49 / 83
49 あの、ご冗談ですよね?
しおりを挟む
脳内で考えていたはずの様々な思考がパーンと一気に弾け、霧散した。
それくらい衝撃的なグロウの言葉に、マリーリは目を丸くする。
「……はい? あの、ご冗談ですよね?」
「いや、本気だ」
さすがにそんな冗談信じないぞ、と躱したつもりだったのに、なぜか追撃されて戸惑うマリーリ。
しかもグロウの瞳にまっすぐ見つめられてドギマギしてしまう。
「な、な、な、なぜ? えっと、お会いしてからそこまで経っていませんよね? そもそもグロウさまに見初められる要素は何も……」
「普通と違うのがいい」
「はい?」
思わず素っ頓狂な声が出る。
普通と違う、って変わり者って意味だろうが、それがいいとはどういうことだとマリーリの頭の中ははてなマークでいっぱいだった。
「乗馬も絵画も女があまり嗜まないものを好むという、人と違う部分がいい」
「それは、……どうもありがとうございます。ですが、それ以外どこも魅力的な要素はないかと」
「そういう物怖じしないところもいい。それに、そもそもキミの以前の婚約時はあまり会って間もない相手と婚約したと聞いたが?」
(なぜそれを知っているんだ)
自分のことをどこまで知っているんだろう、と少々怖くなるマリーリ。
わざわざ調べたのだろうか、それにしたってなぜ、とグロウの言葉にだんだんと不安になってくる。
「それは……以前は確かにそうだったかもしれませんが……。でも今はジュリアスと婚約中でして」
「婚約といえどまだ契約の途中、ということだろう? ひっくり返そうと思えばいくらでもひっくり返せるさ。おれの権力を使えば、な」
「そんな……っ」
脅しとも言える言葉に慄くマリーリ。
なぜこうも自分に執着するのか、グロウであれば色々な女性が選り取り見取りだろうに、とますます不信感が募る。
「何が不満だ? ジュリアスよりも地位は高いし、資産もいい。顔の好みはあるだろうが、悪くはないと自負している。それに、あいつは未だにキミを好きだともなんとも言ってもいないのだろう?」
「そ、れは……」
事実にギュウ、と胸が苦しくなる。
確かに、好きだとか愛してるだとかそう言った類のことは言われたことがない。
好意らしいのは見え隠れしているが、それも正直自信があるとは言えなかった。
(愛されてる、とは思うけど……たまに見せる表情とか拒絶とかを考えると、私はジュリアスにとって一体どういう立ち位置の人間なのだろうか)
ずっとマリーリが疑問に思っていることだった。
彼の真意が見えないことによる焦燥感。
けれど、だからと言って何かをすることもできずにただモヤモヤとしてるだけ。
マリーリにとって、ジュリアスがどう思っているか気になる事柄ではあるが、それと同時に知ってしまったときの恐怖や不安感も同時に襲いかかってくるため聞くに聞けないことだった。
「であれば、おれがマリーリを愛そう。大丈夫だ、何も心配はない。不自由もさせない。騎士道に誓ってキミを大切にする。どうだ? 悪い話ではなかろう?」
「……っ」
優しく手を握られる。
初めてグロウに触れられ、ぞわっとした悪寒が身体を走った。
手つきは優しいのになんだかとても怖くて、マリーリは震える。
「マリーリさま、ご来客です」
凛としたミヤの声にハッと我にかえって、グロウの手を弾く。
「あ。す、すみません……っ」
「いや、気にするな」
「えっと、ミヤ。どなたがお越しに?」
慌てて手を払ってしまったことを謝るも、グロウは興味なさそうにふいっと視線をそらした。
「それがですね、ジュリアスさまの「やぁ! マリーリ! 久しぶりだね!!」」
ミヤが口を開いたのに合わせて堂々と室内に入って来ながら言葉を被せてくる男。
久々に見た彼は記憶よりも幾分か老けたような気がしたが、相変わらずのイケメンぶりであった。
「まぁ、ブルースさま! お久しぶりです!!」
ガタッと勢いよく席を立つ。
まさかこんな急に来客が立て続けに来るなんて、と驚きつつも、久しく会っていなかった彼に会えてマリーリの声は弾んだ。
「ジュリアスと婚約したんだろう? 随分と大きくなってお兄さんびっくりだわ。って、あら、グロウくんもお久しぶりだね」
「……どうも」
「グロウくんは何しに来たの? ジュリアスはまだ忙しくしてるんじゃなかったっけ? いけないなぁ、家主に隠れて奥様に会いに来ちゃうだなんて」
「別にそんなんではないですよ。……おれはこのあと用事があるので失礼します」
「え、っ……ちょ、グロウさま!?」
マリーリが追いかけながら声をかけるも、そのまま家を出て行ってしまうグロウ。
できればちゃんと先程の告白を断りたかったのだが、と思いつつも帰ってしまったなら仕方がないと諦める。
だが、一体何の用事だったのか未だに理解できない。
まるで白昼夢かのようまありえないことの連続でマリーリの頭はついていけてなかった。
「あーりゃりゃ、帰っちゃった。グロウくんは気難しくてダメだね~」
ブルースは悪びれる様子もなく頭を掻く。
どうやら二人は顔見知りのようではあるがやり取り的にあまり仲はよくないらしい、とマリーリは察した。
「ところでブルースさま、本日いらっしゃるご予定などありました?」
