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レクラス視点 2 孤児院と、騎士団で。
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あれから少しして昼食が出来たと呼びに来たから、一緒に食堂へ行った。
そこでは小さい子ども達がスープをこぼしたり、お代わりとそこかしこで言う子がいたり、驚くほど賑やかだった。
だがフィリアは子ども達の世話をしていて食べていなかった。溜まりかねて近くの子どもに聞いてみた。
「おい、フィリアはいつもああやって世話をしてるのか?食事はいつしているんだ?」
「えー分かんない。フィリア姉ちゃんは、いつもああだよ。」
「終わったらかなぁ?」
「でも終わっても、違う事してるんじゃない?」
「分かんない」
「分かんなーい」
…なんだそれは。だからあいつは軽かったのか!?
「ハハハ!もーそんなに気になっちゃう?でもさぁ、んーこれ以上はちょっとうまく言えないけど…。あんまし深入りしない方がいいんじゃないの-?」
まぁ、俺の立場を言ってるのかもしれないが…気になるんだから仕方ないだろ!
「じゃあ、一週間後にお前達3人を迎えに来るから。それまでに準備をしておけよ。」
食事も終わって、3人に声をかけた。
「はい」
「分かりました」
「はい」
「あ、帰るのですか?待って下さい!」
?あ、フィリアだ。
「はい!さっき、リンゴをもらったの。あとでおやつに出そうかと思ったんだけど、どーぞ!」
「あ、ありがとう。」
「どうも…。」
「3人をよろしくお願いしますね!お気をつけてー!」
そう言って、手を振ってくれた。
「おい、顔がニヤけてるぞ。」
と、ニックが肘で、腰を突いてきた。
ニヤけてても何でもいい。早くこのリンゴを食べたいと思った。
☆★☆★☆★
騎士団へ戻ると、団長へ報告に行った。
「なんだ。遅かったな、第三部隊隊長。どうだった?使えそうだったか?」
この国には、騎士団があり普段は第一部隊が王族警備を、第二部隊が王宮内を、第三部隊が王都周辺を警備する。
そして、俺は王都周辺を警備する第三部隊の隊長にこの度就任したのだ。
それで、王都周辺に住んでいる子ども達を勧誘したというわけだ。まぁ、毎年教会からは良い年齢の子どもがいたら教えてもらえる手筈になっているので、今回も教えてもらい、その確認に行ったのだ。
「はい。すみません。遅くなりました。」
「まあいいよ。3人だったか?」
「はい。それでですね、あの教会も、警備対象にしてもらいたいのですが。」
「ん?何故だ?」
「これ以上緊張状態が悪化すると、教会の奥の平原で戦争になる可能性がありますよね?だからです。」
「戦争になったら、避難させればよい。わざわざあそこを警備対象にすると、人員が割かれる。ムダであろう?」
はぁ!?そんな事言って!
「そんな事はありませんよ!あそこで食い止めれれば、王都にまで入ってこないのですから。」
「まぁ、考えてみるよ。じゃあ、見習いは一週間後に迎えに行くんだな?」
「はい…。」
くそ!考えてみるって、善処してくれるのか?
「よろしくな。その話は以上だ。…まぁそもそも戦にならないといいんだがな。」
と言って騎士団長は渋い顔をしている。
「またあの人が怪しい動きしてるんですか?」
「はっきりはせん。だが、バルグェン国の商人を部屋に呼んだらしい。宝石商だと言うが、バルグェン国は宝石が取れないはずだ。」
バルグェン国…南北に細長い、ここラッセルブラウン国の東隣の国だったな。好戦的で厄介だ。近年特にちょっかいをかけてきているよな。ん?しかし…。
「宝石で有名なのは、旧アルフェンス国でしたか?」
「そうだ。バルグェン国が宝石が欲しくて、西隣の旧アルフェンス国を滅ぼした。だが、人々も滅ぼしすぎたのか、逃げたのか。坑夫がいなくて結局そのままという話だったな。だから、バルグェン国が宝石を調達出来ているかは怪しいんだ。」
「…何か、違う物を持ってきたかあるいは…」
「ああ。企んでいるかだな。秘密の話がしたかったか。」
それが何か分かるといいんだが。
「父上と義兄上はどうしているんですか?」
「さぁな。表面上は、関係ないだろ。何も知らないを貫き通すか、どうなのか…。この国はどうなるのだろうな。」
「…。」
「お前のせいじゃない。今日はもう良いぞ。ゆっくり休め。」
「すみません…。では失礼します。」
そこでは小さい子ども達がスープをこぼしたり、お代わりとそこかしこで言う子がいたり、驚くほど賑やかだった。
だがフィリアは子ども達の世話をしていて食べていなかった。溜まりかねて近くの子どもに聞いてみた。
「おい、フィリアはいつもああやって世話をしてるのか?食事はいつしているんだ?」
「えー分かんない。フィリア姉ちゃんは、いつもああだよ。」
「終わったらかなぁ?」
「でも終わっても、違う事してるんじゃない?」
「分かんない」
「分かんなーい」
…なんだそれは。だからあいつは軽かったのか!?
