召喚農夫の田舎暮らし

香月ミツほ

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領主夫人になる日まで3

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「義姉上方、いつもお美しい」
「「まぁ、セラド様ったら」」
「セラド、義姉を狙うな」
「男なら男も女も孕ませられるのに、女はどちらも孕ませる事が出来ないんだぞ。誘うくらい大目に見ろ」
「セラドだと孕ませられそうで心配なんです」

真昼間から領主の家族が堂々とこんな話してていいのかな?

「ブリアン様! おめでとうございます!!」

鬼気迫る勢いでワインの瓶を持ってきたのは見知らぬ女の子。

「ありがとう」

ブリアンがにっこり笑ってグラスを差し出すと、頬を染めてうっとりとお酒を注いだ。そして、ぐりん! と凄い勢いでぼくの方を向いてにやぁと笑った。

「花嫁様もお祝いのお酒を召し上がって下さいますよね?」
「は、はい!」

おずおずとショットグラスを差し出すと、彼女はなみなみとお酒を注いだ。
これからたくさん注がれるらしいのでちょびっとだけ口をつける。フルーティで美味しい!

「ふわぁ、これ、美味しいですねぇ」

もう一口、もう一口と、もっと飲みたくなる。

「スイ、飲み過ぎないでね?」
「は……「飲んでやろう! む?甘いな」

3杯飲んだところでゴビネット様に取られた。

「ま、まだありますわ!」
「いただこう」
「まだまだ!!」
「もっと強い酒はないのか?」
「もっ…… っあぁ!」

ぼくは一口サイズのショットグラスだけどゴビネット様とセラド様は大きめのワイングラス。そっちに注がされて女の子の持って来たワインはもう空っぽ。

「うぅぅ…… 花嫁にお酒飲ませて初夜の邪魔したかったのに! お小遣い注ぎ込んだのに!!」
「残念でしたね」

ブリアンが笑顔で受け流している。そう言ういたずらするのは普通だし。

「いっ! 良いもん! 領主様達をこんなお近くで見られただけで良いんだもん!」
『ニンゲンとは不思議なものだな』
「ここここっちにも美形が!?」
『ボクも飲んでみたかったな』
「酒ならうちで用意した物があちらにあるから飲んで来たら良い」
「あのっ! ご案内いたします!」
『そう? ありがとう』

女の子は大ちゃんとりんちゃんを連れて飲み物を取りに行った。あ、友達が群がってきたみたい。 

「ねぇ、お酒があるのになんであの子はお小遣いで買って来たの?」
「ここで振る舞っている飲み物はグラスでもらうので人に注ぎたい時は自前で持ってくるんです。自家製の物でも購入した物でも構いません」
「ブリアン様! どうぞうちの自慢のワインを飲んでください!」
「ブリアン様!」
「スイ様!」

説明を聞いてたら周りの人たちがどどどっとお酒を注ぎに来てくれた。

それからはお酒を注がれて申し訳程度に口を付けると、残りをゴビネット様とセラド様が攫うと言う流れで宴会は続いた。

途中、歌合戦が始まったりみんなで踊ったり。
子供達の歌と踊りはとっても可愛くて、女の子達のダンスはセクシーで、ガチムチの男の人たちはかっこいいけどちょいちょいおふざけが入って面白かった。

あ、お土産は貴族の人達には朝のうちに配り終えていて喜ばれたし、領民には事前に配られた引換券で今日配られている。よそから来た人たちには申し訳ないけど購入してもらっている。さっそくクッキーを食べた子供達から美味しかった、もっと食べたいと言われてすごく嬉しくなった。

今度、クッキー教室をすると子供達と約束をした。

日が暮れて子供達が家に帰り、大人たちの時間になる頃。
貴族の人達のパーティーは場所を改めて、町のみんなのパーティーはそのまま町の広場で続いているけど、僕たちは家に帰る。

だって初夜だもん!

ファーガスさんは気を利かせてやる、と言って意気投合したゴビネット様とその辺の屋台を飲み歩くようだ。セラド様は女の子をナンパしてハーレムを作っている。
ブリアンの両親や兄上たちは貴族のパーティーを取り仕切っている。人付き合いが大変そうだな。

そんなことを考えているうちにお屋敷に着き、玄関を入った途端にお姫様抱っこされた。

「スイ、お疲れ様でした。今夜はもうゆっくりしてくださいね」
「……え? あの…… 寝ちゃうの?」
「まさか。今夜は私がスイのお世話をするから、スイは身を任せていて下さい、と言う事です」
「もう! びっくりさせないでよ!」
「ふふふ……、期待してますか?」
「あ、ん…… もちろん」

耳元で囁くから息がかかって感じちゃう。
腕を伸ばしてブリアンにキスを強請ると、優しいキスの雨が降る。気がつけばすでに脱衣場で、そっと降ろされて服を脱がされていた。 

「あぁん…… そこはもう、汚れてないよぅ……」
「スイに汚いところなんてありませんが、こちらを洗う口実にできるもので」
「ひぅっ! やぁ、もう……いじわるしないで……!!」

洗浄効果のあるローションでずっと乳首をぬるぬる擦られてぼくの芯が透明な雫を溢れさせる。それを洗っていると言いながら泡と混ぜて塗りつけているみたい。しかも優し過ぎるほどの触れ方だから焦らされっぱなし。もう、さっきからずっとお尻がヒクヒクしちゃってる……!!

「お尻、洗ってぇ……」

お風呂用の椅子からお尻をずらして触って欲しいとアピールする。

「ここも汚くないですよ?」
「やだ! 中、なかぁ……」

入り口を柔らかく押すだけで中に入って来てくれない指を飲み込もうと腰を振る。ちゅぷっ…… もぞもぞもぞ……

「あっ!」
「スイ!!」
「あぁぁぁぁぁん!」

指を追いかけているうちにバランスを崩してひっくり返りそうになり、支えようとしたブリアンの指が深く入り込んだ。待ちわびた刺激に軽く絶頂する。

「もっと気持ちいの、欲しい…… ちょうだい?」
「あぁ、もう! どこまで可愛くなれば気が済むんですか!?」
「ふわぁ…… ブリアンがぼくとずーっとえっちな事したいって思ってくれるくらい、可愛くなりたいな」
「それはもう、初めて口付けを交わした時から思っていますよ?」
「嬉しい! じゃぁ早くこっちも……、くしゅっ!!」
「すみません、冷えてしまいましたね」

すぐに泡を流して湯船に浸かり、後ろから抱きしめられて身も心もほかほかになった。

そしてお風呂から上がってベッドに下され、高級だったらしいぼくの作ったローションを使って、ブリアンの大きなのが苦もなく分け入って来た。

「もうイってしまったのですか?」
「だってあんなに焦らすんだもん……」
「すみません、ねだる姿が可愛くてつい、ね?」
「あっ、あっ、あっ…… まだ動いちゃ……!」
「すみません、抱きしめさせてください。」
「くぅぅぅぅんっ! 深っ、あっ、前、擦れ……!!」

些細な動きにまで感じてしまって何をされても気持ちいい。

「ブリアンの、赤ちゃん…… 欲しい……」
「!!!!!」
「はぅんっ! ひゃっ、ふみゃぁっ!!」
「あっ、くぅっ、うぅ……!」

ぼくの言葉に驚いたのか、いつもは行き止まりの場所にまでずくっと入り込んできてありえないほどの快感にまた絶頂した。今度はブリアンも一緒。 
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