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2. 平日のメール
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【今仕事終わったよ-。今日も眠気との戦いだったぁ。晃は、どう?】
千鶴は、仕事から帰る時、一人になるとスマホを取り出し晃へとメールを送る。
途中まで同じ方向で一緒に帰る同期もいるが、途中で別れる為、途中からはスマホを取り出しているのだ。
仕事の就業時間は九時から五時なので晃と一緒ではあるが、千鶴は本社まで乗り換えも含めると一時間掛かる。
対して晃は、本社までは自動車で通っている。早ければ十分、混んでいれば二十分で着く。
だから、晃からメールが来ているかなと期待してスマホを見るも、毎回新着メールは無かった。
(今日も私からメール送信、と。晃、仕事終わったら入れてくれるといいのになぁ。)
元々、大学時代付き合っている時も、晃からメールが来るのは何か理由があった時だけだった。千鶴は、暇さえあればメールを送っていたけれど、晃からの返信は半日経ってからというのもざらだった。だから、そういう人だとは頭では理解していても、やはり少し淋しかった。
ピロロン
【お疲れ。俺も研修は疲れる。】
ピロロン
【眠気…そうだな。俺も。】
ピロロン
【気をつけて帰れよ。】
(はーい。電車の中、もっとメールしたかったのになぁ…。)
また家に帰ったら晃にメールを送る事にして、スマホで音楽を聴く事にした。
ピロロン
(あれ?晃!?)
千鶴は、また晃からメールしてくれたのかと期待してスマホを取り出して見てみると、違う相手からだった。
【ねぇ、八戸くんが、千鶴ちゃん来ないの?って言ってるよー。】
(咲良ちゃんかぁ…。八戸くん、気にしてくれたんだ。でもいつも揶揄ってくるんだもんな-。)
八戸くんは、リーダー的存在でもあるが、初日から揶揄って来た為に千鶴は対応に困っていた。
もちろん、同期の仲間がそう声を掛けてくれたのは嬉しい。だがーーー
☆★
あれは、初日。
研修室に入る前の廊下で、受付する為に出勤した新入社員が一列に並んでいた時の事。
「ねぇ、君、何処の大学?」
後ろに並んでいた人に話しかけられた千鶴は、振り向いた。
「え?」
「あれ!?えと…君、テレビに出てる人に似てない?最近よくドラマに出てる…誰だったか…」
「…柿崎あき?」
「そうそう!良く言われるの?可愛いよね-!柿崎あき。」
そう話し掛けてきたのは、後に分かった事であるがそれが八戸新だった。
可愛いと言われたので、それは柿崎あきの事だとはわかってはいるが少し顔が赤らみ、目を逸らしてしまう。
そのように言われるのは初めてでは無かった。自分では似てるとは思わないが、顔の輪郭とぱっと見の雰囲気が似ていると大学時代にも、よく言われたのだ。
…だが、横顔は、イソギンチャクという二人組のお笑い芸人の、フユ子に似ているとも言われていた。
ちなみに、柿崎あきは今をときめく人気女優で、男性はみなあの笑顔に虜にされる、とキャッチフレーズがあった。その為『千鶴って、可愛いのか、それともお笑い芸人寄りなのか分からないよねー!』と良く言われていた。
フユ子もそれなりに可愛くはあるが、体を張った芸風の為、そう言われたのだと千鶴は思っている。
「あれ?そう見ると、フユ子に似てる?イソギンチャクの。やべ!君、面白いね-!」
と言われたのだ。それからは、『おはよう、フユ子!』や、『じゃあまた明日!柿崎あき!』と言われ、八戸と仲の良い同期も話した事無いのに一緒になってそう話し掛けてくれるようになった。
(まあ、いいんたけれどね。別にそう言われるのは慣れてるし。)
その事を思い出しながら、咲良ちゃんになんて返信を打とうかと考えていた。
千鶴は、仕事から帰る時、一人になるとスマホを取り出し晃へとメールを送る。
途中まで同じ方向で一緒に帰る同期もいるが、途中で別れる為、途中からはスマホを取り出しているのだ。
仕事の就業時間は九時から五時なので晃と一緒ではあるが、千鶴は本社まで乗り換えも含めると一時間掛かる。
対して晃は、本社までは自動車で通っている。早ければ十分、混んでいれば二十分で着く。
だから、晃からメールが来ているかなと期待してスマホを見るも、毎回新着メールは無かった。
(今日も私からメール送信、と。晃、仕事終わったら入れてくれるといいのになぁ。)
元々、大学時代付き合っている時も、晃からメールが来るのは何か理由があった時だけだった。千鶴は、暇さえあればメールを送っていたけれど、晃からの返信は半日経ってからというのもざらだった。だから、そういう人だとは頭では理解していても、やはり少し淋しかった。
ピロロン
【お疲れ。俺も研修は疲れる。】
ピロロン
【眠気…そうだな。俺も。】
ピロロン
【気をつけて帰れよ。】
(はーい。電車の中、もっとメールしたかったのになぁ…。)
また家に帰ったら晃にメールを送る事にして、スマホで音楽を聴く事にした。
ピロロン
(あれ?晃!?)
千鶴は、また晃からメールしてくれたのかと期待してスマホを取り出して見てみると、違う相手からだった。
【ねぇ、八戸くんが、千鶴ちゃん来ないの?って言ってるよー。】
(咲良ちゃんかぁ…。八戸くん、気にしてくれたんだ。でもいつも揶揄ってくるんだもんな-。)
八戸くんは、リーダー的存在でもあるが、初日から揶揄って来た為に千鶴は対応に困っていた。
もちろん、同期の仲間がそう声を掛けてくれたのは嬉しい。だがーーー
☆★
あれは、初日。
研修室に入る前の廊下で、受付する為に出勤した新入社員が一列に並んでいた時の事。
「ねぇ、君、何処の大学?」
後ろに並んでいた人に話しかけられた千鶴は、振り向いた。
「え?」
「あれ!?えと…君、テレビに出てる人に似てない?最近よくドラマに出てる…誰だったか…」
「…柿崎あき?」
「そうそう!良く言われるの?可愛いよね-!柿崎あき。」
そう話し掛けてきたのは、後に分かった事であるがそれが八戸新だった。
可愛いと言われたので、それは柿崎あきの事だとはわかってはいるが少し顔が赤らみ、目を逸らしてしまう。
そのように言われるのは初めてでは無かった。自分では似てるとは思わないが、顔の輪郭とぱっと見の雰囲気が似ていると大学時代にも、よく言われたのだ。
…だが、横顔は、イソギンチャクという二人組のお笑い芸人の、フユ子に似ているとも言われていた。
ちなみに、柿崎あきは今をときめく人気女優で、男性はみなあの笑顔に虜にされる、とキャッチフレーズがあった。その為『千鶴って、可愛いのか、それともお笑い芸人寄りなのか分からないよねー!』と良く言われていた。
フユ子もそれなりに可愛くはあるが、体を張った芸風の為、そう言われたのだと千鶴は思っている。
「あれ?そう見ると、フユ子に似てる?イソギンチャクの。やべ!君、面白いね-!」
と言われたのだ。それからは、『おはよう、フユ子!』や、『じゃあまた明日!柿崎あき!』と言われ、八戸と仲の良い同期も話した事無いのに一緒になってそう話し掛けてくれるようになった。
(まあ、いいんたけれどね。別にそう言われるのは慣れてるし。)
その事を思い出しながら、咲良ちゃんになんて返信を打とうかと考えていた。
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