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シュミレイション 5

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 さて。
俺はまだ3が気乗りしないので、思い切って5~7辺りに指を彷徨わせた。

結局、5を選んだんだけど。

でも思わず尋ねた。
「これってさ。
選んだ後、リセットって出来るの?」

オカマの賢者が答える。
『出来るけど…。
剣の腕のステイタスはまた、ゼロに戻るわよ』

「…つまり…」
言いかけると、レイデンがすかさず答える。
「完全に、修行のやり直し?」

俺は俯いたまま、浮かび上がる5を見た。

俺ってば…昼間の凄い綺麗な庭園で開かれてる園遊会に出てる!
色とりどりに着飾るドレス姿の美人が、みんな日焼けから肌を護る為、でっかい綺麗なレース付きの帽子か、レースの日傘を優雅にさしてたりしてる。

男はみんな、豪華に着飾って、女性を口説いたり。
みんな楽しげに語り合って、美味しい食べ物を摘まんでる。

「…優雅…素敵…」
俺が呟くと、レイデンが溜息を吐く。

案の定、俺ってば身分の高そうな、イケメンだけど感じの悪いタカビー男に腕を引かれ、茂みの陰に連れ込まれ…。
屋根のある、洒落た白い柱と白枠のソファのあるあずまやに連れ込まれ…ソファの上に押し倒される。
力は強いは…唐突に被さって来るわ…。
確かに、黒髪の盗賊とかディングレー様んとこの、栗毛の偉そうな案内係からすると…かなりマシなカンジの、明るい栗色巻き毛のイケメンではあるけど…。

傲慢そう…。

「でも遊んでそうだし…えっちは上手そうかも」
言うと、レイデンがまた、溜息を吐く。
「なんでよ」
「見てれば解るって」

オカマの賢者も同意見のようで、レイデンと同時に溜息吐いてたりする。

「…何でもするって言ったよな?」
そう言って、折角着てる、俺の綺麗なブルーの上着を脱がし始める。

「(またヤられるんだ…)」
見てる俺と同調してるシュミレイションの俺は、そう思ってた。

けど…違ってた…。
と、言うのも…皮紐出して来て、レースのシャツをめくって、首輪を付け、そして…首輪から伸びてる皮紐の先のクリップで乳首を挟む。

「んーーーっ!」
俺は唸ってた。
だって、痛い!かなり!
しかも痛み混じりに感じて、変に体がくねる。
「外したら、ただじゃおかないぞ?
見張ってるからな?」

俺はもう、涙目。
しかも皮のベルトを腰に付けられて…。

「…あ、もう先が解った」
レイデンも賢者も頷く。

つまり、俺のタケノコはすっかり皮紐で縛り付けられた感じで、感じる部分は動く度に擦れて刺激される仕掛けが施され、更にお尻の穴にずぼっ!と何か、柔らかいけど、太くて長いモノが挿入され、出せない様にされている。

俺は泣いて縋った。
「…出したくなったら、どうすればいいんですか?」
「俺を探して、咥えてイかせたら一時的に外して、出させてやる」

「…間…に合わなかったら?」
「もらしたりしたら、バツを与える」
「…どんな?」
「恥ずかしい格好のまま人前にさらし、張り紙をしてやる。
『どうか私を、貴方の欲望解消にお使い下さい』
とな!」

俺はこのシュミレイションを見て、呟く。
「…つまりこいつは…サディスト?」

オカマの賢者が言葉を足す。
『辱め系のね。
痛い系のサディストだと…悲惨だけど。
ここの悪鬼、基本傷はあんまり付けずに犯す趣味で良かったわね』
「…良かった…の?」

俺ってば…そんなもの衣服の下に付けさせられてるのに、腕を引かれて歩かされて…もうあちこち刺激されまくって、涙目。

なのにそいつ、いちいち腕を引いて連れ回す。
「…やっ!」
とうとう、刺激が限界で短く叫ぶと、その傲慢なイケメンは耳元で囁く。
「『私をどうぞ、犯して下さい』と言ったら、楽にしてやる」

