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第28話
「ローラ……体には気をつけてな」
「なんて言ったらいいのかしら……牢屋の中で何十年間頑張って過ごしてね」
両親共に祈るように切ない眼差しをローラへ向けて、無事でいてほしいという願いを込めて言った。ローラが刑期を終えても牢屋から出られる頃には、自分たちはもう生きてはいないだろう。
そう思うとローラが悪いのは分かっているが、それでも我が子を守りたい。だがどうしようもないと降参したのだった。
「お父様にお母様なんでそんなことをおっしゃるの?どうして寂しい顔をされてうなだれて泣いているの?」
熱のある期待を寄せるような声を放ち、その場に立ちすくむ。ローラは極端に不利な状況に追い込まれていることを、徐々に理解していく。
両親の痛ましい姿をじっと眺めていると、もう自分は助からないんだと諦めて、そのまま崩れるようにその場に倒れる。そしていつまでも震えていた。
「私たちも辛いのだ、だからローラ堪えてくれ」
「ひたすら耐えるのよ……」
目は真っ赤に泣き腫らしていた。それでも泣くまいと無念そうに唇を噛んでいたが、我慢ならなくなった。
クロエも気の毒になって涙が出てしょうがなかった。でもローラを許すことはできないので、黙ってじっとしているが胸が苦しくなる。
「最後に聞かせてくれ。ローラお前はなんでこんな真似をしたんだ?」
「それは私も気になりました。どうしてクロエ様に会いに来たの?」
視界が涙に覆われた両親がローラに問いかけた。肩をふるわせて切迫した口調が悲しく響く。
どうしてローラはクロエに会いに来たのか?それはクロエも気になっていた。そして何故このような理不尽で強引な手段をとったのか?両親はそれだけは聞いておきたいことであった。
「お兄様のことをクロエなら救ってくれると思って……」
伏せた頭の上の方から、両親の声が呼びかけてきた。抜け殻状態のローラが耳をピクリと反応させて、ポツリと呟いた。その声は弱々しくてほとんど聞き取れなかった。
クロエと離婚した兄のミカエルは、狂ったような叫び声を絶え間なく発して、精神病院に強制入院させられる。
連れて行かれた時のミカエルは、体を包帯でぐるぐる巻きにしていた。理由はストレスのために自傷行為を繰り返していたのだ。ミカエルの体は刃物で切りつけて傷だらけでした。
ローラはそのことをクロエに伝えて、恋しくてたまらない兄のミカエルのことを助けたかったのです。
「それならそう言えばいいでしょう!」
クロエは感情をむき出しにして、凄まじい一喝をローラにあびせる。その態度には、何か美しさと気高いものさえ感じられた。
「なんて言ったらいいのかしら……牢屋の中で何十年間頑張って過ごしてね」
両親共に祈るように切ない眼差しをローラへ向けて、無事でいてほしいという願いを込めて言った。ローラが刑期を終えても牢屋から出られる頃には、自分たちはもう生きてはいないだろう。
そう思うとローラが悪いのは分かっているが、それでも我が子を守りたい。だがどうしようもないと降参したのだった。
「お父様にお母様なんでそんなことをおっしゃるの?どうして寂しい顔をされてうなだれて泣いているの?」
熱のある期待を寄せるような声を放ち、その場に立ちすくむ。ローラは極端に不利な状況に追い込まれていることを、徐々に理解していく。
両親の痛ましい姿をじっと眺めていると、もう自分は助からないんだと諦めて、そのまま崩れるようにその場に倒れる。そしていつまでも震えていた。
「私たちも辛いのだ、だからローラ堪えてくれ」
「ひたすら耐えるのよ……」
目は真っ赤に泣き腫らしていた。それでも泣くまいと無念そうに唇を噛んでいたが、我慢ならなくなった。
クロエも気の毒になって涙が出てしょうがなかった。でもローラを許すことはできないので、黙ってじっとしているが胸が苦しくなる。
「最後に聞かせてくれ。ローラお前はなんでこんな真似をしたんだ?」
「それは私も気になりました。どうしてクロエ様に会いに来たの?」
視界が涙に覆われた両親がローラに問いかけた。肩をふるわせて切迫した口調が悲しく響く。
どうしてローラはクロエに会いに来たのか?それはクロエも気になっていた。そして何故このような理不尽で強引な手段をとったのか?両親はそれだけは聞いておきたいことであった。
「お兄様のことをクロエなら救ってくれると思って……」
伏せた頭の上の方から、両親の声が呼びかけてきた。抜け殻状態のローラが耳をピクリと反応させて、ポツリと呟いた。その声は弱々しくてほとんど聞き取れなかった。
クロエと離婚した兄のミカエルは、狂ったような叫び声を絶え間なく発して、精神病院に強制入院させられる。
連れて行かれた時のミカエルは、体を包帯でぐるぐる巻きにしていた。理由はストレスのために自傷行為を繰り返していたのだ。ミカエルの体は刃物で切りつけて傷だらけでした。
ローラはそのことをクロエに伝えて、恋しくてたまらない兄のミカエルのことを助けたかったのです。
「それならそう言えばいいでしょう!」
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