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第四章 過度に許しはしないけど、過度に仕返しもしません。
⑨ 最終話
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「全くもって、俺の恵麻をいじめた経験のある貴様になど、微塵も興味がないのだが。俺の最愛の妻は空よりも高く、海よりも深い優しさの持ち主なのでな。5分以内に経緯を放せ」
龍迫は部屋にやってきた琴美、紅蓮を冷たく見る。
「有栖川公爵に家をお取り潰しになり。琴音は蒸発、私はハーネング・ルイス家に行って慎ましく生活をしていたんだけど。居心地が悪くて、勉強は図書館でするようになって紅蓮と知り合ったの」
琴美は説明を始める。
「初めは恵麻を虐めた能津家の一族だから、意地悪をするつもりで接近したんだけど。世間知らずなだけで、性格は悪くないし、バイトの世話を焼いて、たまに勉強を見るようになったんだ」
紅蓮は付け加えると、龍迫は鼻で笑う。
「面白みのない話だ」
龍迫はそう心底興味がなさそうにいうと、膝の上に乗せた恵麻を抱き締める。
「琴美は反省してる。そして、幸せになる努力と選択を惜しまない」
紅蓮はそういうと、ルーテも加勢してきた。
「権力のある有栖川公爵の最愛の妻を虐めた子に奨学金を受給させて、有栖川公爵から睨まれたくない。だから、僕はまず初めに有栖川公爵夫妻と仲良くなって琴美がいい子だとアピールして許しても会おうと思っていたのに。夫人は琴美に起こっても、恨んでもいない。だからこのまま無言で受給しようか、それとも断ろうか。それとも・・・。琴美は嫌がっているけれど」
ルーテはそこで言葉を切ると、紅蓮は恵麻を見る。
「僕が払おうかを考えていたんだ」
紅蓮の彼女は琴美だったんだ。
恵麻は心の中で拍手をすると、にっこり微笑んだ。
「お好きにどうぞ」
笑顔で言うと、恵麻は龍迫の耳元で囁いた。
***
「叔父夫妻は恵莉の"いた"受刑島の領主に推薦をしておいた」
龍迫は休日のお茶タイムを屋根裏部屋で、ソファーに座り風にあたりながら恵麻としている時に口を開いたのは、2人で豪華絢爛な屋根裏部屋で御茶をしていた時。
そんな所にあの2人が行くかしら?
恵麻は龍迫の言葉にそう思いながら、頬に手を当て。恵莉の"いた"と言う過去形の言葉を考える。
「受刑島は正式名所をドリームアイランド。この正式名称を知っている人は少ない。飯田に夢の島に移住を薦めさせたら喜んで行ったんだ」
「へぇ。単純」
「俺の恵麻は本当に優しい。心配になるくらい、本当にお人よしだ。そこが恵麻の良い所で、俺が惹かれている一つでもあるから、直す必要はなく。俺がずっと見守れば何の問題もないのだが。本当に優しい。時々、天女で天界に帰ってしまわないかと心配になる。もし、連れ帰ろうとしても神さえも追い返す自信はあるのだがな」
ルーテ、紅蓮、琴美と3人で話していた時。
"琴美と両親を関わらなくていいくらいと遠くに離して"と龍迫にお願いをしていた。
「恵莉は看守を手玉にとって、逃亡。ここから5つ離れた国で結婚詐欺をして懲役10年らしい」
そんな龍迫の報告に恵麻は苦笑する。
幸せを掴みに脱出したかと思えば。
やれやれと恵麻は苦笑する。
そういえば・・・。
「父は?」
「聞くか?」
確認をする龍迫に首を振る。
「聞かないわ」
「賢明だ」
龍迫は少し安心したように言うと、恵麻は目をそらした。
「旦那様の考えられる一番残酷な方法をお願いするわ。私、過度に許す気はないの」
そこで言葉を切ると、そっと息を吐く。
「恵麻の考える一番残酷な方法は?」
「真っ暗闇に拘束して、栄養剤を点滴にして。適度に拷問しつつ、生かすかしら?」
「ぬるい。やはり、俺の愛しの恵麻は優しいな。愛しているよ」
龍迫のその答えに恵麻は目を閉じた。
やはり、聞かなくて正解だ。