俺はもう、プライド捨ててその言葉を言った。

けど…そいつはまた、別の人気の無いところまで連れて来ると、尻の布だけやっぱりボタン外してペロン、と下げ、尻に入ってたナンかを外すと、自分のタケノコを入れて来る。

けど、俺のタケノコを縛り付けてる皮紐は外してくれないから、挿入されて突かれると刺激だけ受けまくって、のたうちまわるのに射精出来ない。

確かに。
今までの乱暴に犯す男らの中では上手い方。
けどイけないから、俺は突かれて泣きまくった。

「あっ!あっ!
お願いです!
イかせて…!」

「イきたいか…!」
「イきたいです!」

もうギンギンだった上に、後ろから突かれてイきたいばっか。
更に装具で刺激まで受けてるから、イきたくてたまらなくて必死!

なのにそいつ、自分ばっかイって、尻から引き抜くと、さっき迄入れてたナンかを代わりに入れ、そして言う。

「…三度目で、イかせてやる」
「お願いです!こんな状態で引き回されたら、もう…」

泣いて頼むと、男は萎えたタケノコを顔の前に。
「役に立たないと挿入出来ない」
と言う。

俺は仕方無く咥える。
必死で大きくする為に。

つまりれこれをして後(のち)、また挿入され突かれて気が狂いそうにされ、その上もう一回、舐めて大きくして…その後、解放されるってコト?

「ひでぇ男…」
呟くと、賢者がウキウキして言う。
『出たわよ!救い手!』

言われて見ると、偶然通りかかった…濃い栗毛が肩まである長髪の、育ちの良さそうな綺麗系美男。
けど背はかなり高い!

「…何をなさってる。
彼は泣いてるじゃないですか」

俺が顔を上げて見ると、綺麗系美男は、俺の体に付けられた装備を見つめる。

「…またこんなものを付けて、悪いお遊びですか。
お父上に忠告してさしあげねば。
仮にも公爵家の嫡男が。
こんな場所で」

綺麗系美男がくるり。と背を向けると、そいつは慌てて…俺の口からタケノコごと、引き抜いて、タケノコを出したまま、慌てて後を追い、腕を掴んで引き留める。

「…待て!
貴様アイリス!
幾らお前が大公家だろうが!
俺は落ちぶれても王家の血を引いてるんだぞ!」
「遠い祖先がね。
ともかく…しまったらどうです?
その見苦しいモノ」

言われて男は慌ててタケノコをしまう。
けど偉そうに呟く。

「…ちょっと、息抜きしてるだけだろう!
どうして毎度邪魔するんだ!」

アイリスと呼ばれた綺麗系美男は、ジロリ…!と濃紺の理知的な瞳を向けて、低い、鋭い声で言う。
「…彼は虐められて、泣いている。
貴方、自分であれを付けて、彼がされたコト、した経験無いんでしょう?」

男は憮然として言う。
「あれは、ああいう可愛い美少年がされて、似合うんだ。
すっかり育ったお前とか、俺がしたってブキミなだけだ」

アイリスは俺に代わって、憤慨してくれた。
「似合う似合わない野問題じゃ無い!」
「ともかく、告げ口は止めろ!
『女の腐ったの』みたいなコトだぞ?」
「こんな装具付けさせて、辱めてる貴方が言いますか?
こんなコトするのは、告げ口する『女の腐ったの』より酷い。
“ど腐れ”です!」
「ど……………」

俺からしたら、『ど腐れ』程度。
と思ったのに…男はすんごいショックを受けている。

「…よくそんな…酷い侮蔑の言葉を、俺に向かって言えるな!」
わなわな震ってる。
「私に『女の腐ったの』と言った以上、まだ色々言いますけど?
“ど変態”とか“最低の悪趣味”とか」

…やっぱり、俺からしたら大した言葉じゃないのに…男は真っ青になって怒鳴ってる。
「そこまで言うこと無いだろう?!」
震えまくって。

…どうやら、言葉で辱めるのが、奴らは堪えるらしい。
そして俺みたいな庶民と違い、きっと『私を犯して下さい』なんて言葉、死んでも言えないような言葉らしく…。
これだけ虐めないと、引き出せない言葉みたいで…。
それでうんと虐めて、言わせてるらしかった。

