召喚農夫の田舎暮らし

香月ミツほ

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番外 コナンの幸せ

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「あの…… また温泉に入るんですか?」
『入る。それに人間の喜ばせ方を麒麟に聞いたから試したいしな』
「今までので充分ですよ!?」
『いいや、まだまだだ』

ケルピーは水馬だけあって水と相性が良い。そしてここの温泉は人にこそほどほどの効能で穏やかな効き目だが、ケルピーにとっては劇的な体力回復と精力増強になる……。

……私みたいなおっさんでは受け止めきれないと言う……。水属性なので精力増強(弱)は付くんですけどねー。

『さぁ! 潮吹きとやらをするまでやるぞ!』
「ひぃぃっ! 勘弁して下さい!!」





「はぅ…… あっ…… くぅ…… っ……」
『ここを良く可愛いがりながら解して……』
「ひぁっ! そっ、そこばっかり……」
『ん? ダメなのか?』

私の言葉に素直に頷いて良いところを避けて解す。水馬だけあってローションが自前。大変滑りがよく、痛みなど全くなくてどこまでも優しく快楽を注ぎ込む。私の羞恥心は今日も簡単に職務放棄した。

『こら。せっかく避けているのに自分で擦り付けてどうする。ここを擦ったらダメなんだろう?』
「……そこばっかり触られると…… はず…… 恥ずかしい…… 声が…… はぅんっ!! でも気持ちいっ……」
『その煽情的で愛らしい声が恥ずかしい? ヒトとは不思議だな』
「こんな声は…… あっ! 若者や、美しい人なら…… ふさわっ…… しい、んです、が……」
『お前も若いではないか』
「もう32歳です…… 若くなんて…… もっ、だめ……!!」
『我は…… 500年は生きたか。だがまだ未熟だぞ』
「寿命が違います!!」
『ならばヒトの生きる刹那の時を楽しもうではないか』
「あぁぁぁっ!」

ぐぷんっと音を立てて押し入った剛直は人にはあり得ない質量で、さすがに全部は入り切らないけれど、自前のローションをまとったそれは滑らかで、長いストロークであやすように肉壁を擦り上げる。リズムに合わせて腰を揺らせば期待通りに絶頂を迎える。

私の精を零さぬように必ず雄芯を手で包み込むのだけど、ケルピーはスライムに近いようでゼリー状になったその手から精液を吸収する。固形物を消化することはできないと聞くまで少し怖かった。

『これからだ』

ずちゅっ! ぐりっ! ぐちゅ……

「あぁっ! まだっ!! イったばっかり……!!」
『それがコツだそうだ。イったばかりの敏感な先端を刺激し続けると魔力を凝縮した潮を吹くのだそうだ』
「やっ! やだ! それやだぁ!! お願い…… 許してください……!!」

『イヤなのか……?』
「怖いんです……」

ケルピーは純粋な存在だから、己に忠実で嘘がない。
あまりモテた事のない自分をこんなにも情熱的に求められて、嬉しさについつい甘やかしてしまうのだけれど。

繋がったまま向きを変え、対面になって優しいキスを交わしながら敏感な先端を人では再現できない動きでぬるぬる擦られ、やがて耐えきれなくなって身を震わせた。
出たのが精液なのか潮なのかは分からない。




いい歳してみっともないとか、自分らしくないとか、言い訳ばかりして素直になれない私。けれどケルピーはどんな姿を晒しても受け入れてくれる気がする。ただ、腰が……。

『口付けとは…… 良いものだな』
「ん…… 2人きりの時なら…… いつでも……」
『結界を張ればいいのか?』
「水の結界は丸見えだからダメ!!」
『む……』
「私は人目があったらす…… 素直になれませんから」
『!! そうか。そうだな!』

伝わった…… のかな?

『コナン、お前には我を呼ぶことを許す。我の名はメイルだ』
「私などに真名を明かして良いのですか!?」
『お前に呼んで欲しい』
「……メイル」
『コナン…… お前の支配は心地よいな』
「あぅっ! しっ支配って…… できてないじゃないですか! 何でまた大きくなってるんですか!?」
『拒否は感じないが?』

支配は本音が筒抜けになってしまうのか? ……いや、おそらく私のレベルが低いからか。

「も、もう! 明日困るので…… 今夜はこれで最後ですよ!」
『了承した。では後はゆるりと想いを注ごう』

メイルはそう言ってねっとりと唇を重ね、ゆっくり、じっくり、ねっとりと散々焦らしてくれて、泣きながら強請る羽目になった。

女性とは付き合った事があるが、振り回されてばかりで長くは続かず、男性と付き合った事はない。

……甘やかされる事がこれほど満たされるものだなんて知らなかった。

子爵家の次男でありながら四男とは言え辺境伯家のご子息の側仕えになると言う幸運を逃すなと父母から念を押され、誠心誠意努めて来た。

いつしか尊敬する主人であり、弟の様でもあるブリアン様の世話を焼く事が何よりの幸せだと思うようになった。

あ……、そのせいで女性から自分を一番に見てくれない! と振られていたのか?

それは今更どうでもいい。
まさか恋人が人外だとは想像もしなかったけれど、幸せだから良しとしましょう。 
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