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かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース 8 ファントレイユ
かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース 8 ファントレイユ 35
しおりを挟む結局俺。
テテュスの腕から床に降ろされ。
テテュス、レイファスの見つけてきた柄の長いハンマー握って、壁に打ち付けてる。
で。
レイファスは横で腕組みして、それ見てる…。
長身で体格のいいテテュスが、長い栗毛を散らしながらハンマー握って壁に振り下ろす姿…。
うーん。格好いい♡
額に、うっすらと汗が滲む…。
美青年が体使って何かに打ち込む姿って…美しい…。
けど。
はーーーーーっ。
って、長い溜息。
見上げると、レイファスが途端気づいたようにこっちに振り向いてる。
じっ。
と俺の事見て。
「…お前…テテュスばっか、見てない?
もしかして」
「……………………」
言われて壁を見るんだけど。
…ちょい、亀裂が入ったぐらい。
「…あ、壁が崩れなくての、溜息?」
そう聞くと。
レイファス、冷ややかに俺の事見て。
「お前のは間違いなく、テテュスに見惚れた溜息だよな?」
「だって♡
テテュスの背中の筋肉が動く様って…逞しくて格好いい♡」
「…ノンキでいいよな」
呆れ混じりに言った後。
何か気づいたように顔上げて。
次に、ぶつぶつ意味不明の言葉を唱え始める。
「…壁が早く崩れる、おまじない?」
って聞くと。
テテュス、ハンマー振り下ろす手を止めて、横のレイファスを見て言う。
「…レイファスは神聖神殿隊付き連隊騎士だから。
色々、魔法の呪文を知ってる。
…対、『影の民』用だけど」
「…『影の民』…」
「魔物の化け物」
「え゛?い…居るの?ここに?!」
けど。
レイファスの胸に下げてる円形のペンダントが光った。
と思ったら。
途端、床に座ってる俺の横の空間も、対峙するように光って。
突然!
ほんとーーーーに突然。
光の中から、ファントレイユの姿が!!!
ファントレイユ、羽ペン手に持ち、キョロキョロしてる………。
レイファスと、ハンマー持ってるテテュスの姿見て
「…後、一文で書き終えたのに…」
って…文句?言ってる………。
テテュスが20㎝も低いレイファスを見下ろして。
「…ファントレイユが来ても、ハンマー一個しか無いんだろう?」
って聞いて。
ファントレイユも、レイファスをじっ。
って見るんだけど。
レイファス、顔下げてて。
ファントレイユ、相変わらず見惚れる程の華やかな美貌の表情変えず、言う。
「…もしかして間違えて、私を召喚したとか…」
テテュスも顔下げたままのレイファスの様子見て。
頷いてハンマー、振り上げて壁に八つ当たり?
「…どうやら、そうらしい」
がっっっ!!!
けど。
ぱらぱらと少し削れた屑が落ちて来る程度。
ヒビは…ちょっと、広がったけど。
俺が見てると、ファントレイユが口を開いた時。
レイファスが素早く顔上げて言う。
「今は文句を聞いてる場合じゃ無い!!!」
ファントレイユが、口開けたままテテュスを見ると。
テテュス、頷いて。
「…この壁崩せないと、屋敷の外に出られない」
それ聞いて、ファントレイユびっくりして。
「まだ、屋敷の中なのか?!」
って、叫んでる…。
そして、床に座ってる、俺の事見る。
俺、ファントレイユと見つめ合った後。
ふと気づいて、レイファスに聞いた。
「…ファントレイユがここにいたら。
万が一出られなかった場合、誰が捜索隊出してくれるの?」
レイファスが途端俺から顔を、思いっきり背け。
ファントレイユが間髪入れずに、怒鳴った。
「捜索隊が必要な状況なのか?!!!!」
テテュス、またハンマー振り上げて低い声で怒鳴りながら、ハンマーで壁に八つ当たり。
「…私の体力が尽きる前に壁が崩れるかは!!!
保証出来ないぞ!!!」
がっっっっ!!!
ファントレイユ、呆然とテテュスの様子見て、つぶやく。
「…なんて、原始的な………」
レイファス、気を取り直して言う。
「…訂正しよう。
テテュス、君の体力が尽きる前に、ファントレイユが代わって壁と格闘してくれる」
俺がファントレイユ見てると。
ファントレイユ、歯を剥いてレイファスを、睨み付けてた。
俺。
散々嬲られて、体うずうずしてたから。
せめてファントレイユに、えっちねだろうかと思ってたけど。
レイファスに「体力温存」とかって駄目出しされそうで。
思いっきり、顔下げて項垂れた。
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