私は過度に許すこともしなければ、過度に仕返しをするつもりはない。彼が私の母に乱暴をしなければ、私は生まれなかった。
だから、その点においては何も言えないが。
継母が意地悪にならなかったような気もするし。継母も周囲を巻き込まなったと思う。
「自分の子供には真っ当に育ってほしいわ」
「育つよ」
頷く龍迫を恵麻は真っ直ぐ見る。
「子供が成人するまでは旦那様の1番は子供にしてあげて。成人を迎えたら、私をまた1番に戻して」
「子と妻は別の可愛さだ。どっちも1番。恵麻は俺にとって、永久不滅の1番だ」
「そうね。1番が1人だけなんて誰も決めていないものね。旦那様の1番じゃなくなるのは本当は寂しかったの」
恵麻はそう言うと、箱を取り出した。
「サプライズ?びっくり玉手箱とかかい?」
前にサプライズをしたら、小躍りするくらい喜ぶと言っていたので計画をしてみたのだ。
「玉手箱よりびっくりするわ」
「そうなのか?なんだろ?俺の愛しの恵麻から貰えるものなら、なんだって。いつだって嬉し・・・え!」
箱を開けると龍迫は目を見開き立ち上がった。
その中には、同じブランドであるが色違いの運動靴が入っていた。
龍迫の大きさである28㎝、恵麻の大きさである23㎝。そして・・・小さな小さな子供用の靴。
「3年くらいしたら。これを履いて、3人でお出かけしましょう」
恵麻はお腹に手をお当てる。
「恵麻から恵麻が生まれるんだね。マトリョーシカのように」
「あら?私は旦那様に性格も見かけも瓜二つな。分身なような子を願っているのだけれど?考えてみて?私の中から旦那様が出てくるのよ?」
「恵麻の中から俺か。それは、それで面白いけど恵麻から恵麻がいい」
そんな会話をする2人に飯田と岬はクスクス笑う。
「子供は1人じゃ産めません。必ず、どっちらにも似た子が生まれますよ」
「そうですよ。お二人に似た子が生まれてきます」
2人はそういうと、龍迫は恵麻のお腹に顔を埋めた。
【完】
***番外編を2個用意してます。
次回は高飛車高慢ちきな主人公に記憶喪失になり、王子様をタジタジさせる物語です。王子もウジウジ虫から立派になっていく感じになっていきます。
龍迫は部屋にやってきた琴美、紅蓮を冷たく見る。
「有栖川公爵に家をお取り潰しになり。琴音は蒸発、私はハーネング・ルイス家に行って慎ましく生活をしていたんだけど。居心地が悪くて、勉強は図書館でするようになって紅蓮と知り合ったの」
琴美は説明を始める。
「初めは恵麻を虐めた能津家の一族だから、意地悪をするつもりで接近したんだけど。世間知らずなだけで、性格は悪くないし、バイトの世話を焼いて、たまに勉強を見るようになったんだ」
紅蓮は付け加えると、龍迫は鼻で笑う。
「面白みのない話だ」
龍迫はそう心底興味がなさそうにいうと、膝の上に乗せた恵麻を抱き締める。
「琴美は反省してる。そして、幸せになる努力と選択を惜しまない」
紅蓮はそういうと、ルーテも加勢してきた。
「権力のある有栖川公爵の最愛の妻を虐めた子に奨学金を受給させて、有栖川公爵から睨まれたくない。だから、僕はまず初めに有栖川公爵夫妻と仲良くなって琴美がいい子だとアピールして許しても会おうと思っていたのに。夫人は琴美に起こっても、恨んでもいない。だからこのまま無言で受給しようか、それとも断ろうか。それとも・・・。琴美は嫌がっているけれど」
ルーテはそこで言葉を切ると、紅蓮は恵麻を見る。
「僕が払おうかを考えていたんだ」
紅蓮の彼女は琴美だったんだ。
恵麻は心の中で拍手をすると、にっこり微笑んだ。
「お好きにどうぞ」
笑顔で言うと、恵麻は龍迫の耳元で囁いた。
***
「叔父夫妻は恵莉の"いた"受刑島の領主に推薦をしておいた」
龍迫は休日のお茶タイムを屋根裏部屋で、ソファーに座り風にあたりながら恵麻としている時に口を開いたのは、2人で豪華絢爛な屋根裏部屋で御茶をしていた時。
そんな所にあの2人が行くかしら?
