イシュタムに会うのはまた今度

もとした 影

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第Ⅰ章

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 洗顔は嫌いだ。嫌でも自分の顔を直視しなければならないから。見てはいけないと思っているのに、僕は今日も鏡の自分と目が合ってしまう。
 強力な洗剤でこすり洗いをしても取れないであろうクマと、漂白剤を付け過ぎてしまったような恐ろしく青白い顔色。まるですでに死んでいるかのようだ。白髪の目立つ髪の毛に、緊張で引きつった表情筋。睡眠不足で目は赤く充血して、長く伸びきった髪がより印象を暗くさせている。自分でも長い髪は邪魔だし切りたいのだけど、髪を切るハサミが怖くてたまらないのだ。脳裏にハサミを持ったアイツの姿が蘇る。
 僕は軽く舌打ちをして鏡に映る自分に水をかける。
 こっち見んなよ。クズ。
 心底、自分の顔に嫌気がさす。
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