イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。

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慣れてるはずの暗闇が怖い。

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ゆさゆさと私の肩を揺さぶる誰かがいる。



美都「んー・・・・。」



目が覚めた私は、前を見た。

まだ何も見えない。



美都「?・・・リヒト?」

リヒト「ゴヨウハ?」

美都「今、何時?」

リヒト「ゴゴ16ジハンデス。」

美都「じゃあ、まだ要さんはお仕事だよね。・・・さっき誰かが肩を揺さぶったような・・・?」




要さんなら私が分かるように、必ず声をかけてくれる。



美都「気のせいか。」




そう思った時、私の体を抱きしめてきた人がいた。



美都「ひゃぁっ!?・・・要さん・・・?」



返事は無く、ただ抱きしめられてるだけ・・・。



美都「?・・・どうしたの?要さん。」



そう思いながら抱きしめ返すと、違和感を感じた。



美都「?・・・要さん?」




大好きな腕とちょっと大きさが違う。

それに・・匂いも・・・・・違う。




美都「!?・・・いやぁぁーーーっ!」



私が叫んだ直後、要さんの声が聞こえた。

それも少し遠くのほうから。



要「美都!?」



パーン・・・!と開けられた戸。

声しか頼るものがない私は、必死に要さんを探した。



美都「どこ!?・・・どこっ!?」

要「ここだ!ここにいるっ!」


慌てる私を抱きしめてくれた要さん。

私を抱きしめる腕は知ってる腕だった。



要「何があった!?・・・山下!」

美都「え・・・?」




何が起こってるのか分からず、私は要さんの腕の中で固まった。




山下「なんも?また寝てたから毛布をかけたんだけど・・・。」

美都「・・・え?」



手探りで探すと、確かに私の前に毛布があった。



要「でも美都は叫んだぞ?」

山下「夢、見てたんじゃない?俺は何もしてない。」

要「美都、何があった?」

美都「え・・え・・・?」



毛布をかけられていただけ?

確かに抱きしめられてた感覚があったように感じた。

でも・・・・感覚だけじゃほんとかもわからない。




美都「ごめん・・・なさい・・・。」

要「美都?」

美都「夢・・・だったかも・・・でも、わかんなくて・・・ごめん・・・。」



何が自分の体に起こってるのか・・・私の周りになにがあって誰がいるのか分からず、突然恐怖感に襲われた。

がたがたと震えだした体は止まらない。



要「美都?どうした?大丈夫か?」

美都「だ・・だいじょう・・・ぶ・・。」

要「・・・・・・。」



ふっ・・と離れた要さんの体。

途端に不安が心を支配する。



美都「!?・・・要さんっ!?どこ!?」

要「ここにいるよ。」

美都「やだ・・・怖い・・・っ。」

要「大丈夫。俺がいるから。」



要さんは私を抱きしめた。

いつもの腕。

いつもの要さんの匂いは私を安心させる。




要「あと30分なんだけどな・・・。」

美都「・・・も、大丈夫。」

要「でも・・・・。」

美都「お仕事の邪魔して・・・ごめんなさい・・・。」






手探りで壁を探し、私は角っこに落ち着いた。

三角座りをして、かけてもらった毛布を顔の近くに手繰り寄せ、顔を埋めた。



要「・・・・あとちょっとだから。」



頭を撫でる大好きな手。



美都「大丈夫・・・大丈夫だから・・・ごめん。」




足音が遠のき、和室の戸が閉まる音が聞こえた。

シーンとする空間に肌が痛く感じる。




美都「うー・・・。」




必死に耐えてると、遠くから足音が聞こえた。

どんどん近づいてくる足音は、和室の戸を開けた。



すー・・・・



美都「・・・?」

要「美都ー。」

美都「要さん。・・・どうしたの?」

要「・・・こんなんで安心できるかどうかわからないけど。」



そう言って私の頭に何かをかぶせた。



美都「・・・要さんの服?」

要「そ。俺の匂い。目が見えないときは音と匂いに敏感になるんだろ?これでもうちょっと待っててくれる?」

美都「・・・ありがと。」



私は要さんの服に顔を埋めた。

大好きな匂いに包まれ、安心する。



美都「へへ。」

要「大丈夫そうだな。じゃ、あとで。」

美都「はい。」




要さんの足音が遠のいていった。














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