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明日の予定。

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ひなた「ただいまーっ!」





玄関のドアを開けて、ひなたが叫んだ。




太陽「!!・・・ねーたんっ!」




太陽は遊んでたおもちゃを放り出し、ひなたのもとへ走っていった。





ひなた「もう来てたの?太陽。」

太陽「うんっ!きょう、とまるんだよ!?ねーたんとねんね!」

ひなた「そうだよー?楽しみだねっ。」





ひなたは靴を脱いでリビングにきた。






ひなた「買い物、してきてくれました?」

優弥「バッチリ。で、何つくんの?」

ひなた「ハンバーグっ。」






ひなたのその言葉に、俺と太陽は目を合わせた。





太陽「やったぁっ!」

優弥「やったなっ!」

ひなた「?・・・二人とも好きなの?ハンバーグ。」





小躍りして喜んでる太陽を横目に、俺はひなたに説明した。




優弥「前にごはん食べただろ?あの時、太陽が『ハンバーグが1番おいしい』って教えてくれててさ。」

ひなた「・・・普通のハンバーグですけどね(笑)すぐに作りますー。」





トントンとリズムよく切る包丁の音を聞きながら太陽と遊ぶ。

ジュージューと肉が焼かれ、いい匂いが漂い出すと二人でそわそわし始めた。






太陽「ハンバーグ♪ハンバーグ♪」

優弥「ご機嫌だな。ママとは何食べてたんだ?」

太陽「うーん・・・こげたオムライス?」

優弥「オムライスって・・・焦げてたっけ?」




太陽と話をしてるうちに出来上がったハンバーグ。

ひなたはテーブルに並べ始めた。





ひなた「できたよーっ。」

太陽「わぁーいっ。」

優弥「すげぇ・・・。」






ハンバーグにポテトサラダ、野菜がゴロゴロ入ったコンソメスープ・・・

彩りがきれいな晩御飯がテーブルに並べられた。





ひなた「全部食べてね?」

太陽「いただきますっ。」

優弥「いただきますっ。」





太陽と二人でがっついて食べる。




優弥「うまっ・・・!」

太陽「おいしいっ!」

ひなた「ふふ。いっぱい食べてねー。」




ハンバーグは煮込みだったようで、ケチャップベースのソースが絡みついていた。

二口くらいで口に入ってしまう大きさだから、俺はついバクバクと口に入れてしまう。




ひなた「おかわりはここから取ってくださいねー。」

優弥「いるっ!」

太陽「たいようもっ!」

ひなた「ふふ。はいはい。」






大きめなお皿に乗ってるハンバーグ。

俺と太陽は競い合うようにして胃袋に入れていった。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーー







優弥「もー・・・限界・・・。」

太陽「たいようもー・・・。」





見事に全部食べ切った俺と太陽は。リビングの床でごろごろと転がっていた。




ひなた「太陽、すっごい食べたねぇ。ご飯、4合炊いたんだけど・・・空っぽ。」

優弥「俺、3合くらい食った。」

ひなた「だと思いますよ(笑)」





かちゃかちゃと食器を片付けるひなた。

太陽はしばらくごろごろしたあと、おもちゃを取り出して遊びだした。





優弥「子供ってすげーな。もう動けるのか。」

ひなた「太陽は運動が好きなんでー。公園に行くとエンドレス滑り台します(笑)」

優弥「へぇー。俺、明日は夜勤だし・・・太陽と公園行こっかな。」





俺の言葉に太陽はおもちゃを放り出してすっ飛んできた。





太陽「にーちゃんとこうえん!?」

優弥「いい子で遊べるって約束できるか?」

太陽「うんうんっ!」

優弥「なら帰る時間までな。・・・ひなた、お兄さんって何時に迎えに来るの?」

ひなた「夕方って言ってたと思うけど・・・。」

優弥「じゃあ夕方まで。まだ昼間は暑いから・・・ちょっと場所は考えるわ。」





俺はケータイを取り出して屋内の公園を探した。





ひなた「でも夜勤なんですよね?いいんですか?」

優弥「仮眠は取れるから大丈夫。これでも体力はあるし。」

ひなた「じゃあ・・・お願いします。私、仕事があるんで・・・。」

優弥「おっけ。」






太陽は寝っ転がってる俺の背中に乗って遊んだり、テレビをみたり・・・

外が真っ暗になってからは、俺と一緒に風呂に入った。





太陽「ねーたんもいっしょがよかったぁー・・・。」





風呂に浸かりながら太陽がぼやく。





優弥「いや、無理だろ?俺だけでいっぱいだし。」




狭い浴槽。

ひなたと太陽なら二人で入れるだろうけど、俺は俺だけでいっぱいだった。




太陽「むー。」

優弥「むくれるな。明日、でっかい滑り台連れてってやるから。」

太陽「!!・・・ほんと!?」

優弥「あぁ、さっきネットで見つけた。電車も乗るからな。」

太陽「でんしゃ!」






太陽は立ち上がり、湯船から出た。

いそいそと身体を拭き始める。





優弥「?・・・もう出るのか?」

太陽「でるっ。はやくねんねして、すべりだいいく!」

優弥「ははっ。そうだな。」





俺も風呂から上がって、太陽の体を拭いた。

自分の体も拭いて、リビングに戻る。





ひなた「あれ?もう出てきたの?」

優弥「さっさと寝るんだってさ、太陽。」

ひなた「え?」




太陽は自分の鞄から歯磨きのセットを取り出して洗面所に向かって行った。









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