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〈7. 馬車の中では思いのほか楽しい〉
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エステルとレーヴィは、布で出来た
屋根に囲われた乗り合い馬車に乗っている。
カポカポとゆっくりと進む歩みはなかなかどうして昨日の馬車の歩みよりもお尻に痛みを感じないとエステルは思った。
「ねぇレーヴィ。昨日はお尻がとても痛かったの。今日は、そんなに響いて来ないのね。」
「あぁ、それ?敷物を敷いたからね。」
エステルはレーヴィに指を指された座面を見ると、昨日もあった敷物の下に、さらに厚みを持たせて敷かれていた。
「そうなのね!振動が伝わらないのね?敷いてくれたの?」
「ええ。僕もお尻が痛いと辛いから。エステルさんもそう思っていたなら敷いた甲斐があったようで良かった!これで少しはましになったよね?」
(昨日に比べたら確かにましだわ。伯爵家にあった馬車には背面にもクッションがあったけれど、贅沢は言ってられないものね。これで、王都までの道のりも少しは快適になるわね!)
「ええ!ありがとう!」
☆★
馬車の中の小窓から景色が見えるので、エステルは見える物全てに視線を奪われていた。なにせ、屋敷からもほとんど出た事がない。出るとすれば、婚約者の家に交流をしに行くくらい。
屋敷の窓から見える景色とは全く違い、絵画のような大自然を目の当たりにして感嘆のため息を何度も漏らしていた。
レーヴィもその度に、説明をしてくれるのでエステルはとても楽しい旅路だと思った。
(昨日馬車に乗った時は、人が乗っていたけれど知らない人だったし、目を瞑っていた人も多かったから話もほとんど無かったわ。あの時も、周りがたくさんの畑や、木々があって素敵だと見ていたけれど、レーヴィはたくさんの事を知っているのね!見える物が変わる度に教えてくれるし、楽しいわ!なんだか、嫌な事も遠い記憶になりそうね!)
「へー、カブソンルンドから?では道中、畑があったよね?背の低い木がたくさんあったのは、ブドウ畑だよ。ブドウジュースや、ワインなんかも作られるんだ。」
「あれは、大麦畑!ほら、昨日お兄さんに飲まされそうになってたビールも、ここの大麦から出来ているんだよ。」
「あっちは小麦畑!パンが作れるよ。大麦からもパンを作れるけど、僕はパンなら、小麦から出来るやつの方が好きだなぁ。」
(本当に十五歳なのかしら?博識ね。それとも、私があまり知らないだけなのかしら。)
エステルは、七歳位から家庭教師がついていて読み書きから足し引き、掛け割りなどの算術、天候術などを学んでいたが、どれも基本の物ばかり。シストネン伯爵家を継ぐ嫡子ではないから、領地経営の事も学んでいないし、様々な専門的な知識も学んでいなかった。
だから、自分より年下の物腰も柔らかいレーヴィが自分よりもたくさんの知識を持ち、教えてくれる事に感心していた。
「レーヴィって、何でも知っていて凄いわ!」
「え?…そんな事ないよ。僕はまだまだ…手に負えない事なんて山ほどあるからさ。」
「それでも、私よりたくさんの知識を持っていて凄いわ!自信を持って!
