もふもふの世界に落っこちて、気がついたら離してくれなくなった件

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幸せだな…

ある日常

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子供達はスクスクと育って行った。
獣人の子は成長が早いのか?
母乳を飲んで育てるのはほぼ同じように思うんだけど、気がつけ寝返りし、ハイハイして、つかまり立ち。
一歳にならないうちに、トコトコ歩き出して、走り出す。
離乳食も早い感じがするけど、乳離れは少し遅かった。

父親である2人との火花を感じるのは何故だろうか??

「もうそろそろ、父様達に返してもらっても良いはずなんだが?」
「「めっ!めっ!」」

そう言って、小さな手で払い除けてる2人。
何とも微笑ましいのだが…

「そうですね、そろそろ寝室も別にした方がよろしいかと」
「こんなに小さいのにですか?まだ親子で添い寝するんじゃないですか?」

小さいうちは、親子で添い寝だったと思うんだけど、獣人社会では違うのか?

「はい。子供の成長のためにも、早くから離れますね。巣立ちの練習みたいな物です。本能的なものもありますが…多分、お2人も小さいながらもご理解してると思いますよ」

そう言って、抱きつく2人をペリッと剥がした。
さすが、セバスチャンだ。

執事のセバスチャン。夫の幼少期からずっと見守り、支えてると言っていた。
元諜報部員でかなり有名人だったらしいセバスチャンは、子煩悩の執事でもある。
夫2人も、彼には敵わないらしいし…

「坊っちゃまとお嬢様。素敵なお部屋がお2人を待ってますよ。さぁさぁ…」

そう言って、以前から準備して来た子供部屋に連れて行った。
親とは別室ににはするが、子供2人はまだ小さいから一緒の部屋で良いらしい。
ちょっと寂しい気もするけど、それが当たり前ならそれに倣う。

「アイリ、寂しいのか?」
「寂しくないとは言えないけど…」
「子供の成長には必要な事なんだ。僕たちは嬉しいけど」

そう言って、2人に抱きしめられる。

「やっと僕たちの腕の中に帰ってきた。子供は愛しいけど、アイリとは別だからね」
「やっと返してもらえる。これからは、成長を見守っていくんだよ。時々はこの温もりを貸すけどね」

子供に対しても嫉妬心を持つのか?そこまでの執着は嬉しいような、怖いような…

「それより、お2人ともお仕事は?」
「休みだよ」
「もぎ取ってきたよ。やるべき事は片付けた。そろそろ子供を離す時期で、準備も出来たと言っていたからね」

2人とも、何か企んでる顔をしている…
これは逃げるべきか…逃げるべきだろう…

「そうなのですね。えっと…」
「どうしたの?」

拘束している腕の力が強まった。思わずよじって逃げようとしてみる。

「少し用事を思い出しまして、少し離していただけたらと…」
「用事って?」
「それは…ほら、女性同志の付き合いとか、その他とか…」
「ふ~ん」

よし、拘束の手が緩んだ。今だ!!

スッと立ち上がり、離れようとして…失敗した。
腕と腰を引き寄せられ、2人の間に引き戻された。

「知ってる?獣は逃げるものを追いかけて捕らえる習性があるんだ」
「捕食者の習性。本能とも言えるね」
「じゃ、行こうか…」

そう言うと、抱き上げられて、寝室に閉じ込められた。
その後は……言うまでもないよね…
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