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かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース 9 スフォルツァとローフィス
かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース 9 スフォルツァとローフィス 1
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テテュスとファントレイユがレイファスの事、睨みまくり。
レイファスは頑として背を向けて、どー考えても無理なのに、やり過ごそう。
とか企んでて。
で。
シェイルって呼ばれた銀髪の美少年。
この中でも小柄なレイファスを、チラ…。
と見た後。
まだ座ってる俺の事。
じっ…って、見てる。
あ…あれ?
なんでこんな見るのかな?
凄い綺麗な緑の瞳…。
吸い込まれそう…。
でも不吉な予感。
俺も、レイファスみたく背を向けた方が、いいのかな?
…でも美少年過ぎて、目が離れない。
大きな緑の瞳。
つん。と少し鼻先が上を向いた、小ぶりな。
色白の凄く綺麗な鼻筋。
赤い、ぷるん。とした可愛らしい薔薇のような唇…。
けど人間っぽくなくて現実感が薄いと言うか、存在感が空気みたいに軽くて。
…本当に、妖精みたい。
くねる銀の髪が胸元を飾って…。
綺麗過ぎ。
絵…?
…じゃないよね。
「…こいつ…お前らの連れ?」
ファントレイユが背を向けたまま無言のレイファスに痺れ切らして、口を大きく開いた時。
シェイルがそう言った。
テテュスとファントレイユ、同時にシェイルに振り向く。
「…だから?」
ファントレイユがキレ気味に聞くと。
シェイル。
座ってる俺の、横まで来て。
屈んで。
じっ…って俺の顔、見るんだけど…。
アップに耐える、美少年!
ってか、アップだと、美しさ倍増!!!
…マジ、吸い込まれそう…。
澄んで目の奥が深緑色の…エメラルドのような瞳…。
「こいつ、貸して?」
「…貸し出してないから」
ファントレイユ、凄く素っ気無く言いつつ、後ろ向いてるレイファスの肩に手をかけて、ぐいっ!
って…振り向かせる。
けどレイファス。
振り向かせたファントレイユでなく、俺の横に立つシェイルがほぼ真横に居て。
シェイル見た途端、恐怖の表情で、顔下げてる。
え?
なんで?!!!!
「元の時代に戻せ!!!」
ファントレイユがレイファスに怒鳴ると。
レイファス、振り向いて怒鳴り返す。
「出来る訳、無いだろう!!!」
「逆ギレ出来る立場か?!」
ファントレイユに腕掴まれても、強気でレイファスってば、振り払ってる。
この微妙な空気の場で穏やかに響き渡る、テテュスの癒やされる声。
「逆ギレじゃなくて、単に…出来ないんだろう?
つまりは、能力の問題だと思う」
皆、一斉にテテュスに振り向く中。
レイファスだけはテテュスを、歯を剥いて睨み付けてた。
「…私を能ナシ扱いか!!!」
レイファスが怒鳴ると、ファントレイユ。
冷たい美麗な流し目で、レイファスを見る。
「じゃ、出来る?」
レイファス、聞かれた途端、ぐっ。
って詰まって。
歯ぎしりしてる………。
けどうっかり、シェイルをマトモに見ちゃったのか。
まるで魔物を見たみたいに青く成って。
慌てて顔を背けてる………。
レイファスが怖がってる???
このとびきり凄い美少年を?
なんで???
再び救世主のような優しい、テテュスの声。
「…レイファス。
この年のシェイルはまだ、私達と面識が無い」
けど言われたレイファスじゃなく。
シェイルが。
それ聞いた途端、くるっ。
ってテテュスに振り向く。
「お前、アイリスの親戚か何か?
良く似てるけど」
言った後、説明に口ごもってるテテュスの次に、ファントレイユを見て。
そのあと明るい栗毛のレイファスを見て。
ぼそり。と言う。
「お前ら三人、アイリスの屋敷で見た気がする…。
こんな対照的な髪色の餓鬼が三人、はしゃぎまくってた。
…でもアイリスの息子なら…まだ、三歳だよな?
そっちのお前。
もしかして、ファントレイユって名?
珍しい髪色で、ゼイブンってヤツに似てて変わった名前だから、覚えてる。
あれ?でも…。
奴(ゼイブン)の息子も、テテュスの息子と同い年だから…。
……………確かまだ、三つだよな???」
「……………………………」
ファントレイユとテテュスが同時に、説明に困って黙り込む。
そんな中、レイファスがシェイルに振り向いて叫ぶ。
「ローフィスに会わせてくれ!!!
ゼイブンは全っ然頼りにならないが!!!
ローフィスならきっと、この事態を何とかしてくれるはずだ!!!」
シェイル、自分とは全く系統の違う愛らし系の美青年、レイファスの顔を見て。
きっ!!!と睨み付けて叫ぶ。
「ナンでローフィスを知ってる!!!
どういう関係だ!!!」
レイファス、睨むシェイルにおどつきながらも、言い返してる。
「私が美青年だから疑うのも解るが…。
私が誘惑しても、ローフィスはオチ無いぞ?
大体、ローフィスが浮気相手に選ぶとしたら絶対!
金髪巨乳だ!!!」
シェイル、片眉だけ上げまくって、レイファスを睨む。
「やけに、詳しいな…。
誘惑したコト、あるのか?!」
「ナイ。
勝算のない戦いはしない」
シェイル、まだレイファスをキツイ目で睨み付け。
けどレイファス、嘆願するみたいに必死でシェイルを見つめてる。
シェイル、一つ溜息付いて、やっと言う。
「…ローフィスに会わせても良いけど…。
そいつ、貸してくれたらの交換条件だ」
このセリフで場の注目は、一気に忘れ去られてた俺に、向けられた…。
全っ然嬉しくないけど。
「貸してやる!!!
だから今直ぐローフィスに会わせろ!!!」
レイファスが怒鳴り、ファントレイユが唸る。
「お前、エディの持ち主か?!」
テテュスも、優しく諭してくれた。
「本人の意見を聞かないのは、ちょっと…」
レイファス、俺の事、睨み付けて怒鳴る。
「元の時代に帰りたかったら、うんと言え!!!」
俺、考えた後、つぶやいた。
「…うんと言ってもいいけど。
でもその前に、落ち着ける場所でファントレイユとテテュスに介抱して貰いたい」
「?
病人に、見えないが…」
シェイルにそう言われたけど。
俺も、とうとう我慢の限界で怒鳴った。
「レイファスのせいで、根暗なオタク野郎にさんざ、体嬲られて火が付いてて!
なのに目の前に、美味しそうなテテュスと素敵なファントレイユが居るってのに!
レイファスのお馬鹿のせいで、ずっとお預け喰らって、もう我慢も限界なんだ!!!」
大声で怒鳴ったら。
“お馬鹿”と俺に言われたレイファスですら、目をまん丸に見開いて、俺の事見てた…。
その後
『落ち着ける場所に案内する』
とシェイルの後を付いて歩く間中。
テテュスが
「私って…美味しそう???」
と口に手を当てて呟き。
ファントレイユがその横で、この中で一番長身の、テテュスの肩に手を置いて慰め。
レイファスが俺の横に来て
「“馬鹿”なら許さないが。
“お”が付いてたから、一応許してやる」
と、小さく頷きながら、呟いてた。
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