「いんや、思いつき。ブレアの地の近くまで来たからついでに寄っただけだよ。マリーリとジュリアスが婚約したと聞いて本当はもっと早く来たかったんだけど、最近はどうも忙しくてね」
「なるほど、わざわざどうもありがとうございます。そういえば、奥様やお子さんはお元気です?」
「あぁ、元気だよ。さすがにちょっと夜泣きは勘弁してもらいたいが」
「まぁ、それも元気な証拠ですね。今度ぜひともお会いしたいです」
「うんうん。連れてくるよ。……ところで、グロウはなぜ来たの?」
「それが、私にも……」
ブルースに聞かれてもマリーリにはてんで心当たりはない。
最後の謎の告白も本気だったのかどうか、やはり揶揄われていたのではないか、と思うくらいだ。
「ふぅん、そうなんだ……」
「ブルースさまはグロウさまとお知り合いだったんですね」
「あぁ、親父が城によく出入りしてたから僕も必然的に彼のことは知ってるよ~」
ブルースとジュリアスの父であるフィリップ侯爵は由緒正しい血筋で昔から陛下にお仕えしている執政官の一人だ。
そのため、言われてみればなるほどそういう繋がりがあるのかと納得するマリーリ。
「一応彼のことは生まれたばかりの頃から知ってるけど、随分とまぁ捻くれちゃったみたいだね」
「捻くれた?」
「うん、そうそう。ジュリアスとはまた違った面倒くささがあるよね。まぁ、グロウくんはブラコンだからねぇ。ギルベルト陛下のことを敬愛してるんだけど、ちょっとそれがもう盲目的すぎて」
「盲目的……」
(そんな人がなぜ私に告白なんか……)
「ジュリアスもそれくらい僕のこと慕ってくれないかなぁ~」
「ジュリアスはジュリアスでブルースさまのこと好きだと思いますけど」
「えーー、嘘だー! 会ってもいつも無愛想なんだぞ、あいつ。煩いとか邪魔だとかばっかりで兄を慕う気持ちが欠片もない!」
「ジュリアスは素直じゃないですから」
「えー、絶対違うと思うけど。ま、そういうことにしとこうか。とにかくマリーリが元気そうで何よりだ。ジュリアスとは上手くやってる?」
「えぇ、まぁ程々に? ですけど。ブルースさまもお元気そうで何よりです」
「何だよ、程々にって。詳しくお兄さんに教えなさい?」
その後お互いの近況を話しつつ、日が暮れてからブルースは帰宅した。
先程までマリーリが感じていたはずの不安感はほとんどがどこかへと飛んでいったが、ほんの少しまだ小さな蟠りだけは心の奥底で静かにずっと燻っているのだった。
それくらい衝撃的なグロウの言葉に、マリーリは目を丸くする。
「……はい? あの、ご冗談ですよね?」
「いや、本気だ」
さすがにそんな冗談信じないぞ、と躱したつもりだったのに、なぜか追撃されて戸惑うマリーリ。
しかもグロウの瞳にまっすぐ見つめられてドギマギしてしまう。
「な、な、な、なぜ? えっと、お会いしてからそこまで経っていませんよね? そもそもグロウさまに見初められる要素は何も……」
「普通と違うのがいい」
「はい?」
思わず素っ頓狂な声が出る。
普通と違う、って変わり者って意味だろうが、それがいいとはどういうことだとマリーリの頭の中ははてなマークでいっぱいだった。
「乗馬も絵画も女があまり嗜まないものを好むという、人と違う部分がいい」
「それは、……どうもありがとうございます。ですが、それ以外どこも魅力的な要素はないかと」
「そういう物怖じしないところもいい。それに、そもそもキミの以前の婚約時はあまり会って間もない相手と婚約したと聞いたが?」
(なぜそれを知っているんだ)
自分のことをどこまで知っているんだろう、と少々怖くなるマリーリ。
わざわざ調べたのだろうか、それにしたってなぜ、とグロウの言葉にだんだんと不安になってくる。
「それは……以前は確かにそうだったかもしれませんが……。でも今はジュリアスと婚約中でして」
「婚約といえどまだ契約の途中、ということだろう? ひっくり返そうと思えばいくらでもひっくり返せるさ。おれの権力を使えば、な」
「そんな……っ」
脅しとも言える言葉に慄くマリーリ。
なぜこうも自分に執着するのか、グロウであれば色々な女性が選り取り見取りだろうに、とますます不信感が募る。
「何が不満だ? ジュリアスよりも地位は高いし、資産もいい。顔の好みはあるだろうが、悪くはないと自負している。それに、あいつは未だにキミを好きだともなんとも言ってもいないのだろう?」
「そ、れは……」
事実にギュウ、と胸が苦しくなる。
確かに、好きだとか愛してるだとかそう言った類のことは言われたことがない。
好意らしいのは見え隠れしているが、それも正直自信があるとは言えなかった。
(愛されてる、とは思うけど……たまに見せる表情とか拒絶とかを考えると、私はジュリアスにとって一体どういう立ち位置の人間なのだろうか)
ずっとマリーリが疑問に思っていることだった。
彼の真意が見えないことによる焦燥感。
けれど、だからと言って何かをすることもできずにただモヤモヤとしてるだけ。
マリーリにとって、ジュリアスがどう思っているか気になる事柄ではあるが、それと同時に知ってしまったときの恐怖や不安感も同時に襲いかかってくるため聞くに聞けないことだった。
