菓子と魔王と甘き恋

蒼葉縁

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「………何がしたいんだお前」
私の言葉に我に返った彼はタルトとシュークリームを食べ終えると私に頭を下げる
「俺は小暮千早!魔王って言われてる」
魔王?
「あぁ、お前が魔王か」
興味なさそうに見る私に小暮はむすっとする
「何だよ、文句あんのかよ」
「いや、興味がないだけだ」
私はテキパキと食器を片付け、箱に入れたタルトを小暮に渡す
そして廊下に押し出した
「ではお休み」
ガチャンと閉まる鍵
ちなみに吹き飛んだ扉は直っていないので勿論そこは段ボールで一旦気休めをしている
私はプリントをやり終えて、空を見つめていた
ここの学校は寮生活らしく、皆が家を出ている
私は静かに下に視線を向けた
そこから聞こえる女子の泣き声と助けを呼ぶ声
私はやれやれと思い
扉に足を乗せて飛び降りた
トンと軽い音を立てて着地する
目の前には男が三人と女が二人
女二人のうち一人は泣いていて制服がボロボロもう一人は泣きそうになりながらも抵抗していた………というところか
「何だ、テメェ!」
殴りかかってくる三人のうちの一人の拳を指一本で止めて、掴み背負い投げをする
「な、やれよ!」
二人目の男は怖がり三人目の男になすりつけた
私は首を鳴らし、走り出す
そして二人の背中に回ると両方の頭をぶつける
良い音が鳴った
私はパーカーを脱いで制服がボロボロの女に掛ける
そしてゆっくりと立たせた
「じゃあ」
私はくるりと振り返り、少し離れると
家庭科室の窓を見る
女二人は首を傾げていた
私は足に力を入れて跳ぶ
『え!?』
女二人は私の居た位置へと走り私を見る
「よっと」
私はくるりと軽い音を立てて窓に足をつけた
そして振り返り手を振る
人嫌いではないように見えるだろう?
そうしているんだよ
頑張ってな
そして翌日の土曜日
私は寝ていた
そう心地よく
だが
扉を叩く音に目が覚めてしまった
ヘッドホンの音の音を大きくして扉を開ける
そこには昨日の女二人がいた
「………何の用」
私はうんざりとした顔で溜息を吐く
「な、礼を言いにきたのよ!」
強気な女は真っ赤な顔をしている
もう一人はパーカーを畳んだ状態で持っていた
私は黙り込み横に移動する
「まぁ、立ち話も何だし入って」
二人は中に入ると椅子に座る
私は翌日の夜に作ったアイスを取り出すと二人に渡す
「どーぞ」
『あ、ありがとう』
私は欠伸を一つしてアイスを食べる
バニラはやっぱりシンプルで良い香りが最高だ
「あの!」
強気な女のもう一人大人しめな女が声を出す
「ん?」
私は首を少し傾げ、言葉を待つ
「と、友達になりませんか!?」
「断る」
二人の女はしょんぼりした
「私、人嫌いなんだよ」
二人の女は顔を上げる
そして互いの顔を見て私を見た
『なりましょう!!』
「………ここの人達は話を聞かないのか」
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