35 / 68
幸せな時はずっと続く・・・?
しおりを挟む私が足を怪我してから1カ月が経った。
毎日3食の食事を本宅で作るようにもなった。
最初こそは慣れなくてたくさん余ったり・・・足りなかったり・・・。
それも回数を踏めばだんだんわかるもので、だいぶ慣れてきた。
仕事も復帰して毎日忙しく過ごしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ある日・・・
慶「かえで、俺、今日は遅くなるんだけど・・・。」
朝ご飯を私とみんなと一緒に食堂で食べてるときに、ご飯を口に放り込みながら慶さんが言った。
かえで「そうなの?私はいつも通りだよ?」
コートが必要になった今の時期は、お店が結構忙しい。
ホットコーヒーやホットココアがよく売れ、ホットミルクにチョコレートバーを入れたやつなんかも、恋人たちに人気だ。
慶「行き帰りは春斗とな。一人では帰るなよ?」
かえで「はいっ。」
慶「いい子だ。じゃ、行ってくる。」
仕事に行く時間になった慶さんは立ち上がった。
私もくっついて玄関まで行き、お見送りをする。
まるで新婚さんみたいで幸せを感じる。
かえで「いってらっしゃいっ。」
笑顔で手を振ると、慶さんは自分のほっぺたを指差した。
慶「・・・かえで、『ちゅ』は?」
かえで「!!」
『行ってきます』のキスを求めてくる慶さん。
最近、いつものことになったけど、まだ慣れない。
毎回・・・キスが激しいし・・・みんなもいる。
慶「ほら・・・。」
かえで「・・・。」
私は背伸びをして、慶さんの唇に自分の唇を重ねた。
ちゅっ・・
慶「・・・こうだろ?」
かえで「んむっ!?」
慶さんは、器用に自分の唇を使って私の口を開けてしまう。
開いた瞬間に、慶さんの舌が私の中に入ってくる。
ちゅくちゅくと・・・口の中を食べられる。
かえで「ふぁっ・・んっ・・・」
慶「あー・・・今から襲いたくなるな・・・。」
かえで「!?」
慶「ははっ。夜は先に寝とけよ?遅くなるから。」
私の頭をぽんぽんと撫でる慶さん。
でも・・スイッチが入っちゃうのは慶さんだけじゃない。
かえで「ま・・待ってる・・・。」
そう言うと慶さんは驚いた顔をした。
慶「・・・できるだけ早く帰ってくるよ。行ってきます。」
かえで「!!・・・ふふ。行ってらっしゃい。」
玄関先で慶さんを見送り、私は自分の身支度を整えようと振り返った。
部下「熱いっすねー。」
部下「いやほんと・・・若がめっちゃ惚れてる・・・。」
かえで「~~~っ!?」
春斗「ははっ。お嬢、真っ赤だぞ?」
見ていた人たちにからかわれ、私はダッシュで離れに向かった。
かえで(いやーーーっ!!)
見られることは多々あるけど未だに慣れない・・・。
っていうか、慶さんがあんな激しくしなければいいと思った。
かえで「帰ってきたら抗議しないと・・・。」
支度をしながら考えてるうちにやってくる出勤時間。
用意を済ませ、玄関で靴を履いてると春斗さんが私を呼びに来てくれた。
春斗「お嬢ーっ。仕事行くぞーっ。」
かえで「はーい。」
ガラガラと玄関戸を開け、春斗さんと一緒に門に向かって歩き出す。
春斗「今日は何時まで?」
かえで「いつも通り17時までー。」
春斗「おっけ。早く行こうぜ、お嬢。」
すたすたと歩く春斗さん。
前々から気になってたことを聞いてみる。
かえで「一個聞いてもいい?」
春斗「なんだ?」
かえで「なんでみんな私のこと『お嬢』って呼ぶの?」
春斗さんの後ろをついて歩きながら聞いた。
春斗「『姐さん』って感じじゃねーからじゃね?お嬢はいっつも笑っててかわいいし。」
かえで「そんなことないのに。」
春斗「まー、みんなお嬢の笑顔好きだし?若もお嬢が大好きだしなー。」
かえで「!?」
春斗「ま、跡継ぎ期待してる。」
そう言って春斗さんはお家の門をくぐって外に出た。
私も後ろをついて出る。
春斗「ほら、乗りなー。」
かえで「お願いしまーす。」
車に乗り込み、春斗さんの運転で車は走り出した。
かえで「跡継ぎって・・・言ってたよね・・?」
さっき春斗さんが言ったことを思い出した。
春斗「うん?言ったぞ?」
かえで「じゃあ私と慶さん・・・結婚するのかな・・・。」
一緒にいると決めた日、『結婚してほしい』と言われたけどそれから何もない。
今はまぁ・・・いろいろ忙しいし、一緒に住んでるから実質結婚してるようなものだ。
春斗「まぁ、若も忙しいからなー。そのうち話するんじゃねーか?」
かえで「うん・・・。」
春斗「お嬢のドレス姿はきれいだろうなー・・・。」
かえで「着てみたいけど・・・どうなんだろうね。」
春斗「今度若に聞いてみな。ほら、着くぞー。」
お店の裏口に車を止めてくれた春斗さん。
私はお礼を言って車から下りた。
かえで「ありがとうございましたー。」
春斗「おぅ、帰りは終わるころに近くにいる。電話しろ。」
