番になんてなりたくない!

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波乱の影

悪夢の後に

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横に控える弟と呼ばれた赤髪の男を手招きで呼び、私を支えるように支持する。
身体を支えられて、舌舐めずりしながら見下ろされる。

気持ちが悪い……

散々弄んできた男に、腰を引かれ、蕾に男の欲をあてがられ、そのまま落とされるように突き入れられた。
男の上に座る形で突き入れられ、背中が剃りそうになったが、背後の男の体に密着するだけだ。

「あ………ん……あぁ……」

「兄上……」
「欲しければ、跪き、咥えるがいい。今回だけ味わえ」

そう言いながら、私のものを摩りながら、前の男にそう命じる。
片手で扱かれ、爪で先を突かれる。
自身が立ち上がり、先端から滲むのを感じる。また、蕾から入れられた物がムクムクと大きくなるのも感じた。
苦しい……嫌だ……
頬に涙が伝い、口角からも流涎が流れ出る。

それをじっと見つめる男。
ゴクリと喉から音がした。
獲物を捕らえるようなそんな目でみられる。


背後の男は、私の先端の液体を指でからめ取り、ピチャピチャと舐めとっている。

「どうする?」

「いただきます。」

そう言って、目の前の男は、私の前に跪き、自身を受け取ると、両手で支えながら咥えてきた。
舌で舐め、突き、そして、扱かれる。

左胸の頂を背後の男にもて遊ばれ、右手で顎を引かれ、無理やり後ろを向かされ口内を蹂躙される。
やめてほしい……
嫌だ……怖い……あぁ……………

両手を誰かに救いを求めるように伸ばす……

助けて…………クロ……




「ウィル!ウィル!起きろ!!」

強く握られ、抱き寄せられて、抱きしめられ………目を覚ます。

頬には涙が伝っていた。
夢か……

「ウィル、どうした?」
「クロ…………さん……」

涙を拭われ、膝の上に乗せられて、抱きしめながらあやされる。
主従関係でこの体制は変かもしれないが、今は許されるか……
背中を摩り、頭を撫でられる。
クロさんの温もりで安心した。

「クロさん、もう……大丈夫……」

落ち着いてきた私をベットに戻して、クロさんが心配そうに覗き込んできた。

「本当に大丈夫か?」
「うん、大丈夫。今何時ごろ?」

外はまだ暗そうだ。

前の時と同じやりとり。
あの時は、子供だったけど、今は……

「今、何か持ってきてやるから、少し待ってろ。」

クロさんはそう言うと、寝室から出ていった。

またみたあの夢……

ゲーム内で、他国との紛争のルートがある。
あの時、あの地の山脈などで、攻め込んできていない、裏側の帝国……
あの赤髪の男の背後にあの帝国の紋章が見えた……

あの地は以前色々と頑張って…今、不審な情報もない。
好戦的なあの帝国だが、今は少し落ち着いてきたとの情報もある。

でも、今回の急な来訪で、何か起こるのか?
それに対しての予知夢なのか…

あの時は、リリィもシロさんもいた。
今はいないけど……

居なくなってからの、イベントだったのか?
いったいいつまで振り回される……


身震いがする。
あくまでもモブな私は、悲劇しか無いのか?
少し幸せを噛みしめ始めたのに……

どうにか回避したいから、今まで頑張ってきたのに……

「ウィル?」

考え事をしていたら、いつの間にか、クロさんがもどってきていた。

「とりあえず飲め。落ち着くから……」

そう言って渡されたのは、あの時とホットミルクに少し蜂蜜が入り甘くされている。
いつまでも子供扱いなのか?
この甘さが、温もりがホッとするけど、なんかすっきりしない。

「どうした?」

飲んでいる私をクロさんが心配そうに見つめている。

いつも、悪夢に襲われている時、クロさんに起こされ、救われる。
もう少し早く起こしてくれたらいいのに……
なんて理不尽んな事も考えてしまうが、感謝している。
でも、でもね……

「美味しかった。ありがとう。」
「少しだけ、水も飲んでおけ。口の中が気持ち悪いだろ?」

そう言って、水を別のコップに注いでくれて、渡されるかと思ったが…
クロさんは、それをあおり、口移しに飲まされた。

「そんな顔をして、煽るお前が悪い…」

そんな顔って、どんな顔?
エッえっエッ??????

大丈夫。もうあの夢は見ないだろう。
クロさんがいるから……

そう思い、そのままクロさんに甘やかされ、ほんろうされて、夢の中に旅立った。
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