番になんてなりたくない!

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学園生活

助けて……

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どのくらい時間がたったのだろうか……
天井に近い場所の明かり取りの窓から月明かりが差し込んできた。
彼らは今はいない。

油断した。
最後まではされなかったが、身体を散々撫でまわされ、凌辱された。
3人に犯されたのだ。

身体は男子だが、心は……生前の、元OL秋本 涼子(あきもと りょうこ)    としての意識がある。
ネットオタク女性で、彼氏などいなく、ゲーム上の男性にキュンキュンしてた。
だから、はっきり言って、男性経験は、ほとんど無い。
あっても、キス。それも軽くの「ちゅ」ぐらいだもの……
友人に頼まれた合コンの帰りに交通事故にて死亡して、この世界に転生したけど……

涼子だった頃の心と今の心。どちらが涙したのかわからない……

クロさん……

猿ぐつわのように咬まされた布は取り払われておらず、声を出して泣くこともできない。
身体中が痛い。
心も痛い……

部屋の少し高い位置にあるドアの外に気配を感じる。

誰かいる。
うっすらとそちらを見る。
また、誰かに襲われるのだろうか……
逃げたくても逃げれないし、身体を隠すこともできない。

ガチャガチャ音がして、グワンと大きな音がしたと思ったら、ドアがこちらに倒れ落ちてきた。
ドアを蹴破ってきたのは、クロさんだった。
額に汗をかいているのか、掌で軽く拭い、キョロキョロと探している。

クロさん!!

そう叫びたいのに………

ガチャガチャと鎖の音だけさせて、ここにいると訴える。
クロさんの後ろにも誰かいるようだが、私のこの姿を確認し、そこで待機するよう指示して駆け寄ってきた。

「ウィル。なんてことだ……」

痛々しい傷痕などをさっと確認され、クロさんの上着を掛けられた。
携帯していた暗器を取り出して、鎖を外してくれる。
両脚を先に外し、両手を外されると、クロさんに倒れ込む。
掛けた服に袖を通され、ボタンも閉めて包み込まれ、抱き上げられた。

「長居は無用だ。帰るぞ。」

そう言って、ドアへと駆け上がる。

「このような場所、破壊してしまえ!」

そうドアで待機していた者に指示し、その場を後にした。
建物から出ると、大木に隠すように馬が繋がれていた。
クロさんの馬だ。

クロさんに抱きこまれたまま、馬に乗り、掛けていく。

「ウィル、身体が辛いかもしれないが、しばらく我慢してくれ。」
「う……ん……」

寒気がする。
あんな格好で放置されていたんだ。風邪をひいたのかもしれない。
ガタガタと震え出す。
クロさんが何か呟いた。
魔力展開したのかもしれない。少し暖かい……
そのまま意識を飛ばしてしまった……


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