かえで「はーい。」
私は車を見送ってからお店に入った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー
いつも通りの仕事。
接客して、コーヒー淹れて・・・
ピーク時間が過ぎると店長やバイトの子達とおしゃべりして・・・。
あっという間に勤務時間は過ぎていき、私は仕事を上がる時間になった。
かえで「お先に失礼しまーす。」
店長「お疲れー。また明日もよろしくねー。」
かえで「はーい。」
着替えを済ませ、今朝春斗さんに送ってもらったところまで行き電話をかける。
ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・
春斗「終わった?」
電話に出るなり用件を聞く春斗さん。
普通は『もしもし?』じゃないのかと思いながらも話を続ける。
かえで「終わったよー。」
春斗「おっけ。5分でいく。」ピッ・・・
かえで「・・・。」
私は切られたケータイ画面を見つめた。
画面には『通話時間05秒』って表示されている。
かえで「5秒って・・・。ケータイ料金プランが秒単位だったらいいのに・・・」
そんなことを思いながら、ケータイを鞄にしまう。
すぐに春斗さんが来ると思って、私は目の前を通る車を見ていた。
お店の表側は人も車も通るけど、裏はそんなに通らない。
たまに通る車や人をちらちら見ながら待ってると、私の近くで立ち止まった人がいた。
かえで「?」
目線を上げてその人の顔を見ると・・・翔太だった。
かえで「・・・翔太?」
なんだか派手なスーツに身を包んでる翔太。
雰囲気が変わった感じがする。
翔太「悪いな、かえで。」
かえで「え・・・?」
そう言って翔太は私に向かって足を進めた。
一歩、二歩と近づいてくる。
かえで「?」
私の目の前で立ち止まった翔太。
距離も開いてなく何も喋らない翔太に、危機感を覚えた。
かえで「な・・に・・・?」
派手なスーツに気圧され・・・この前みたいに手を引かれたり、乱雑な言葉を大声で言われたらと思うと上手く言葉がでない。
翔太「お前が必要なんだ。」
かえで「え・・・・?」
その瞬間、私のお腹に衝撃が走った。
かえで「!?あぅ・・・・。」
咄嗟に両腕でお腹を抱える。
何が起こったのかわからなかったけど、痛み出すお腹に『殴られた』ことを理解した。
かえで「いぅっ・・・!」
秒ごとに鈍痛が私を襲う。
私は両膝をついて床に倒れこんだ。
翔太「来い。」
翔太は私を荷物のように抱え上げた。
あまりにも痛むお腹。
助けを求めようにも声が出せなかった。
そのとき・・・
春斗「お嬢!?」
春斗さんの声が聞こえた。
翔太「ちっ・・!」
翔太は私を抱えたまま走り出した。
春斗「行かせるかよ!!」
私を抱えた翔太と、手ぶらな春斗さんだったら絶対に春斗さんのほうが早い。
すぐに追いつかれた翔太は、私を春斗さんに投げつけた。
春斗「おっと・・!・・お嬢!?大丈夫か!?」
見事に私をキャッチしてくれた春斗さん。
翔太はそのまま走って逃げたみたいだった。
かえで「いだぃ・・・・。」
春斗「だろうな。すぐ連れて帰ってやる。医者に診てもらえ。」
春斗さんは私を抱え、車に戻った。
春斗「横になっとけ。吐き気は?」
かえで「な・・い・・・・。」
春斗「すぐに若に連絡するからな・・・。」
そう言って私を後部座席に乗せてくれ、ケータイを取り出した。
かえで「言わな・・で・・・。」
春斗「はぁ!?言わないわけにいかないだろう!」
かえで「お仕事・・・ある・・・。」
今日は遅くなるって、慶さんは言ってた。
仕事がたくさんあるから遅くなる。
邪魔は・・・しない。
春斗「もー・・・。医者は?」
かえで「いい・・・たぶん・・だいじょうぶ・・・。」
春斗「俺は知らねーからな?若を怒らせても知らねーからな!?」
かえで「言わ・・ない・・・。」
春斗さんは運転席に乗り込み、エンジンをかけた。
車は走り出し、家に向かう。
春斗「大丈夫か?意識あるか?」
春斗さんが心配する声が聞こえる。
かえで「だいじょ・・ぶ・・・。」
春斗「ほんとかよ・・・やっぱ若に知らせたほうが・・・。」
かえで「や・・だ・・・・。」
春斗「・・・ったく、頑固だな・・・。無理だと判断したら言うからな?医者も呼ぶ。」
かえで「ん・・・・。」
このまま意識を手放せたら楽なんだろうけど、痛みが強すぎて耐えるのに必死だった。
かえで(今日は慶さんが離れに来ませんように・・・。)
揺れる車の中で、私はそう祈った。
107
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ナイトプールで熱い夜
狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる