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ゲーム。
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千秋「ただいまー・・・。」
かざね「・・・・はっ。・・・おかえりっ。」
私はアプリに夢中になってしまい、あっという間にちーちゃんが帰ってくる時間になってしまっていた。
千秋「?・・・なにしてたんだ?」
かざね「・・・ゲーム?」
千秋「右手は使うなよ?」
かざね「わかってるよー。」
私はケータイを置いてキッチンに向かった。
梅さんが用意してくれてたご飯を温める。
かざね「この三角の首掛け包帯は明日は取れる?」
千秋「うん。外してから仕事行く。」
かざね「よかったー。」
温め終わったご飯をダイニングに運んでると、ちーちゃんが手伝いに来てくれた。
千秋「俺がやるから。座ってな。」
かざね「いいよ。私も動きたい。」
千秋「じゃあ先に食べ始めろ。ただでさえ左手で食べないといけないんだから大変だろ?」
かざね「・・・意外とそうでもないんだよ?」
千秋「?」
ちーちゃんはわからないようだったけど、ご飯を食べ始めた時、驚きながら私を見た。
千秋「・・・両手利きだっけ?」
お箸を左手に持ってご飯を食べる私が不思議だったらしい。
かざね「ピアノは両手使うからね。他も使えるんだよ?文字は難しいけど。」
千秋「へぇー・・・。」
ちょっとスムーズにはいかないけど、ぱくぱくとご飯を食べ進め、私は早々にごちそうさまをした。
ケータイを持ってリビングに行き、イヤホンを刺す。
千秋「なにしてんの?」
かざね「・・・ゲーム?」
千秋「ふーん?疲れるなよ?」
かざね「だいじょーぶだよー。」
真剣にケータイを向き合うこと1時間。
ちーちゃんが私とケータイの間に手を差し込んできた。
かざね「わっ・・・。なに?」
千秋「そろそろ寝るぞ?」
かざね「あ・・・もうそんな時間?」
千秋「なんのゲームしてんのか知らねーけど・・・まぁ、退屈しないならいいか。でも寝るぞ。」
私はケータイを充電器に置いて、寝室に向かった。
手に負担をかけないようにゆっくり横になる。
千秋「あ、ちょい待ち。」
かざね「?」
横になる寸前にちーちゃんが私を呼んだ。
ベッドに座ってると、ちーちゃんは私の前にきて、しゃがみ込んだ。
かざね「どうしたの?」
千秋「めっちゃ考えたんだけどさ・・・いいのが思いつかなかった。」
かざね「・・・うん?」
千秋「ほんとはもっと考えたほうがいいんだけど・・・喜ぶ顔が早く見たかったし・・・。」
かざね「・・・なんの話?」
わからないままちーちゃんを見てると、ちーちゃんは手のひらに小さい箱を持ってたみたいで・・・それを私に差し出してきた。
千秋「これ。」
かざね「?・・・私に?」
千秋「そう。いや・・・うーん・・・やっぱり・・・・あ・・・うーん・・・。」
かざね「?・・・どうしたの?なんか変だよ?」
いつもと様子が違うちーちゃん。
千秋「あー・・開けて・・・って、開けれないな。俺が開ける。」
かざね「うん。」
渡された箱をちーちゃんに返した。
ちーちゃんは箱を開けてくれた。
紙の箱の中には、もう一つ箱が入っていて、青い箱だった。
それをちーちゃんはぱかっと開けてくれ、私に見せてくれた。
かざね「・・・・指輪だ。」
前に・・・ちーちゃんと一緒に見た指輪。
それが箱の中に二個入っていた。
千秋「昨日・・・かざねのピアニスト人生を奪った。・・・だから今日から・・・俺の『奥さん』になってくれ。」
ちーちゃんは私の左手を取った。
薬指に指輪をはめていく。
かざね「すごい・・・。・・・あれ?石がついてる。」
デザインは前に見たものと同じだった。
違うのは、私から見て左側に小さい石が二つ、埋め込まれていることだ。
千秋「それ、何の宝石かわかるか?」
かざね「ううん?ちょっと青い・・・?」
ダイヤモンドみたいだけど、少し青いような気がする石。
千秋「『ブルーダイヤモンド』。」
かざね「『ブルーダイヤモンド』って・・・確かすっごく高いやつ・・・。」
千秋「値段はどうでもいいんだけど・・・それパワーストーンの意味もあるんだって。」
かざね「パワーストーン?」
ちーちゃんが言うには、人との絆を深めてくれたり、物事を多角的にみる力を与えてくれたりする石のようだった。
かざね「へぇー・・・。」
千秋「あとは『生まれ変わり』。」
かざね「『生まれ変わり』?」
