妹に幼馴染の彼をとられて父に家を追放された「この家の真の当主は私です！」

24話 継母と妹の性格と精神

ジョージと護衛たちに救出されて数日後、アリシアは思い出して震えが止まらなかった。ローラの狂気に満ちた姿と、男たちの凶悪な表情が脳裏に焼き付いて離れない。

「アリシア大丈夫だ。私が必ず守る」
「ジョージ…怖かった……」

ジョージは、震えてるアリシアを抱きしめて慰める。アリシアの背中を優しく撫でて落ち着かせようとした。アリシアは、ジョージの胸に顔を埋め小さな囁ささやき声で呟いた。ジョージの温かい言葉に、アリシアは恐怖心や不安が和らいだような気がする。心の傷が癒えていくようだった。

ジョージのおかけで、アリシアは少しずつ落ち着きを取り戻していった。しかし、ローラと男たちの凶行は許しがたく、相応の報いを受けるべきだと強く思った。


ローラと男たちは逮捕され、取り調べを受けることになった。しかし、ローラはアリシアへの憎しみを募らせ、反省の色は全く見られなかった。

「私は悪くありません。今回の件は、姉に原因があります」
「お姉さんのせい？　一体何を言っているんだ？」
「だって、私は悪くないんです！」
「あれだけの事をしておいて反省してないのか？　君は自分の過ちを認めないのか！」
「悪いのは、あの女だ！」
「いい加減に目を覚ませ！」
「私は悪くない！　私がこんな目に遭ったのは、全部あの女のせいだ！」

ローラは、取り調べの間もアリシアへの恨み言を叫び続けた。彼女の眼差しは狂気の海に溺れ、もはや出口を見失っていた。完全に心の病気にかかった彼女は自分の犯した罪を認めず、全てを姉のアリシアのせいにするばかりだった。

継母もまた、娘のローラを擁護しアリシアを罵った。継母の瞳は、底なしの乱心に染まっており常軌を逸していた。

「ローラは悪くない！　可哀想な子なの！　アリシアが悪いの！　あの子は、ただ、自分の幸せを求めただけなのよ！」

継母は、ローラがアリシアを陥れようとした事実を認めず、娘を被害者であるかのように主張した。そのあまりの身勝手さに周囲は呆れ果てた。

「親子そろって頭は大丈夫か？　アリシア様を陥れようとした罪は、決して軽いものではないぞ！」

衛兵の一人が、誠意のかけらもない継母とローラに言い放った。しかし、二人は聞く耳を持たなかった。彼女たちは、自分たちの歪んだ考えを最後まで貫き通そうとした。

アリシアは、ローラと継母の態度を聞いて深い悲しみを覚えた。ローラは、最後まで自分の過ちを認めようとしない。彼女の心は、憎しみによってもう手の施しようがないほど悪化してしまっていた。アリシアは、ローラがかつてのような心を取り戻すことはもうないだろうと悟った。

「ジョージ…ローラは、もう……駄目かもしれない」

アリシアはジョージに呟いた。ジョージは、アリシアの肩を抱き寄せて慰めた。

「アリシア、もう彼女たちのことは忘れて…私たちの人生を大切にしよう」

ジョージの言葉にアリシアは静かに頷いた。ローラたちへの未練はなかった。ただ、かつて姉妹として共に暮らしたローラが、ここまで堕ちてしまったことを哀れに思った。アリシアは、ローラたちのことを忘れてジョージと自分の未来へと目を向けた。