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ドキドキの温泉旅行 (2)

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 うなじに触れる彼の唇が熱い旋律を送る。

「あ……ん」

 思いがけず、私の口からイヤラシイ声が漏れた。

「……意外だな。ここが弱いんだ?」

 私の肌の上で彼がニヤリとするのが分かる。
 わざと息を吹きかけて、彼の唇が私のうなじを攻める。
 同時に背後から彼の手が浴衣の襟元に侵入して――

「……ダメ……先にお風呂――」

「待てない。君の浴衣姿に、ずっと煽られっぱなしだったんだ」

 彼が肌襦袢を着ているだけで、ブラジャーはしていない胸を露わにする。
 丁度、目の前に姿見鏡があって、胸を彼の手に弄ばれる私のあられもない姿を映し出した。

「……乱れた君の浴衣姿も、艶かしくていい」

 姿見を見る彼が、浴衣の裾を割って、私の濡れた下着の上をナゾる。

 立っていられなくなった。
 彼の足元に崩れる私から、下着を脱がせ、脚をM字に広げ、鏡に見えるように背後から私の中に指を入れる。

「ちゃんと指を見て……」

 目を逸らそうとした私の耳を、彼が戒めるように甘く摘む。
 乳首を彼の指でいじられ、愛液にまみれた彼の指が、卑猥な音を立て中を出し入れし――

 逃げ場のない快楽が、容赦なく私を襲う。
 彼に見守られ、自分のイク姿を見ながら、私の身体が小刻みに震えた。

 シュルッと帯が解かれ、放心した私の耳に聞こえる浴衣の衣擦れの音……
 浴衣を全部脱がず、前をはだけさせた彼が、私を横たえ中に入ってくる。

 彼の顔が一瞬歪むと、私を奥深く突いた。
 悩ましげに閉じられた彼の瞼。私の中を感じる彼の表情。

 熱くたぎった彼を感じて、私の腰が動いた。
 彼が目を開き、動きを止める。

「――何?」

 ねだるように聞く私を膝の上に乗せ、

「……こっちの方が動きやすいだろ?」

 と私を突き上げる。

「あ……晃……成……」

 感じるスポットを刺激され、私の口から初めて彼の名前が漏れる。
 彼の名字でしか呼んだことがなかったのに――

 瞬間、自分でも彼の固い欲望を締め付けたのを感じた。

「充希……」

 彼の律動が激しくなる。
 私が感じる部分を確実に捉えながら――

「もう……」

 彼の唇が私の唇を塞ぐ。

 彼に溶け込み一つになったような感覚に、全身が痙攣した。 
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