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数歩の距離なのに♡

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 ピンポ―ン。

 彬良の住むマンションに着いた茉穂。先に会社を出た彬良はもう帰っているだろう、と料理が出来ない彬良の為に、夕飯を作るつもりで時々材料を買って来ていた。

「遅かったな」
「ご飯食べようと思って、材料買って来た」
「………飯より、こっち」
「ちょっ!」

 エコバッグに入った材料を奪い、玄関に置く彬良に、玄関のドアに茉穂は押し付けられる。

「何だよ、ストッキング破ったろ?昼に」
「履き替えたわよ!伝線しちゃったし!」
「脱がすぞ」
「え!ご飯は!」
「後!」

 スカートを捲り上げられ、ストッキング毎下着も下ろされてしまう茉穂。晒された直後、もう彬良は秘唇を開き、愛撫を始める。

「彬良っ!待ってっ!」
「やだね」

 上半身迄脱がしに掛かりながら、茉穂の反応を見ている彬良。直ぐに秘部の愛撫だけで、喘ぎ始める茉穂の赤く染まる顔になっていくのを観察している。

「イキたかったろ?直ぐにイカせてやるから」
「あぁっっ待っ………て……話し………」
「後だって言ってるだろ?」

 職場でシない事を約束させたいのに、話をしてから、と思って食事で釣るつもりであった茉穂だが、もう無理だった。
 上半身もはだけ、胸の頂きも固くなった頃、彬良はコンドームの袋を咥えて歯で開ける。

「っ!」
「待たせたよな?」

 色っぽくて、彬良の仕草にゾクゾクする。装着も手早くすると、茉穂を持ち上げる様に杭を突き刺した。

「ああッあぁあっ……深……ぃっ!」
「ベッド行こうぜ」
「っ…………やぁ……駄目っ……イッちゃ……」

 1歩歩くと、そのズンっと奥に衝動が走り、彬良に懇願する。只でさえサイズが大きい彬良の杭だ。軽々と持ち上げられて、体力のある彬良の思うがままに揺さぶられては歩かれると、正常位でのセックスをするより、深く突かれてしまう。

「じゃ、このままイケよ……落ちるなよ?しがみついてろ………その間、お前のおっぱいも堪能しててやる」

 ゆさゆさと、彬良は下から突き上げ、茉穂を休ませない。自由に動けない茉穂の態勢は、彬良の頭を抱え込むしかなかった。その間、茉穂の胸の谷間は何度も痛みが贈られる。

「んふっっ……あぁっ………らめっ!も……イキっぱ……だか……」
「エロくて止めれん!」

 結局、彬良が1回終わる迄、ずっと同じ体位で、まだベッドには下ろされる事なく、手前のバスルームのドアの前に下ろされた茉穂。玄関から2歩ぐらいしか進めていない。

「はぁ………はぁ……」

 横たわる茉穂を見下ろして、彬良はコンドームを新たに着け変えた。

「え………せめて……ベッド……」
「次、こっちな」
「ち、ちょっと?」

 茉穂が1回のセックスで疲れが出て、四つん這いにされるのは簡単だった。

「好きだろ?尻と挟まれんの………」
「ま、待って!それはせめてシャワー………っああぁっ!」

 後ろから挿入された後、彬良の指が茉穂の尻孔を解し入って来る。
 以前、合コン後の夜にバイブが入ったと同時にアナルビーズや指を入れられた事があったが、彬良の杭がある状態での尻の愛撫は初めてだ。大きくて、密着されている隘路に押し広げられた、尻孔は狭いだろうと思われ、強い刺激が茉穂に続く。
 苦しみや痛みは無いのに、いつしか涙も溢しながら、気持ち良さが続いた悦楽に酔い痴れ、自然に茉穂も腰を動かし、彬良の律動に合わせていた。

「もっと欲しいようだな」
「あ……ひっ………あぁあっ……もっとぉ……」
「イカせてやるよ」

 彬良が2回目に爆ぜた時、強請る茉穂に満足した彬良は、やっと茉穂とのセックスを終わらせた。

「シャワー浴びてこいよ………材料は冷蔵庫に入れておく」
「う、うん……」
「立てるか?」
「…………話を先にしたかったのに……」
「まぁまぁ……ちゃんと飯の時に聞いてやるから」

 茉穂はふらふらとバスルームに入ると、余韻が冷めぬまま、身体を洗って出て来る。空腹過ぎて、お腹が鳴ったのだ。

 ―――の後、てお腹空くけど、セックスも同じよね……刺し身買ってきたけど、大丈夫かな……悪くなってなきゃいいけど

「早かったな」
「………お腹空いちゃって……」
「俺もだし、腹減ってるから助かる」
「………だから、先にご飯にしようと思ってたのに……」
「嫉妬心のが勝ってな」

 材料を冷蔵庫にしまってもらってばかりの食材を確認して、茉穂は調理を開始する。
 彬良は夜に炭水化物は取らない。酒とつまみになる物があればいい。茉穂は品数を少量ずつ小分けして彬良にテーブルに運んで貰う。

「保存容器にも詰めてあるから、私が来ない日に食べてね」
「めっちゃ助かる……料理だけはマジで無理」
「しようとしなかった訳?」
「俺、刃物恐怖症」
「え?そうなの?」
「向けられると、反撃したくなるんだよな……自分で持つのも人を傷付けかねないから持たない」

 過去、何度も刃物を向けられたのだろう。額や腕にある傷痕は、刃物傷の様な痕だからだ。だから、茉穂が彬良のマンションに来る様になった頃、包丁が無かった。茉穂が料理をしている間、彬良は茉穂の傍には寄らないし、キッチンが片付く迄、キッチンに近寄りもしなかった。

「カッターとか鋏も刃物でしょ?」
「大人になって、あんまり自分では使わないな……封筒なんかの開封は破る」
「……まぁ……便利な文具だけど無くても生活出来るもんね……」

 ビールを冷蔵庫から出し、乾杯すると彬良は茉穂の料理をつまんでいく。

「うめっ」
「じゃ、ずっと外食だったんでしょ?」
「独り暮らししてからずっとな……メタボになりたくねぇし、ジム行って身体鍛えて、カロリー消費してるが、セックスでもカロリー消費するから、ジム行く暇も無くなりそうだな」
「ジムも行こうよ」
「何でだよ、2人の時間無くなるじゃねぇか」
「エッチが濃厚なんだもん……もうちょっと加減して欲しいかな……と」
「蛋白よりかいいじゃねぇか」
「…………そ、そうなんだけど……会社では止めてよね……今日のは嫌」

 茉穂は説得を重ね、彬良が会社でスキンシップをやらない事を約束させた。その代わり、彬良から茉穂に要望を言われたのだが、それはまた後日。
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