「であれば、おれがマリーリを愛そう。大丈夫だ、何も心配はない。不自由もさせない。騎士道に誓ってキミを大切にする。どうだ? 悪い話ではなかろう?」
「……っ」
優しく手を握られる。
初めてグロウに触れられ、ぞわっとした悪寒が身体を走った。
手つきは優しいのになんだかとても怖くて、マリーリは震える。
「マリーリさま、ご来客です」
凛としたミヤの声にハッと我にかえって、グロウの手を弾く。
「あ。す、すみません……っ」
「いや、気にするな」
「えっと、ミヤ。どなたがお越しに?」
慌てて手を払ってしまったことを謝るも、グロウは興味なさそうにふいっと視線をそらした。
「それがですね、ジュリアスさまの「やぁ! マリーリ! 久しぶりだね!!」」
ミヤが口を開いたのに合わせて堂々と室内に入って来ながら言葉を被せてくる男。
久々に見た彼は記憶よりも幾分か老けたような気がしたが、相変わらずのイケメンぶりであった。
「まぁ、ブルースさま! お久しぶりです!!」
ガタッと勢いよく席を立つ。
まさかこんな急に来客が立て続けに来るなんて、と驚きつつも、久しく会っていなかった彼に会えてマリーリの声は弾んだ。
「ジュリアスと婚約したんだろう? 随分と大きくなってお兄さんびっくりだわ。って、あら、グロウくんもお久しぶりだね」
「……どうも」
「グロウくんは何しに来たの? ジュリアスはまだ忙しくしてるんじゃなかったっけ? いけないなぁ、家主に隠れて奥様に会いに来ちゃうだなんて」
「別にそんなんではないですよ。……おれはこのあと用事があるので失礼します」
「え、っ……ちょ、グロウさま!?」
マリーリが追いかけながら声をかけるも、そのまま家を出て行ってしまうグロウ。
できればちゃんと先程の告白を断りたかったのだが、と思いつつも帰ってしまったなら仕方がないと諦める。
だが、一体何の用事だったのか未だに理解できない。
まるで白昼夢かのようまありえないことの連続でマリーリの頭はついていけてなかった。
「あーりゃりゃ、帰っちゃった。グロウくんは気難しくてダメだね~」
ブルースは悪びれる様子もなく頭を掻く。
どうやら二人は顔見知りのようではあるがやり取り的にあまり仲はよくないらしい、とマリーリは察した。
「ところでブルースさま、本日いらっしゃるご予定などありました?」
「いんや、思いつき。ブレアの地の近くまで来たからついでに寄っただけだよ。マリーリとジュリアスが婚約したと聞いて本当はもっと早く来たかったんだけど、最近はどうも忙しくてね」
「なるほど、わざわざどうもありがとうございます。そういえば、奥様やお子さんはお元気です?」
「あぁ、元気だよ。さすがにちょっと夜泣きは勘弁してもらいたいが」
「まぁ、それも元気な証拠ですね。今度ぜひともお会いしたいです」
「うんうん。連れてくるよ。……ところで、グロウはなぜ来たの?」
「それが、私にも……」
ブルースに聞かれてもマリーリにはてんで心当たりはない。
最後の謎の告白も本気だったのかどうか、やはり揶揄われていたのではないか、と思うくらいだ。
「ふぅん、そうなんだ……」
「ブルースさまはグロウさまとお知り合いだったんですね」
「あぁ、親父が城によく出入りしてたから僕も必然的に彼のことは知ってるよ~」
ブルースとジュリアスの父であるフィリップ侯爵は由緒正しい血筋で昔から陛下にお仕えしている執政官の一人だ。
そのため、言われてみればなるほどそういう繋がりがあるのかと納得するマリーリ。
「一応彼のことは生まれたばかりの頃から知ってるけど、随分とまぁ捻くれちゃったみたいだね」
「捻くれた?」
「うん、そうそう。ジュリアスとはまた違った面倒くささがあるよね。まぁ、グロウくんはブラコンだからねぇ。ギルベルト陛下のことを敬愛してるんだけど、ちょっとそれがもう盲目的すぎて」
「盲目的……」
(そんな人がなぜ私に告白なんか……)
「ジュリアスもそれくらい僕のこと慕ってくれないかなぁ~」
「ジュリアスはジュリアスでブルースさまのこと好きだと思いますけど」
「えーー、嘘だー! 会ってもいつも無愛想なんだぞ、あいつ。煩いとか邪魔だとかばっかりで兄を慕う気持ちが欠片もない!」
「ジュリアスは素直じゃないですから」
「えー、絶対違うと思うけど。ま、そういうことにしとこうか。とにかくマリーリが元気そうで何よりだ。ジュリアスとは上手くやってる?」
「えぇ、まぁ程々に? ですけど。ブルースさまもお元気そうで何よりです」
「何だよ、程々にって。詳しくお兄さんに教えなさい?」
その後お互いの近況を話しつつ、日が暮れてからブルースは帰宅した。
先程までマリーリが感じていたはずの不安感はほとんどがどこかへと飛んでいったが、ほんの少しまだ小さな蟠りだけは心の奥底で静かにずっと燻っているのだった。
1
あなたにおすすめの小説
恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。
長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様!
しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが?
だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど!
義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて……
もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。
「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。
しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。
ねえ、どうして? 前妻さんに何があったの?
そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!?
恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。
私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。
*他サイトにも公開しています
公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。
木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。
時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。
「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」
「ほう?」
これは、ルリアと義理の家族の物語。
※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。
※同じ話を別視点でしている場合があります。
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
【完結】一途すぎる公爵様は眠り姫を溺愛している
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
リュシエンヌ・ソワイエは16歳の子爵令嬢。皆が憧れるマルセル・クレイン伯爵令息に婚約を申し込まれたばかりで幸せいっぱいだ。
しかしある日を境にリュシエンヌは眠りから覚めなくなった。本人は自覚が無いまま12年の月日が過ぎ、目覚めた時には父母は亡くなり兄は結婚して子供がおり、さらにマルセルはリュシエンヌの親友アラベルと結婚していた。
突然のことに狼狽えるリュシエンヌ。しかも兄嫁はリュシエンヌを厄介者扱いしていて実家にはいられそうもない。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、若きヴォルテーヌ公爵レオンだった……。
『残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました』『結婚前日に友人と入れ替わってしまった……!』に出てくる魔法大臣ゼインシリーズです。
表紙は「簡単表紙メーカー2」で作成しました。
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
婚約破棄された伯爵令嬢ですが、辺境で有能すぎて若き領主に求婚されました
おりあ
恋愛
アーデルベルト伯爵家の令嬢セリナは、王太子レオニスの婚約者として静かに、慎ましく、その務めを果たそうとしていた。
だが、感情を上手に伝えられない性格は誤解を生み、社交界で人気の令嬢リーナに心を奪われた王太子は、ある日一方的に婚約を破棄する。
失意のなかでも感情をあらわにすることなく、セリナは婚約を受け入れ、王都を離れ故郷へ戻る。そこで彼女は、自身の分析力や実務能力を買われ、辺境の行政視察に加わる機会を得る。
赴任先の北方の地で、若き領主アレイスターと出会ったセリナ。言葉で丁寧に思いを伝え、誠実に接する彼に少しずつ心を開いていく。
そして静かに、しかし確かに才能を発揮するセリナの姿は、やがて辺境を支える柱となっていく。
一方、王太子レオニスとリーナの婚約生活には次第に綻びが生じ、セリナの名は再び王都でも囁かれるようになる。
静かで無表情だと思われた令嬢は、実は誰よりも他者に寄り添う力を持っていた。
これは、「声なき優しさ」が、真に理解され、尊ばれていく物語。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。
千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。
だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。
いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……?
と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる