イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。

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ひさしぶりに聞くピアノ。

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千秋「編曲?」

かざね「音源をもらって、ピアノ用に編曲するんだよ。簡単なものから難しいものまで。」

千秋「へぇーっ、すごいな・・・。」




ちーちゃんが驚いてるときに、店員さんが音源を持って帰ってきた。




店員「はい、これ。」

かざね「ありがとうございますっ。」




受け取った音源を鞄にしまう。




店員「あ、今日さ、新しいメーカーからピアノを仕入れたんだけど試しに弾いて行かない?」

かざね「・・・いいんですか!?」

店員「姫宮さんが弾くと宣伝にもなるからねー。」

かざね「・・・ちーちゃん、弾いていい?」




連れてきてもらってる手前、聞いてみる。




千秋「いいよ?俺もかざねのピアノ聞きたいし。」

かざね「ありがとうっ。」


私はひょこひょこと歩きながら店員さんにくっついていった。

その私の後ろをちーちゃんがついてくる。




店員「安価だから入れてみたんだけど・・・タッチとかの感想教えてね。」

かざね「もちろんですっ。」







店員さんについていき、現れたピアノは木目調のピアノだ。





店員「珍しいでしょ。」

かざね「はい。これで安価なんですか?高いイメージがある・・・。」

店員「本物の木じゃないよ?プリントしてるだけなんだけど・・・。」

かざね「へぇー・・・。」









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







千秋side・・・






かざねはピアノの椅子に座った。




千秋「黒・・・じゃないんだな。」

かざね「・・・昔は木目だったんだよ。」

千秋「そうなのか?」

かざね「うん。湿気対策とかで漆を塗ったのが始まりで・・・あとは他の家具に紛れないように・・・とか。」

千秋「へぇー・・。」

かざね「今は演奏者が際立つように黒が主流なの。」

千秋「あぁ、確かに。」




指を一本出して鍵盤を押すかざね。




♪ー・・・




かざね「うーん・・・軽いかな。」

千秋「?・・・わかんねーけど。」

店員「何曲か弾いて?」

かざね「はーい。」



かざねは両手を鍵盤の上に置いた。




♪♫♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬♫~♬♪♫♫~♪♫♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬♫~♬♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬♪♪~・・♪♫♪♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬♫♫~♬♪♪~・・♬♬♫~♬♪♪~・・♬♬♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬♬♬♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬~・・♬♬♪♪~・・♪♫♪~♬♪♪~・・♬♬♫~♬♪♪~・・♬♬♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬♬♬♪♫♫~♬♪♪~・・♬♬






千秋「は!?」

かざね「わー・・軽いからどこまでも指が動くー(笑)。」




楽しそうに弾くかざねをよそに、俺は開いた口が塞がらなかった。

そのとき、店員が俺に話しかけてきた。




店員「姫宮さんの彼氏さんですか?」

千秋「え?あ・・いや、幼馴染といいますか・・。」

店員「彼女のピアノを聴いたのは初めてですか?」

千秋「彼女が幼いころには何度か聞いてたんですけど・・・久しぶりに聞きました。・・・すごいですね。」




クラシックからポップスまでいろんな曲を弾いていくかざね。

時々鍵盤に視線を送るけど、ほぼ、上を向いて弾いてる。






店員「今はくすぶってますけど、彼女、有名になりますよ。」

千秋「・・・どうしてそう思うのですか?」

店員「彼女、ピアニストとして海外に渡る予定だったんですよ。」

千秋「・・・え!?」

店員「コンクールのあった年、彼女のご両親が交通事故にあわれたそうで・・・悲しみに明け暮れた彼女は・・・コンクールに来なかった。いわゆるドタキャンってやつですね。」

千秋「ドタキャン・・・。」

店員「3つあったコンクールの全てに来なかった彼女はコンクール協会から絶縁され、今後のコンクールに出場できなくなったんです。」

千秋「そう・・だったんですか・・。」

店員「『編曲者』としても徐々に知名度が上がって来てます。何かのきっかけで・・・彼女は有名になりますよ。」




随分とかざねに詳しい店員だ。

ちょっと不審に思った俺は店員に聞いた。



千秋「あの・・あなたは・・・?」

店員「ただの店員ですよ。昔、コンクールの審査委員長をしてただけで。」




その店員は自分の人差し指を自分の口元にあてた。

まるでナイショと言わんばかりに。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






演奏が終わって俺のところに戻ってきたかざね。

子どものような顔をして聞いてきた。



かざね「どう?上手になってた?」

千秋「あぁ、すっげぇ上手くなってた。」




俺はかざねの頭を撫でる。

かざねはにこにこしながら俺を見上げていた。



千秋(かわいすぎるだろ・・・。)




かざねは店員さんに挨拶をしにいった。

その後店を出て、車に乗った俺たち。

かざねをアパートまで送り届ける。












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