「ハハハ!もーそんなに気になっちゃう?でもさぁ、んーこれ以上はちょっとうまく言えないけど…。あんまし深入りしない方がいいんじゃないの-?」
まぁ、俺の立場を言ってるのかもしれないが…気になるんだから仕方ないだろ!
「じゃあ、一週間後にお前達3人を迎えに来るから。それまでに準備をしておけよ。」
食事も終わって、3人に声をかけた。
「はい」
「分かりました」
「はい」
「あ、帰るのですか?待って下さい!」
?あ、フィリアだ。
「はい!さっき、リンゴをもらったの。あとでおやつに出そうかと思ったんだけど、どーぞ!」
「あ、ありがとう。」
「どうも…。」
「3人をよろしくお願いしますね!お気をつけてー!」
そう言って、手を振ってくれた。
「おい、顔がニヤけてるぞ。」
と、ニックが肘で、腰を突いてきた。
ニヤけてても何でもいい。早くこのリンゴを食べたいと思った。
☆★☆★☆★
騎士団へ戻ると、団長へ報告に行った。
「なんだ。遅かったな、第三部隊隊長。どうだった?使えそうだったか?」
この国には、騎士団があり普段は第一部隊が王族警備を、第二部隊が王宮内を、第三部隊が王都周辺を警備する。
そして、俺は王都周辺を警備する第三部隊の隊長にこの度就任したのだ。
それで、王都周辺に住んでいる子ども達を勧誘したというわけだ。まぁ、毎年教会からは良い年齢の子どもがいたら教えてもらえる手筈になっているので、今回も教えてもらい、その確認に行ったのだ。
「はい。すみません。遅くなりました。」
「まあいいよ。3人だったか?」
「はい。それでですね、あの教会も、警備対象にしてもらいたいのですが。」
「ん?何故だ?」
「これ以上緊張状態が悪化すると、教会の奥の平原で戦争になる可能性がありますよね?だからです。」
「戦争になったら、避難させればよい。わざわざあそこを警備対象にすると、人員が割かれる。ムダであろう?」
はぁ!?そんな事言って!
「そんな事はありませんよ!あそこで食い止めれれば、王都にまで入ってこないのですから。」
「まぁ、考えてみるよ。じゃあ、見習いは一週間後に迎えに行くんだな?」
「はい…。」
くそ!考えてみるって、善処してくれるのか?
「よろしくな。その話は以上だ。…まぁそもそも戦にならないといいんだがな。」
と言って騎士団長は渋い顔をしている。
「またあの人が怪しい動きしてるんですか?」
「はっきりはせん。だが、バルグェン国の商人を部屋に呼んだらしい。宝石商だと言うが、バルグェン国は宝石が取れないはずだ。」
バルグェン国…南北に細長い、ここラッセルブラウン国の東隣の国だったな。好戦的で厄介だ。近年特にちょっかいをかけてきているよな。ん?しかし…。
「宝石で有名なのは、旧アルフェンス国でしたか?」
「そうだ。バルグェン国が宝石が欲しくて、西隣の旧アルフェンス国を滅ぼした。だが、人々も滅ぼしすぎたのか、逃げたのか。坑夫がいなくて結局そのままという話だったな。だから、バルグェン国が宝石を調達出来ているかは怪しいんだ。」
「…何か、違う物を持ってきたかあるいは…」
「ああ。企んでいるかだな。秘密の話がしたかったか。」
それが何か分かるといいんだが。
「父上と義兄上はどうしているんですか?」
「さぁな。表面上は、関係ないだろ。何も知らないを貫き通すか、どうなのか…。この国はどうなるのだろうな。」
「…。」
「お前のせいじゃない。今日はもう良いぞ。ゆっくり休め。」
「すみません…。では失礼します。」
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