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完結編:『ゆうしゃの誓い、まほうつかいの旅立ち -さよならの向こうにあるもの-』
第11話 ゆうしゃとまほうつかい最後の冒険[1]
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翌日の朝、なつみは小さな決心を胸に、まだ家族が起き出す前の静かな時間にそっと玄関を抜け出した。
ポケットには、色あせて角がまるくなった「勇気の地図」と、
ほのかが残した“最後のしるし”のヒントの紙片。
手のひらで何度も折り返された紙の感触が、
新しい冒険の始まりをそっと知らせてくれているようだった。
(“ひかりと かげが まざるとき”――
図書館の窓際? それとも、あの奥の本棚?)
春休みの図書館はとても静かだった。
扉をくぐると、空気の中に紙とインクの優しい匂いが混ざっている。
窓からはやわらかな日差しが差し込み、
床に淡い影を落としている。
館内にはまだ数人の子どもしかいない。
なつみは少しだけ背中を伸ばし、勇者の気分で一歩一歩を進めた。
(そういえば、あの夏、そらたと見つけた“しるし”は午後の光が一番強い時間、
本棚の影が長く伸びる瞬間だったな……)
頭の中に、当時の景色やそらたの笑い声、
冒険で駆けまわった足音までがよみがえる。
そのたびに胸がほんのりと熱くなり、
(もう一度、そらたと冒険できたら……)
という願いが強くなった。
「ページの奥」とは――。
本の隙間? 本棚の裏?
もしかしたら、“あのときの場所”に、ヒントがあるかもしれない。
なつみは図書館の児童書コーナー、
いちばん奥の本棚へと足を向けた。
奥の棚は、光が斜めに差し込んで、
小さな埃がきらきらと舞っている。
本棚の横にしゃがみ込んで、本と本の間、背表紙の裏、
棚の奥まで小さな手を伸ばしてみる。
「ここかな……」
ささやきながら、ゆっくりと本を引き出して、
紙片や古い栞が隠れていないかを探す。
けれど、指先に触れるのは本の角と、ほんの少しの埃だけ。
「……ない、かな」
小さな声が漏れた。
だけど、なつみの心にはなぜか少しだけ満たされた気持ちがあった。
何も見つからない。
けれど、この「探している時間」自体が、どこか懐かしく、愛おしく感じた。
(やっぱり、ひとりじゃなくて、そらたと一緒に……探したい)
その思いが、じわじわと胸の奥に広がっていく。
ふと、本棚から立ち上がって、
もう一度児童書コーナーをゆっくり歩く。
「ふたりで」とヒントにあった言葉が、どうしても頭から離れない。
思えば、どんな冒険もいつだってそらたと一緒だった。
勇気が出たのも、迷ったときに前に進めたのも、
そらたの存在があったから。
図書館の出口へ向かう途中、なつみは思わず足を止めた。
大きなガラス扉の向こうには、桜色の光が差し込んでいる。
(やっぱり……そらたと一緒に、見つけたい)
新しい冒険は、また“ふたり”から始まるのかもしれない。
そんな思いが、自然に湧き上がってきた。
「明日、そらたを誘おう。
お姉ちゃんの“最後のしるし”を、一緒に見つけるために――」
なつみは桜の光がきらめくエントランスに立ち、
小さく深呼吸した。
新しい冒険の扉が、静かに、だけど確かに開き始めていることを、
なつみは感じていた。
心の奥が、ほのかに暖かくなっていく。
そして小さくつぶやいた。
「きっと、今度こそ――“ふたりで”見つけようね」
その決意は、春の光とともに、
なつみの胸の奥に、しっかりと刻まれていった。
ポケットには、色あせて角がまるくなった「勇気の地図」と、
ほのかが残した“最後のしるし”のヒントの紙片。
手のひらで何度も折り返された紙の感触が、
新しい冒険の始まりをそっと知らせてくれているようだった。
(“ひかりと かげが まざるとき”――
図書館の窓際? それとも、あの奥の本棚?)
春休みの図書館はとても静かだった。
扉をくぐると、空気の中に紙とインクの優しい匂いが混ざっている。
窓からはやわらかな日差しが差し込み、
床に淡い影を落としている。
館内にはまだ数人の子どもしかいない。
なつみは少しだけ背中を伸ばし、勇者の気分で一歩一歩を進めた。
(そういえば、あの夏、そらたと見つけた“しるし”は午後の光が一番強い時間、
本棚の影が長く伸びる瞬間だったな……)
頭の中に、当時の景色やそらたの笑い声、
冒険で駆けまわった足音までがよみがえる。
そのたびに胸がほんのりと熱くなり、
(もう一度、そらたと冒険できたら……)
という願いが強くなった。
「ページの奥」とは――。
本の隙間? 本棚の裏?
もしかしたら、“あのときの場所”に、ヒントがあるかもしれない。
なつみは図書館の児童書コーナー、
いちばん奥の本棚へと足を向けた。
奥の棚は、光が斜めに差し込んで、
小さな埃がきらきらと舞っている。
本棚の横にしゃがみ込んで、本と本の間、背表紙の裏、
棚の奥まで小さな手を伸ばしてみる。
「ここかな……」
ささやきながら、ゆっくりと本を引き出して、
紙片や古い栞が隠れていないかを探す。
けれど、指先に触れるのは本の角と、ほんの少しの埃だけ。
「……ない、かな」
小さな声が漏れた。
だけど、なつみの心にはなぜか少しだけ満たされた気持ちがあった。
何も見つからない。
けれど、この「探している時間」自体が、どこか懐かしく、愛おしく感じた。
(やっぱり、ひとりじゃなくて、そらたと一緒に……探したい)
その思いが、じわじわと胸の奥に広がっていく。
ふと、本棚から立ち上がって、
もう一度児童書コーナーをゆっくり歩く。
「ふたりで」とヒントにあった言葉が、どうしても頭から離れない。
思えば、どんな冒険もいつだってそらたと一緒だった。
勇気が出たのも、迷ったときに前に進めたのも、
そらたの存在があったから。
図書館の出口へ向かう途中、なつみは思わず足を止めた。
大きなガラス扉の向こうには、桜色の光が差し込んでいる。
(やっぱり……そらたと一緒に、見つけたい)
新しい冒険は、また“ふたり”から始まるのかもしれない。
そんな思いが、自然に湧き上がってきた。
「明日、そらたを誘おう。
お姉ちゃんの“最後のしるし”を、一緒に見つけるために――」
なつみは桜の光がきらめくエントランスに立ち、
小さく深呼吸した。
新しい冒険の扉が、静かに、だけど確かに開き始めていることを、
なつみは感じていた。
心の奥が、ほのかに暖かくなっていく。
そして小さくつぶやいた。
「きっと、今度こそ――“ふたりで”見つけようね」
その決意は、春の光とともに、
なつみの胸の奥に、しっかりと刻まれていった。
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