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ひなたの家で晩御飯。

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ひなた「ちょっと・・・優弥さん!?」




歩き進んでいく二人の後ろから私は声をかけた。




優弥「うん?」

ひなた「太陽の参観、ほんとに行くんですか!?」

優弥「そうだけど?」

ひなた「なんで・・・・・。」

優弥「この前さ、この保育園に消防車の体験で来たんだよ。そのとき子供たちに肩車をしてやったんだけど・・・みんなが『パパみたい』って叫んでてさ、太陽が・・・『パパはどこにいるの?』って聞いてきた。」

ひなた「・・・・・・。」

優弥「参観の当日、悲しい顔してほしくないしな。」




そう言って太陽と手を繋ぎながら歩く優弥さん。




ひなた「・・・・ご飯。」

優弥「ん?」

ひなた「晩御飯・・・食べていきませんか?今日の・・・お礼に。」

優弥「え?・・・でも・・。」

太陽「にーちゃんとごはん!?」

ひなた「・・・太陽も喜びますし・・・この前のお礼も・・・。」

優弥「この前って・・・あれは別にいいよ。俺の勝手だし。でも・・・。」

ひなた「?」

優弥「ひなたと一緒にいたいからお邪魔させてもらうよ。」

太陽「やったぁっ!」






上機嫌な太陽。

私も心を躍らせ、3人でアパートに向かった。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




優弥side・・・





優弥「オジャマシマス・・・。」



初めて入るひなたの部屋。

俺はドキドキしながらドアをくぐった。



太陽「どーぞっ。」

ひなた「散らかってますけど・・・。」





1DKのアパート。

広いとは言えないリビングに、二人掛けのソファーとテーブルが置いてあった。





ひなた「すみません、適当に座っててくださいね?ごはん作りますので・・・。」

優弥「うん・・・。」





どこに座ろうか、キョロキョロと見回してみる。

リビングの中は・・・太陽のものがたくさんあるのが見えた。





優弥「絵本・・・おもちゃ・・・・」





マガジンラックに入ってるのは絵本。

ユニットボックスには太陽のおもちゃ。

テレビの前には・・・この前俺が買ってやったおもちゃが並んでいた。





ひなた「優弥さん、お茶どうぞー。」





リビングのテーブルにお茶を置いてくれたひなた。





優弥「すごいな、太陽のものがいっぱい・・・。」

ひなた「え?・・・あぁ、増えていっちゃって(笑)体調悪いときとかはぐずるんで、新しいおもちゃ買ってきたりとか?」

優弥「そっか。」

ひなた「最近は消防隊にハマってるんで・・・あ、また持って来た。」

優弥「?」




ひなたが俺の後ろをみながらクスクスと笑い始めた。

何があるのかと思って振り返ると、太陽が両手に一杯おもちゃをもって現れた。




優弥「!?」

太陽「にーちゃんっ!あそぼっ!」




バラバラと床におもちゃを置いていく太陽。

俺はそれを拾い上げ、太陽に聞いていった。




優弥「これ・・・なんだ?」

太陽「『ひのまじん』だよ!にーちゃん、わるものね!」

優弥「いや・・だから、にーちゃんが本物だからな?」

太陽「へんしーんっ!」

優弥「聞けよ。」





おもちゃを使って太陽と一緒に遊ぶ。

時々空を飛ぶ(?)みたいな抱っこをしてやると、太陽はすっごい興奮した。








ひなた「ふふ。よかったね、太陽。」

太陽「うんっ!」





キッチンから俺たちを見ながら料理を作るひなた。

この光景を客観的に見たら・・・・間違いなく親子だと思った。






優弥「・・・・・うーん。」

太陽「?」




太陽と遊び始めて1時間。

ひなたがご飯をテーブルに並べ始めた。




優弥「すげぇ、生姜焼きだ。」




生姜焼きに味噌汁、かぼちゃの煮物などの和食が並んでいた。




ひなた「太陽が好きなんですよー、かぼちゃ。」

太陽「かぼちゃごはんするっ。」

ひなた「はいはい。」




ほくほくと湯気の立つご飯に、ひなたはかぼちゃを乗せた。

潰して太陽に渡す。





ひなた「はい、太陽。お肉も食べてよ?」

太陽「あーとーでっ。」

ひなた「・・・。優弥さんこっちどうぞ?」

優弥「あ、うん。」



俺はひなたに言われたところに座った。

目の前に並ぶメニューは・・・20歳の子が作る出来栄えとは思えないほどだった。





優弥「すげぇ・・・。」

ひなた「ご飯は作るの好きなんですよ。もっと作りたいんですけど・・・太陽と二人じゃ消化できなくて(笑)」

優弥「子供はそんなに食べないからなー・・・。俺は食うよ?」

ひなた「『お礼』にはならないかもしれませんが・・・召し上がってくださいっ。」

優弥「いただきますっ。」





生姜焼きを一切れ口に放り込む。




優弥「・・・うまっ!!」




ご飯がいくらでも食べれる味付けの生姜焼き。

俺は白ご飯をかっこんだ。





ひなた「よかったですー。」




ぱくぱく食べてるとあっという間に空になった茶碗。

ひなたはその茶碗を取って白ご飯を追加してくれた。




ひなた「はい、どうぞ。」

優弥「・・・さんきゅ。」





空になっては足され、空になっては足され・・・

絶妙なタイミングでおかずも追加してくるひなた。

俺は結局白ご飯は5杯食べてしまった。




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