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第12話

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私達たちが力を合わせれば、きっと何とかなる!そう思いながら回復魔法をひたすらとなえ続けた。アランとステファニーはすっかり疲れ果てた感じになっていた。

フレッドの体の傷はまだ完全にはふさがっていないが、二人の治療ちりょうの結果なんとか生命の危機は脱した。


「ん……?」

――数時間後、しばらく何も食べてなくて猛烈もうれつな空腹感におそわれてフレッドが目を覚ました。すぐそばのベッドで横になっているアランとステファニーを見て、ありがたく感じて思わず涙が出そうになってしまった。

「……痛っ……」

フレッドの全身は傷だらけになっていたが、二人のおかげである程度治った。しかしまだ完全には回復していないので胸にするどい痛みを走った。自分の胸に手を当ててみると、まだ傷が治ってなくて血のにじんだ包帯ほうたいが巻かれていた。

「なんで……?そもそも防御ぼうぎょ魔法がかかっていて私は無敵だったはずなのでは?」

フレッドは疑問を抱き始めていた。ステファニーの回復魔法で体が完全にえていると思っていたのに、どうしてまだ自分の体に傷が残っているのか?

そのときフレッドの頭に突然に閃くものがあった。自分はステファニーに守りの魔法を付与ふよされていたのだ。それなのに何で深い傷を負っているのか?むしろ大怪我けがどころでは済まなかっただろう。魔物たちに囲まれて袋叩きにあってよく助かったと思う。

「フレッド」

アランはゆっくりと目を開けた。何となくとなりに顔を向けると親友が上体を起こしていたのだ。それを眺めて思わず声を上げた。

「……アラン……ありがとう……もう絶対に離さないからね」

呼ばれて視線を向けたら、アランがとても嬉しそうな顔で涙を流していた。二人は歓喜かんきが胸に込みあげてくる。フレッドも涙がほおをつたって流れ始めた。

そして生きていることの喜びを深く感謝した。すぐに近寄ってフレッドはアランを思いっきり抱きしめた。そして優しくつぶやきました。

「良かった……本当に無事で良かった。君がいなくなったらと思うと怖くてふるえて、俺はどうすればいいのか答えが見つからなかった……」

アランは幸せな気持ちで純粋じゅんすいな涙が止まらなくなり、嬉しくて鳥肌がたってしまった。二人はしみじみとお互いの大切さをみしめて、長らくそのまま黙ってれ合っていた。二人の心はぴったり通じ合っていました。

「――ちょっと!私、さっきから起きてるんだけど……?相変わらず二人は気持ち悪いほど仲が良いわね……」
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