白雪

柊 奏

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第二雪【無邪気】

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 来る日も来る日も白が世界を覆う。

 真っ白な雪が敷き詰められた世界を見るたび、私は独りなのだと実感させられる。

 一歩一歩足を進めるたび、後ろには跡が残るが、この雪国では、すぐにその跡は消え、また白で埋めつくされてしまう。
 白は足跡と共に音も消し去ってしまい、そこにあるのは静寂だけ。

 それは、まるで自分が此処にはいらないと、言われてるみたいだと感じた。

「なぁ、赤月、赤月は志望大学どこなの?」

 私がぐるぐる足跡をつけて廻るのを不思議そうに見ながら、彼が問うた。

 不思議なことに私と彼の関係は、あの日から細々と続いていた。

「私基本21時頃からここに居るから、篠宮くんのこと待ってる。」

 軽く言ったつもりだっただったが、責任感の強い彼はバイトがある日の夜は律儀にも来てくれた。

 基本彼は優しいのだ、私はそんな彼の心理を利用してる。独りが好きだと言いながら、独りが寂しい事だと知っているから。側にいてくれるなら誰でもよかったのだ。

「私?そうだなぁ、どこにしよう。」

「また、そうやってはぐらかす。」

「篠宮くんはそんなに私に興味があるの?」

    

「そうやって……そりゃ気になるでしょ、せめて県外か県内かぐらい教えてくれてもいいだろ。赤月のレベルなら何処でもいけるだろうけど、僕はそうじゃないし。」

「……?もしかして篠宮くん同じ大学行こうとしてくれてるの?」

「なっ……!?参考までにだよ。赤月がちゃんとした友好関係築けるのか心配だし、一緒に居てあげれるなら居てあげようかなって。って、何言ってんだ僕は……」

「……そっか~。篠宮くん私が心配なのね。ほんと、篠宮くんって自ら面倒くさいことに足突っ込んじゃうよね。お兄ちゃんだからかな?」

「そうかもしれない……けど、僕の弟はここまで手かからないよ。」

「なにそれ?失礼な!私は7歳の子より下なの。」

「やることがね。真冬の寒い中、あんな凍った噴水の上歩いて、冷え切った水かかって楽しいとか、7歳児はそんなことしないし。」

「それは大人だからこそできる技よね。」

「……赤月、それは無理がある。」

「~~っ!いいの!なんでも楽しんだもん勝ちよ!」

「さいですか。」

「篠宮くんも言うようになったよね。最初とは大違い……」

「……そうだね、赤月といると取り繕うだけ無駄な気してくるから。」

「じゃあ、篠宮くんは私といるときは素ってことか!嬉しいな!!」


 彼は、ここ数ヶ月で大分言うようになったと思う。
 私がそうしやすいように振舞っているのもあるが、ここまで素をだしてくれると私も嬉しく感じた。

 このまま、私も家族のことや学校のこと全てさらけ出して素直になれたら、どれほど楽だろう。

 でも、きっとそんなことしたら、優しい彼は、同情でも私の側にいてくれるだろう。

 それは、私の本意ではない。

 さて、志望大学が国外だと言ったら彼はどんな顔をするだろう。

 そんな想いを胸にしまい、今日もまた私は、少女のように無邪気に振舞った。



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