ふと思いついて、俺はレイデンに聞いてみる。
「装備付けられる前に『何でも言います』って言って、あいつに取っての恥ずかしい言葉、言いまくったら…あれ、付けられずに済むかな?」

けど答えたのはオカマの賢者。
『だってさぁ…。
虐めて辱めないと興奮出来ない変態よ?
確かに、言わせただけで興奮してくれる、かもだけど…。
賭けね』

俺は、がっくり。と首を垂れた。

が、悪口言われた男は、青ざめて凄いダメージ受けたみたいに、わなわな震ってる。
アイリスは素っ気無く、交換条件を出す。
「…彼を私に頂けるなら。
お父上にはチクりません」
男は直ぐ、顔を上げてアイリス見て怒鳴る。
「なら!
“ど腐れ”も“ど変態”も“最低の悪趣味”も、取り消すな!」

アイリスはすました顔して頷く。
「いいでしょう」

こうして俺は、綺麗系美男アイリスに救われて、装備を外された。
「可哀想に…こんなにされてしまって…」

アイリスってば…ぎんぎんの俺のタケノコを見て、同情してくれて…手で触れて、にぎにぎしてくれて…。
もう天国な程、手で気持ち良くしてくれたりするから、俺、顔は綺麗な女顔なのに、背が高くて触れると意外に逞しい、アイリスの胸に縋り付いて…イってしまった。

すんごーーーーく気持ち良くって、アイリスに、喘ぎ混じりに囁く。
「あり…がとうございます」

アイリスはとても綺麗に、にっこり…と笑って
「どういたしまして」
って手を、高級そうなレースのハンケチで拭い、そのまま行こうとするから…俺は必死で縋り付く。
「あの…!
俺があの男にされるがままになったのは…剣が強くなるよう、教えてくれると言ったから…。
強く成れないと俺、困るんです!」

涙目が利いたのだろう。
アイリスは少し考えて
「剣で強くなるのって、かなり…大変だよ?」
「解ってます!」

けれどアイリスは、チャーミングな困り顔して囁く。
「君みたいな美少年は…倒したい敵がどんなかは知らないけれど…その魅力で垂らし込んで、隙を見て短剣で刺したり、隙を見て毒を盛った方が早いと思うから、垂らし技術を磨いた方が、近道だよ?」

ある意味…親切だ。
レイデンを見ると、俯いてる。
「彼の意見って、どう思う?」

聞くと、賢者が呟く。
『うーん、悪鬼って趣味がド変態だから。
通用するかは、やってみないと。
毒薬は…相手は人間じゃないから。
悪鬼に効くような毒を見つけないと、盛っても効かないと思うわ』

俺は俯いた。

シュミレイションの俺は、優しくてテクありのアイリスに縋り付いて頼んでた。
「それでもいいですから、教えて下さい!」

泣いていたから…アイリスは同情してくれて、優しく微笑んでくれる。
「余程の事情が、あるんだね?
これも縁だ。
いいだろう。私が君の面倒をみるよ」

そうして、大公家と所縁のある身分高いアイリスの素晴らしいお城に馬車で連れられ…。
昼は剣の他、短剣の使い方と避け方。
夜は毎晩、彼としとねを共にして、えっちの最高なアイリスと毎晩、楽しく気持ち良く、過ごしてる図が朧に浮かんで…シュミレイションは消え去った……………。

「…どうして良いところは、はしょられるのかな?」
聞くと、レイデンが溜息交じりに言う。
「だって選んだら、確実に体験出来るから?」

『アイリスは最高でしょ?
顔は綺麗。上品。気は利く。
その上ベットも最高。優しい。
まあ…最初はハードだけど。
後は美味い汁、吸いたい放題よ?!』

オカマの賢者がはしゃぎまくってるので、聞く。
「…あんた、アイリスのファン?」
『一度、抱かれてみたい・わーーーーー!』

俺は溜息交じりに顔を下げると、次の番号を吟味した。

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