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第3章 ゆうしゃのしるしを巡る冒険
第14話 秘密の地図とゆうしゃのしるし[2]
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なつみは、その地図をまじまじと見つめた。
そして、口を開く。
「これ……お姉ちゃんが、描いたのかな」
「……たぶん、そうだと思う。なっちゃんのノートに、挟まってたんだよね」
「うん。最初は気づかなかったけど……きっと、お姉ちゃんが最後に入れたんだ」
なつみの瞳が、夕陽を映して、かすかに光っていた。
地図の隅には、小さな星の印がついていた。
場所は……学校の裏手にある、誰も使わなくなった花壇のそば。
その星の横には、小さな字で、こう書かれていた。
【しるし ここから、はじまる】
ふたりは、同時に顔を上げて、目を合わせた。
なつみが、静かに言った。
「――これ、“ひみつの地図”だよ」
そらたは驚いた顔をして、すぐにやわらかく笑った。
「うん。……きっと、なっちゃんの“しるし”を探す、最初の手がかりだね」
なつみは、うなずいた。
「お姉ちゃん……わたしが“また、ゆうしゃになろうとしたら”って言ってた。だったら、これも……その続きだよね」
そらたは、なつみの言葉にうなずいた。
「まほうつかいとしては、これは見逃せないね。冒険の始まりって、そういうものでしょ?」
なつみはふっと笑って、そらたの肩を軽くたたいた。
「頼りにしてるよ、“まほうつかい”さん」
「おまかせあれ、“ゆうしゃ”さん」
ふたりは、再び歩きはじめた。
夜の気配が少しずつ街に忍び寄り、空が夕焼けとなり暮れる準備をしている。
でも、ふたりの胸の中には、小さな光が灯っていた。
ほのかが残してくれた“ひみつの地図”。
それは、過去の思い出と未来の冒険をつなぐ、かけがえのない道しるべだった。
雲が薄くなって、まるで夕暮れがこの町に忍び足でやってきたかのような時刻。
「もう、こんな時間か……」
なつみは腕時計を見ながらつぶやいた。
時計の針は午後六時を少し回っていた。
館内の静けさに包まれていたせいか、時間の流れに気づかないまま、あっという間に夕方になってしまったようだった。
「なんだか、冒険してたんだなって感じするね」
そらたの声が背中から届く。
小さく笑うその顔には、どこか満ち足りたような、でも名残惜しいような気配が漂っていた。
「うん、私も。なんか、あっという間だった」
なつみもそらたの言葉にうなずきながら、手にしたノートの感触を確かめた。
ほのかの手書きの文字が残るあのページ、そしてその間に挟まっていた小さな地図。
まだ全貌はわからないけれど、たしかにそこには「続き」があった。
あの日、止まったままだった思い出が、また動き出したような気がしていた。
そして、口を開く。
「これ……お姉ちゃんが、描いたのかな」
「……たぶん、そうだと思う。なっちゃんのノートに、挟まってたんだよね」
「うん。最初は気づかなかったけど……きっと、お姉ちゃんが最後に入れたんだ」
なつみの瞳が、夕陽を映して、かすかに光っていた。
地図の隅には、小さな星の印がついていた。
場所は……学校の裏手にある、誰も使わなくなった花壇のそば。
その星の横には、小さな字で、こう書かれていた。
【しるし ここから、はじまる】
ふたりは、同時に顔を上げて、目を合わせた。
なつみが、静かに言った。
「――これ、“ひみつの地図”だよ」
そらたは驚いた顔をして、すぐにやわらかく笑った。
「うん。……きっと、なっちゃんの“しるし”を探す、最初の手がかりだね」
なつみは、うなずいた。
「お姉ちゃん……わたしが“また、ゆうしゃになろうとしたら”って言ってた。だったら、これも……その続きだよね」
そらたは、なつみの言葉にうなずいた。
「まほうつかいとしては、これは見逃せないね。冒険の始まりって、そういうものでしょ?」
なつみはふっと笑って、そらたの肩を軽くたたいた。
「頼りにしてるよ、“まほうつかい”さん」
「おまかせあれ、“ゆうしゃ”さん」
ふたりは、再び歩きはじめた。
夜の気配が少しずつ街に忍び寄り、空が夕焼けとなり暮れる準備をしている。
でも、ふたりの胸の中には、小さな光が灯っていた。
ほのかが残してくれた“ひみつの地図”。
それは、過去の思い出と未来の冒険をつなぐ、かけがえのない道しるべだった。
雲が薄くなって、まるで夕暮れがこの町に忍び足でやってきたかのような時刻。
「もう、こんな時間か……」
なつみは腕時計を見ながらつぶやいた。
時計の針は午後六時を少し回っていた。
館内の静けさに包まれていたせいか、時間の流れに気づかないまま、あっという間に夕方になってしまったようだった。
「なんだか、冒険してたんだなって感じするね」
そらたの声が背中から届く。
小さく笑うその顔には、どこか満ち足りたような、でも名残惜しいような気配が漂っていた。
「うん、私も。なんか、あっという間だった」
なつみもそらたの言葉にうなずきながら、手にしたノートの感触を確かめた。
ほのかの手書きの文字が残るあのページ、そしてその間に挟まっていた小さな地図。
まだ全貌はわからないけれど、たしかにそこには「続き」があった。
あの日、止まったままだった思い出が、また動き出したような気がしていた。
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