前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ

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第二十七話 喧嘩

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「クラリス、クラリス……っ!!」
「マリアンヌ……」

 ホールから飛び出し、バルコニーで蹲っているとマリアンヌが血相を変えてやってくる。
 どうやらどこかから私の様子を見ていたらしい。
 だけど私はマリアンヌの顔を見るとカーッと頭に血が上り、怒りのまま泣きながら詰め寄った。

「マリアンヌは知ってたんでしょう!? エディオンが王子だって!」

 親友だからこそ信じていたのに、裏切られたと胸が苦しくなった。
 注目されたくない。目立ちたくない。
 そんな私のことを一番に理解してくれていると思っていたマリアンヌの行動に、なぜそんなことをしたのかと知りたくて問い詰める。

「ごめんなさい。エディオンがこの国の第三王子だってことは知ってたし、クラリスがそれに気づいてないこともわかってたわ」
「何で……、だったらどうして言ってくれなかったの!? 私、目立ちたくないってあれほど言ってたじゃない!!」
「それも、わかってはいたけど……」
「だったら、どうして!? どうして教えてくれなかったの!??」
「だって、言ったら貴方……エディオン王子の誘いを断るでしょう? せっかく、やっと外に出られて、NMAにも来れて、だから私……クラリスに変わってもらいたかったの! 貴女には素晴らしい力もあるし、素晴らしい人柄だし、もっとたくさんの人にクラリスのことを知ってもらいたくて……!!」
「そんなの私、望んでない! 私は……私はこんなことになるなら、NMAなんかに来なければよかった……っ!!! マリアンヌなんて、大っ嫌い!!!!」
「っ、クラリス……!!」

 マリアンヌにやり場のない怒りを全部ぶつける。
 もう止まらなかった。マリアンヌを信じていたからこそ、この裏切りだけはどうしても許せなかった。

 私は叫ぶように大声で言うだけ言うと、今度はホールに戻り、エントランスに向かって走り出す。
 一刻も早くこんなところを出て、寮へと戻りたかった。

「貴女が、クラリスさん?」

 足早に会場を出ようとしたところで女性から声をかけられる。
 振り向くと、女性三人組が険しい表情をしながら立っていた。

 特に中央に立っている女性の威圧感は凄まじく、茶色くウェーブした髪は少々毛が逆立ち、真っ赤な瞳からは怒りが滲んでいる。

「ちょっとお話がありますの。来てくださる?」
「え」

 抗議する間もなく、ガシッと両サイドを固められる。

(ここの生徒、強引な人が多くない?)

 私は今すぐ寮に帰りたいというのに、彼女達に両腕を引っ張られると、抵抗することもできずにそのまま人気のないところへと連行された。
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