…あぁ、私も王都についたら仕事を探さないといけないのよね。大丈夫かしら。」
「そういえば、王都へ行くのは仕事を見つけに行くの?」
「ええ、そうよ。ちょっと…カブソンルンドの家には居られなくなったのよ。だから、これからは自分で生活の基盤を築いていかないといけないの。仕事が多くあるのは王都でしょ?だから王都へ行けば生活出来るかなって。」
「なるほど…でも心配だなぁ。エステルさんは世間をまだまだ知らないから、騙されたりしないかって。王都は、仕事もたくさんあるけどその分人もたくさんいて、悪い人もいるんだもの。
でも、本当に行くんだよね?なら仕事案内所へ行くといいよ。僕が連れて行くよ。」
「フフフ。ありがとう!確かに私はこの歳になるまで領地どころか家からもあまり出た事がなかったけれど、考えが凝り固まった実家にいるよりはってワクワクしているのよ。」
エステルは、寂しそうに言うレーヴィに、笑いながらそう返した。
屋根に囲われた乗り合い馬車に乗っている。
カポカポとゆっくりと進む歩みはなかなかどうして昨日の馬車の歩みよりもお尻に痛みを感じないとエステルは思った。
「ねぇレーヴィ。昨日はお尻がとても痛かったの。今日は、そんなに響いて来ないのね。」
「あぁ、それ?敷物を敷いたからね。」
エステルはレーヴィに指を指された座面を見ると、昨日もあった敷物の下に、さらに厚みを持たせて敷かれていた。
「そうなのね!振動が伝わらないのね?敷いてくれたの?」
「ええ。僕もお尻が痛いと辛いから。エステルさんもそう思っていたなら敷いた甲斐があったようで良かった!これで少しはましになったよね?」
(昨日に比べたら確かにましだわ。伯爵家にあった馬車には背面にもクッションがあったけれど、贅沢は言ってられないものね。これで、王都までの道のりも少しは快適になるわね!)
「ええ!ありがとう!」
☆★
馬車の中の小窓から景色が見えるので、エステルは見える物全てに視線を奪われていた。なにせ、屋敷からもほとんど出た事がない。出るとすれば、婚約者の家に交流をしに行くくらい。
屋敷の窓から見える景色とは全く違い、絵画のような大自然を目の当たりにして感嘆のため息を何度も漏らしていた。
レーヴィもその度に、説明をしてくれるのでエステルはとても楽しい旅路だと思った。
(昨日馬車に乗った時は、人が乗っていたけれど知らない人だったし、目を瞑っていた人も多かったから話もほとんど無かったわ。あの時も、周りがたくさんの畑や、木々があって素敵だと見ていたけれど、レーヴィはたくさんの事を知っているのね!見える物が変わる度に教えてくれるし、楽しいわ!なんだか、嫌な事も遠い記憶になりそうね!)
「へー、カブソンルンドから?では道中、畑があったよね?背の低い木がたくさんあったのは、ブドウ畑だよ。ブドウジュースや、ワインなんかも作られるんだ。」
「あれは、大麦畑!ほら、昨日お兄さんに飲まされそうになってたビールも、ここの大麦から出来ているんだよ。」
「あっちは小麦畑!パンが作れるよ。大麦からもパンを作れるけど、僕はパンなら、小麦から出来るやつの方が好きだなぁ。」
(本当に十五歳なのかしら?博識ね。それとも、私があまり知らないだけなのかしら。)
エステルは、七歳位から家庭教師がついていて読み書きから足し引き、掛け割りなどの算術、天候術などを学んでいたが、どれも基本の物ばかり。シストネン伯爵家を継ぐ嫡子ではないから、領地経営の事も学んでいないし、様々な専門的な知識も学んでいなかった。
だから、自分より年下の物腰も柔らかいレーヴィが自分よりもたくさんの知識を持ち、教えてくれる事に感心していた。
「レーヴィって、何でも知っていて凄いわ!」
「え?…そんな事ないよ。僕はまだまだ…手に負えない事なんて山ほどあるからさ。」
「それでも、私よりたくさんの知識を持っていて凄いわ!自信を持って!
…あぁ、私も王都についたら仕事を探さないといけないのよね。大丈夫かしら。」
「そういえば、王都へ行くのは仕事を見つけに行くの?」
「ええ、そうよ。ちょっと…カブソンルンドの家には居られなくなったのよ。だから、これからは自分で生活の基盤を築いていかないといけないの。仕事が多くあるのは王都でしょ?だから王都へ行けば生活出来るかなって。」
「なるほど…でも心配だなぁ。エステルさんは世間をまだまだ知らないから、騙されたりしないかって。王都は、仕事もたくさんあるけどその分人もたくさんいて、悪い人もいるんだもの。
でも、本当に行くんだよね?なら仕事案内所へ行くといいよ。僕が連れて行くよ。」
「フフフ。ありがとう!確かに私はこの歳になるまで領地どころか家からもあまり出た事がなかったけれど、考えが凝り固まった実家にいるよりはってワクワクしているのよ。」
エステルは、寂しそうに言うレーヴィに、笑いながらそう返した。
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