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しおりを挟むセルトがベランダからアルマとジークハルトの寝室へと勝手に入って行く。
「セルト!答えて!何故貴方が此処に居るの!リンデル伯爵領に居なきゃ駄目でしょ!」
「俺が何処に居たって、アルマに関係あるのか?」
「セルト!そこに座らないで!」
勝手に入っただけでなく、夫婦のベッド脇にセルトは座る。
この部屋にはソファも有るのに、何故ベッドに座らなければならないのか、アルマには理解出来ない。
「カーテンも閉めず、アルマはあの男に抱かれてたのを見たよ」
「っ!」
「…………買われたから、仕方なくなんだろ?」
「ふ、夫婦なのよ、当たり前の事だわ!早く出てって!」
アルマはセルトを立ち上がらせようと腕を掴むが、セルトは騎士で力もアルマより断然強い為、アルマの力では立ち上がらせられず、逆に押し倒されてしまった。
「きゃっ!」
「アルマ…………子作りしてるなら、そろそろ子供出来るよな?」
「な、何言ってるの!野蛮な事言わないで出てって!」
「…………なぁ……その子供、俺とお前の子にしてヴォルマ公爵を乗っ取らないか?」
「な!…………冗談言わないでよ!ジーク様を裏切れって言うの?私はジーク様の………ヴォルマ公爵の妻なのよ!貴方との子がなれる訳………ひゃっ………止め………セルトっ!」
アルマは夜着から軽装のドレスを着てはいたが、脱ぎ着しやすい服の為に、セルトが身体を触れてくると直ぐに反応してしまい、煽る様な声を出してしまった。
「悔しいな………アルマの純血を奪ったんだろ?ヴォルマ公爵は………俺の剣を突き刺してやりたかったよ………」
「止めて………そんな事して何にな………るの……」
「…………くっ!………俺のアルマが汚された!」
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
服をセルトに破り割かれ、露わになった胸に散らばるうっ血痕をセルトに見られてしまうアルマ。
悲鳴で誰か来てはくれないか、と思っていたが、魔獣討伐のゴタゴタで気付かれてはいないのか、邸の警備が緩くなったのかは分からないが誰も駆け付けては来ない。
「アルマ、この状況を見られたら、アルマが男を連れ込んだと思われるぞ………だから、黙ってろ!ヴォルマ公爵に知られて、アルマの不貞をバラされるぞ?折角、俺が魔獣出没の嘘をでっち上げて、ヴォルマ公爵からお前を離してやったのに」
「っんぐっ!」
アルマはセルトにより口に服の切れ端を突っ込まれ、手首を捕まれてしまう。
そして、あれ程心配した魔獣討伐が虚偽だったと、アルマは安堵する。
「何だよ………魔獣出没が虚偽で安心してんのか?お前が好きなのは俺だろ!」
「んんっ!」
アルマは否定の為に首を横に振る。
安堵の為の否定か、セルトへの好意の否定か等、アルマにはセルトに分かって貰わなくても良かったが、この身の安全を守るのに、何とか打破したくて抵抗を示そうとしていた。
「安心しろよ、俺がヴォルマ公爵家を乗っ取ってやるから………子供孕んで、その子供が俺とアルマの子供でいつか俺がヴォルマ公爵を排除してやるから、お前はリンデル伯爵領の支援の為に、動いてりゃいい………子供にはヴォルマ公爵が父親じゃない、て言い聞かせながらな」
「んっ!」
アルマは勝手な思い込みをしているセルトと話をしたいのに、口を塞がれていては話す事が出来ず、ジタバタとするだけでセルトはビクともしなかった。
別れ際、文句を連ねられてはいたが、セルトは全く納得してくれず、俺も協力するからだの、駆け落ちしようだの、意見が二転三転するのを聞きたくなくて、アルマのセルトへの好意はそこで潰えたのかもしれない。
「!」
「…………今迄、此処に咥えてたんだな………濡れたままじゃないか………直ぐに俺もアルマの中を確認して、子種注いでやるよ。毎日抱かれてるのか?それなら掻き出してから注いだ方が良いよな?」
「んんっ!」
器用に片手でセルトは杭を出し、クチュクチュと、無骨な指でアルマの秘壺を掻き回し、ジークハルトの入っていない白濁を掻き出そうとしていた。
アルマが知るに、セルトは女を抱いた事がない筈で、手付きがジークハルトとは違い、ぎこちなくてアルマにはそれが気持ち悪く感じた。
「こんなもんか?…………アルマ………1つになろう……」
「んんんんっ!」
乱暴に押し入れられたセルトの杭は、自分本位で腰を振るしか出来ないのだと、アルマは知る。
如何しても、ジークハルトと比べてしまう閨の行為。早く助けて欲しい、誰か気が付いて欲しい、とアルマは涙が溢れて唸るだけだ。
しかし、それがセルトには分かっていない。
アルマは醉がっているのだと思っている。
「気持ち良いよな?え?アルマ」
はぁ、はぁ、と息遣い荒いセルトだが、アルマはただ気持ち悪いだけだ。早く終わって欲しいとだけしか思っていない。
もし、セルトの子を妊娠してしまったら如何しよう、とそればかり過ぎっている。
「くっ!…………はぁ、はぁ、はぁ……アルマ、好きだ、アルマ…………俺のアルマ………」
「…………」
声が出せないアルマは、セルトを睨む事で精一杯だった。
明け方迄、されるがままに犯されたアルマ。
「アルマ?」
「終わったら出て行って!私はヴォルマ公爵夫人で、ジーク様を心からお慕いしているの!貴方の子供なんて欲しくないわ!」
「ア、アルマ………」
「早く出て行って!人を呼ぶわよ!」
今、人を呼んだ所でもう遅い。今は早くセルトから注がれた白濁を掻き出して身体を綺麗にしたかった。
「ま、また来るからな!」
「もう来ないで!」
セルトはまた来る気かもしれないが、今はアルマは1人に早くなりたかった。
『奥様、何かありましたか?』
「っ!」
セルトが見付かっても見付からなくても、アルマの立場は危ういし、セルトが捕まってしまえば今、言い逃れが思いつかないアルマは、セルトを追い出す事に必死だ。
セルトも捕まりたくはないのだろう。扉をノックされた音で自分の服を掴んでベランダから慌てて出て行った。
「な、何でもないです!室内で転んでしまっただけなので………怪我もしませんでしたから!」
『何かお手伝いございますか?』
「大丈夫です!」
『分かりました。朝食のご用意が出来る前にまた伺います』
無闇に扉が開けられなかった事に安心し、アルマは直ぐに風呂場へ入った。
湯が冷え切り、水になった湯船に頭から浸かり、必死にセルトの白濁を掻き出して、泣くしか出来なかった。
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