」
「………じゃあ、今の貴方の呼び名では呼べないじゃないの?」
「もう、恨み事も無いしな……本名で呼んでくれ」
「…………呼ぶな、て言ったり呼べって言ったり………面倒な男ね……」
「ふっ………城の者はコーウェンの呼び名は知らないからな」
「………そういう理由なら、いいわ………」
「!………くっ!」
「イかせないと……ね?」
「…………じゃ、俺ももう少し………大丈夫そうだから………っ……付き合うか………はっっ………あっ……」
「んっあっ……あっ……」
お互いに喘ぎながら、手の中で果てたのはそう時間は掛からなかった。
❊❊❊❊❊❊❊
翌日、フィーナの体調の具合を見ながら、侍女の付き添いで城を案内された。フィーネが壊していった場所は工事中で危険な為行けなかったが、それ以外なら案内が可能だと言うので、体力作りの散歩だ。
「クワッ!」
「ユージーン?……昨日傍に居なかったけど、何処に行ってたの?」
城の廊下を歩いていると、窓から鳥が入って来てフィーナの肩に停まった。
「クワッ」
「まぁ、フィーナ様に懐いてますね」
「ユージーンという名は大魔道士ユージーン様から?」
「えぇ、叔父のユージーンから譲られたんだけど、この子ユージーンの名以外返事しなくて……」
「可愛らしい」
だが、鳥は、侍女がおいで、と声を掛けても肩には乗らなかった。
「懐いて居る方とはやっぱり違いますね」
「世話すると懐くかもしれないわ………でも、この子は風魔法を使う子だから、気を付けて」
「魔法を使う鳥も居るんですか?」
「この子は魔法具よ」
「「「え!」」」
具現化している魔獣だから間違ってはいない。
「叔父との通信に使っているの………今は傍に居るから、鳥だけど」
「凄いですね、ユージーン様は」
「初めて見ました、動物の魔法具は」
「私も、初めて見たの……この子………可愛くって……」
「分かります!」
「可愛いです!」
そんなやり取りをしていると、侍女達がロマーリオの妃になるフィーナと親しくしている侍従達や他の侍女達の目に入っていく。冷たい視線が送られる事はなく、フィーナの心は少し軽くなった。
「何故、そのまま妾ではいけないのですか!私はトンプソン殿下の妾だったのです!そのまま、ロマーリオ殿下の寵を頂いても良いではないですか!」
「?………何かしら?」
「「「あ!」」」
窓から外を見ると、ロマーリオが女達に詰め寄られていた。妾というワードが聞こえ、国王かトンプソンの妾なのだと分かったが、その女がロマーリオの妾の座を狙っている様子。
侍女達は、何度もその光景を見た事があるのか、焦っている。フィーナに見せたくなかったようだ。
「………言った筈だと思うが?父と兄の妾は自由とする、と……妾の産んだ子達には、継承権は無いが、勤勉の努力をするなら、臣下地位を与える、と伝えたおいた筈だ」
―――妾は取るつもりは無い、て言ったっけ……私も妾は嫌だな……
そう思っていると、女達の行動がエスカレートしていった。
「殿下の妃になる方は、あのフィーネ様の姉だと言うではありませんか!そんな方が王妃を務まる筈がありません!」
―――あ、導火線に火を着けたんじゃないかしら……
その言葉は、ロマーリオの怒りの矛先を彼女に向けられた。
「フィーナを侮辱すると不敬罪に処すぞ!妹のフィーネは、国王に操られていただけだ!フィーナはフィーネを救った!それを、フィーネと同じ感覚で人を見るとは、其方の視野は如何かしているのではないか!………サムエル!国王とトンプソンの妾達を追い出せ!」
「お許しを!殿下!」
「さぁ、城から出て行くんだ!」
「クワッ!」
「!」
フィーナが窓から覗いていた時に、鳥が、ロマーリオを呼ぶ。
「フィーナ、そこで何してる?」
「………ははは……侍女達に城を案内して貰ってたら、聞こえちゃって……覗いてごめんなさい、ロマーリオ」
「………いや、聞いていたなら分かるよな?……俺がフィーナに夢中だと」
「私も、貴方が妾を迎えるのは改めて嫌だと思ったわ」
「クワッ!」
鳥も嬉しそうに翼を広げた。
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