恵麻は龍迫の言葉にそう思いながら、頬に手を当て。恵莉の"いた"と言う過去形の言葉を考える。
「受刑島は正式名所をドリームアイランド。この正式名称を知っている人は少ない。飯田に夢の島に移住を薦めさせたら喜んで行ったんだ」
「へぇ。単純」
「俺の恵麻は本当に優しい。心配になるくらい、本当にお人よしだ。そこが恵麻の良い所で、俺が惹かれている一つでもあるから、直す必要はなく。俺がずっと見守れば何の問題もないのだが。本当に優しい。時々、天女で天界に帰ってしまわないかと心配になる。もし、連れ帰ろうとしても神さえも追い返す自信はあるのだがな」
ルーテ、紅蓮、琴美と3人で話していた時。
"琴美と両親を関わらなくていいくらいと遠くに離して"と龍迫にお願いをしていた。
「恵莉は看守を手玉にとって、逃亡。ここから5つ離れた国で結婚詐欺をして懲役10年らしい」
そんな龍迫の報告に恵麻は苦笑する。
幸せを掴みに脱出したかと思えば。
やれやれと恵麻は苦笑する。
そういえば・・・。
「父は?」
「聞くか?」
確認をする龍迫に首を振る。
「聞かないわ」
「賢明だ」
龍迫は少し安心したように言うと、恵麻は目をそらした。
「旦那様の考えられる一番残酷な方法をお願いするわ。私、過度に許す気はないの」
そこで言葉を切ると、そっと息を吐く。
「恵麻の考える一番残酷な方法は?」
「真っ暗闇に拘束して、栄養剤を点滴にして。適度に拷問しつつ、生かすかしら?」
「ぬるい。やはり、俺の愛しの恵麻は優しいな。愛しているよ」
龍迫のその答えに恵麻は目を閉じた。
やはり、聞かなくて正解だ。
私は過度に許すこともしなければ、過度に仕返しをするつもりはない。彼が私の母に乱暴をしなければ、私は生まれなかった。
だから、その点においては何も言えないが。
継母が意地悪にならなかったような気もするし。継母も周囲を巻き込まなったと思う。
「自分の子供には真っ当に育ってほしいわ」
「育つよ」
頷く龍迫を恵麻は真っ直ぐ見る。
「子供が成人するまでは旦那様の1番は子供にしてあげて。成人を迎えたら、私をまた1番に戻して」
「子と妻は別の可愛さだ。どっちも1番。恵麻は俺にとって、永久不滅の1番だ」
「そうね。1番が1人だけなんて誰も決めていないものね。旦那様の1番じゃなくなるのは本当は寂しかったの」
恵麻はそう言うと、箱を取り出した。
「サプライズ?びっくり玉手箱とかかい?」
前にサプライズをしたら、小躍りするくらい喜ぶと言っていたので計画をしてみたのだ。
「玉手箱よりびっくりするわ」
「そうなのか?なんだろ?俺の愛しの恵麻から貰えるものなら、なんだって。いつだって嬉し・・・え!」
箱を開けると龍迫は目を見開き立ち上がった。
その中には、同じブランドであるが色違いの運動靴が入っていた。
龍迫の大きさである28㎝、恵麻の大きさである23㎝。そして・・・小さな小さな子供用の靴。
「3年くらいしたら。これを履いて、3人でお出かけしましょう」
恵麻はお腹に手をお当てる。
「恵麻から恵麻が生まれるんだね。マトリョーシカのように」
「あら?私は旦那様に性格も見かけも瓜二つな。分身なような子を願っているのだけれど?考えてみて?私の中から旦那様が出てくるのよ?」
「恵麻の中から俺か。それは、それで面白いけど恵麻から恵麻がいい」
そんな会話をする2人に飯田と岬はクスクス笑う。
「子供は1人じゃ産めません。必ず、どっちらにも似た子が生まれますよ」
「そうですよ。お二人に似た子が生まれてきます」
2人はそういうと、龍迫は恵麻のお腹に顔を埋めた。
【完】
***番外編を2個用意してます。
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