イシュタムに会うのはまた今度

もとした 影

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プロローグ

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 ハタハタと風が吹いて女の子のスカートが舞う。長いスカートから、白く細い足が見える。
「意味が分からない」
 女の子はチュッパチャップスから口を離して、またすぐにしゃぶり始める。優しい白色とピンク色、きっとクリームストロベリー味だろう。女の子はこの味が一番好きだと言っていた。
 真っ赤な唇が動く。
「見た目は大人っぽいけど、中身は子どもだってことだよ」
 女の子が嫌いなものは、自分だ。整った顔も、澄んだ声も、白い肌も、全部嫌いだと言っていた。僕にはその気持ちが理解出来なかった。きっと女の子も理解されることを求めていなかったのだろう、「理解出来ない」と言った僕に「知ってる。だって私も貴方のことが理解出来ないから」と濃い化粧の向こうで笑っていた。
 確かにそうだな、と思う。僕も簡単に僕の嫌いなものを理解されても困る。時には誠実な事実よりも、優しい嘘が必要だ。
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