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一言
しおりを挟む雫が受診を終え、如月を呼び出す。
「…………単なる痣で済まされた……」
痛みも無ければ、内出血も無く右腰に散らばる痣。弥と尊に抱かれる前は全く無かった痣。だが、それを証明する物もない雫。わざわざ痣が無かった時の写真等撮っている筈もない。
「雫」
「!!…………ななな………如月さん!!バラしたっ!!」
「申し訳ありません、雫様………先に弥様から、雫様の言動がおかしい、と言われておりましたから、報告義務が私にありまして」
弥と如月と一緒に尊も来ている。
「如月、謝る必要はない」
「そうそう、俺達に嘘付いて迄、病院に来たりしなきゃ、こんな結果にはならなかったんだからな」
「…………うっ……」
「帰るぞ、雫」
「………はい」
雫に近寄り、弥によって腕を掴まれ、車に押し込まれる。
「如月、そこを閉めろ」
「…………はい」
車内の運転席、助手席と後部座席の間に防音壁を閉められた。
「雫………確認する」
「………な、何を?」
「右腰にある痣」
「!!………な、何で知ってるの?」
弥も尊も機嫌が悪い。ピリピリと雫は肌で感じる。
「先週末から気になってた………生理が来てたし、頑なに抱かれるのを拒んだからな、それから見れてないし、キスマークも消えてる筈だ」
「それに、生理も終わったろ?」
「そ、それで何でそんなにピリピリしてるの?病気とかの前触れだったら、て思って言えなかったんだもん!心配掛けたくない、て思っちゃ駄目なの?」
「…………なるほどね……」
「雫に嘘付かれて、心配するとは思わなかったか?」
「…………そ、それは……」
「…………ふぅ………」
「!!」
弥が溜息をつき、尊は頭を掻きむしる。傷付けた、と思った雫。
「ごめんなさい……嘘ついて」
「見せて」
「…………え?」
「痣………スカート上げろ」
「………マンションに帰…………」
「今」
「…………今?」
「そう、今直ぐここで」
雫はスカートを腰上迄上げる。サニタリーショーツも履いていない腰回りが知られる。
「やっぱり、生理終わってたな」
「雫、いつ終わった?」
「………昨日」
「じゃ、昨日分追加でいいよな?」
「ま、当然だな…………で?痣は………」
「…………こんなにはっきりして出てたか?」
「キスマークが邪魔してたか………で?医者は何て?」
「………単なる青痣になるか、染みになるんじゃないか、て………痛み無いし、一応内出血を確認したけど無くて……結果分からない、と……様子見てくれ、て言われた」
「尊……」
「ん?」
「やっぱり、明日確認に行こう」
「ああ…………だけど、今夜は……」
「覚悟しろよ、雫」
車の中では、弥と尊の前に座らされた雫。上半身は、袖を脱がされ胸を晒し、下半身はそのまま腰迄スカートを捲りさせ、足を弥と尊の足で閉じられないようにされた雫。下着はそのままで2人により視姦される。目線を逸らすなと言われ、弥や尊を見れば、雫へ向ける目線が首筋、胸、秘所へと向けられているのが分かった。
「なぁ、弥………雫への仕置き、足りなくね?」
「足りないとは?何がしたい?尊は」
「この前の放置プレイも良かったけどなぁ……それでも心配させたしなぁ……」
「それは否めないが、雫の気持ちが離れる事はしたくない」
「………あぁ………くそっ!」
「弥…………尊………ごめ………」
「謝るな!」
「!!」
「………謝罪が欲しい訳じゃない……欲しいのは雫の心だ……」
「結婚するのに?」
「……………弥………絶対に時間掛かる」
「…………」
弥は、雫から目線を外す。そして溜息を付いた。車がマンションに着いても、弥は部屋に篭ってしまう。
「…………私、間違えた………」
「んな事はない………弥もだが、俺も不安なんだよ…………」
「どうして不安になるの?………私が結婚を先延ばしてるから?」
「…………違うんだなぁ………俺達は雫からある一言が欲しいだけさ」
「…………一言………?」
「よく考えな………飯作ってくる」
尊も部屋に入り、スーツから着替えるつもりだろう。雫も衣装部屋に入りラフな格好に着替えようとドアノブに手を掛けるが、下腹部に激痛が走ると部屋の前で倒れた。着替えて尊に発見された雫。
「雫!!如何した!雫!!弥!!雫が!!」
カチャッ。
「…………雫?………雫!しっかりしろ!雫!」
遠退く意識の中で、雫は弥と尊に触れようと手を伸ばすが、そのまま雫は力つく。
「熱あるぞ!」
「尊、ベッドに運べ!俺は氷嚢用意する!」
「あぁ、任せろ………雫、しっかりしろ!」
ベッドに運んだ雫を尊は熱を計る為にワンピースの前のボタンを外すと、雫の意識が戻る。
「雫?熱計るぞ」
「…………尊………熱い………」
「だから、熱計るってい………んっ」
雫はその熱さを覚えていた。必要なのは薬や医者じゃない。媚薬を全身に塗られたような疼きがし始めている。目の前の尊を貪りたい衝動に駆られた。近くに居る尊の首にしがみつき、キスを仕掛けた雫。いつも弥と尊が雫にするように、甘く深く誘ってしまう。
「し…………ず………」
「もっと…………」
「何してる!尊!雫を寝かすんだろ!」
氷嚢と解熱剤を持って寝室に入った弥は、雫から尊を引き離すが、尊は珍しく照れた表情をし、雫は縋る様に見えた。
「弥………雫が変化した……」
「何言ってる!………雫、今氷嚢を………熱冷まそう、解熱剤飲ませてやる」
「弥………ぇ」
「待ってろ……………!!」
「あ…………弥も落ちた」
「んっ………し………っ……」
雫に貪られた弥の唇は、その気にさせてしまう。
「弥…………熱い………お願い………鎮めて……」
弥も全身がゾクゾクする衝動に駆られ、喉を鳴らす。
「…………如何したら鎮まる?」
「………変……なの………身体が疼く…………めちゃくちゃに抱かれ………たい………」
「…………分かった………尊、ゴム買ってあるよな?」
「…………あぁ、極薄のいいのをな」
「雫…………いいな?」
「早く…………」
弥と尊は服を脱ぎ捨てた。
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