千秋「『再度、道を歩むため』の活力を与えてくれる守護石でもあるんだよ。」
かざね「・・・・はっ。・・・おかえりっ。」
私はアプリに夢中になってしまい、あっという間にちーちゃんが帰ってくる時間になってしまっていた。
千秋「?・・・なにしてたんだ?」
かざね「・・・ゲーム?」
千秋「右手は使うなよ?」
かざね「わかってるよー。」
私はケータイを置いてキッチンに向かった。
梅さんが用意してくれてたご飯を温める。
かざね「この三角の首掛け包帯は明日は取れる?」
千秋「うん。外してから仕事行く。」
かざね「よかったー。」
温め終わったご飯をダイニングに運んでると、ちーちゃんが手伝いに来てくれた。
千秋「俺がやるから。座ってな。」
かざね「いいよ。私も動きたい。」
千秋「じゃあ先に食べ始めろ。ただでさえ左手で食べないといけないんだから大変だろ?」
かざね「・・・意外とそうでもないんだよ?」
千秋「?」
ちーちゃんはわからないようだったけど、ご飯を食べ始めた時、驚きながら私を見た。
千秋「・・・両手利きだっけ?」
お箸を左手に持ってご飯を食べる私が不思議だったらしい。
かざね「ピアノは両手使うからね。他も使えるんだよ?文字は難しいけど。」
千秋「へぇー・・・。」
ちょっとスムーズにはいかないけど、ぱくぱくとご飯を食べ進め、私は早々にごちそうさまをした。
ケータイを持ってリビングに行き、イヤホンを刺す。
千秋「なにしてんの?」
かざね「・・・ゲーム?」
千秋「ふーん?疲れるなよ?」
かざね「だいじょーぶだよー。」
真剣にケータイを向き合うこと1時間。
ちーちゃんが私とケータイの間に手を差し込んできた。
かざね「わっ・・・。なに?」
千秋「そろそろ寝るぞ?」
かざね「あ・・・もうそんな時間?」
千秋「なんのゲームしてんのか知らねーけど・・・まぁ、退屈しないならいいか。でも寝るぞ。」
私はケータイを充電器に置いて、寝室に向かった。
手に負担をかけないようにゆっくり横になる。
千秋「あ、ちょい待ち。」
かざね「?」
横になる寸前にちーちゃんが私を呼んだ。
ベッドに座ってると、ちーちゃんは私の前にきて、しゃがみ込んだ。
かざね「どうしたの?」
千秋「めっちゃ考えたんだけどさ・・・いいのが思いつかなかった。」
かざね「・・・うん?」
千秋「ほんとはもっと考えたほうがいいんだけど・・・喜ぶ顔が早く見たかったし・・・。」
かざね「・・・なんの話?」
わからないままちーちゃんを見てると、ちーちゃんは手のひらに小さい箱を持ってたみたいで・・・それを私に差し出してきた。
千秋「これ。」
かざね「?・・・私に?」
千秋「そう。いや・・・うーん・・・やっぱり・・・・あ・・・うーん・・・。」
かざね「?・・・どうしたの?なんか変だよ?」
いつもと様子が違うちーちゃん。
千秋「あー・・開けて・・・って、開けれないな。俺が開ける。」
かざね「うん。」
渡された箱をちーちゃんに返した。
ちーちゃんは箱を開けてくれた。
紙の箱の中には、もう一つ箱が入っていて、青い箱だった。
それをちーちゃんはぱかっと開けてくれ、私に見せてくれた。
かざね「・・・・指輪だ。」
前に・・・ちーちゃんと一緒に見た指輪。
それが箱の中に二個入っていた。
千秋「昨日・・・かざねのピアニスト人生を奪った。・・・だから今日から・・・俺の『奥さん』になってくれ。」
ちーちゃんは私の左手を取った。
薬指に指輪をはめていく。
かざね「すごい・・・。・・・あれ?石がついてる。」
デザインは前に見たものと同じだった。
違うのは、私から見て左側に小さい石が二つ、埋め込まれていることだ。
千秋「それ、何の宝石かわかるか?」
かざね「ううん?ちょっと青い・・・?」
ダイヤモンドみたいだけど、少し青いような気がする石。
千秋「『ブルーダイヤモンド』。」
かざね「『ブルーダイヤモンド』って・・・確かすっごく高いやつ・・・。」
千秋「値段はどうでもいいんだけど・・・それパワーストーンの意味もあるんだって。」
かざね「パワーストーン?」
ちーちゃんが言うには、人との絆を深めてくれたり、物事を多角的にみる力を与えてくれたりする石のようだった。
かざね「へぇー・・・。」
千秋「あとは『生まれ変わり』。」
かざね「『生まれ変わり』?」
千秋「『再度、道を歩むため』の活力を与えてくれる守護石でもあるんだよ。」
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